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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
死霊術師と穏やかな日々と
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三百五十ニ生目 鑓突

(ナイスだツバイ!)


 土魔法"E・スピア"は幼い頃から慣れ親しんだ魔法。

 先程のように地雷のようにも使えるし魔法の威力はちゃんと集中すれば目を見張るほどに高い。

 1体(たお)されたが残り2体の分身体は気にせずに魔法を放ってきた。


 霊属性の人魂のような青白い炎がいくつか。

 フラフラとだが素早く飛んでくる。

 コレはイバラで触れるのも危険な気がする。

 どうする?


(ああ、"私"もそう思う。だから……)


 ドライはイバラを避けさせてその代わり剣を掴んだイバラだけ構える。

 形状が変化して大盾になった。

 盾を動かしてフラフラ動く青炎をきっちり受ける。


 炎は盾に触れるとボウッと燃え上がりそのまま形がぐにゃりと曲がって盾に粘着質のように張り付いた。

 うーむなんとなくだがかなり悪質な予感。

 そもそも炎が張り付いている時点で熱いなんてもんじゃあないだろうし。


 一通り受けきってから行動力を送り込んで土魔力を解放させる。

 魔力同士が衝突して大盾についた炎は消え去った!

 よしよし。


 ただこの間にも当然大型分身は仕掛けてくる。

 片方は更に魔法を唱えもう片方は前にでてヒットアンドアウェイで斬り裂いてきた!

 "猛毒の花"の効果で基礎的なロゼハリーの能力が強化されているとは言え同時に大量のことをこなすのは限度が有る。

 私は次の魔法に集中しているし身体の操作はドライだけだ。


「オラオラ! もっと来なよ!!」


 だがドライは楽しそうにわらう。

 何本ものイバラを向かわせるが基本的には同じ技。

 けっきょくはポロニアという同じ個体の分身だから見聞きしたものは共有されている様子。

 多くの分身体を犠牲にした結果かなり見切られてきている。


 跳んで身体をひねって足を止めてその後縦に回って。

 何本ものイバラをかいくぐりついには直接牙の攻撃を仕掛けてくる。

 ドライはあえて頭突きを食らわす!


 牙が閉じられる直前に(エフェクト)を纏った1撃が上顎に当たりかちあって大型分身が思わず頭を下げる。

 私の頭から牙で切れた血が流れる。

 だがドライはためらうことはなくスキに向けて右前足の爪を振るう!


 振り下ろされた爪に首筋から肩にかけて大きく引き裂かれた!

 血ではなく毛と淡い光が散る。

 追撃のタイミングで後方から光がキラキラと散ったのが飛来してきてイバラで撃ち落としながら下がった。


 光はイバラに触れると瞬間的に強く輝き爆発のようにイバラを破砕する。

 すぐに再生させるが数が多く払うのは間に合わない。

 大盾を構え爆砕の光を受けた。

 ギャインと奇妙な音と共に揺れる大盾をイバラでしっかり掴みながら何重にも来る衝撃に耐える。


 "鷹目"で追っていたもう1体が背後から迫ってきた。

 ドライはあえて意識を向けず直前に食いかかってくる瞬間に尾のイバラを振るう。

 完全に虚をついたはずの動きだったのに見切られた大型分身はモロに尾を顔面に喰らった。


 そのまま怯んだ所に尾のイバラを伸ばして巻き上げる!

 拘束している間に魔法が終わったので大盾を蛇腹剣に変化させ他のイバラと共にもう1体を打ち払った。

 だがそれだけではまだ(たお)れず後方の大型分身は迫りくるイバラたちの動きを想定して回避に専念。


 さすがに避けきれるわけではないがカス当たり程度にしかならないのも事実。

 さらに追加の魔法が飛んできた!

 今度は2つの黒いモヤの塊だ。

 円を描くような独特な軌道で迫ってきたので大盾モードにして防ぐ。


「うんっ!?」


 大盾で確かに受けたはずなのにすり抜けた。

 しまった物質的な干渉が弱い魔法か!

 かわりに掴んでいたイバラに触れるとイバラが黒く染まりバラバラに崩れ去る。


 痛みはイバラにはないが感覚はある。

 どんどんと崩壊しながらこちらへ向かってくるのを見てドライが顔をしかめた。


「やべえっ!」


 急いでイバラを自切しむかってくるもう1弾を大きく避けようと……

 尾の方に強く抵抗された。

 拘束している大型分身だ。


「チィッ!」


 ドライは瞬時に判断して尾のイバラも自切する。

 すぐに生やせるがこのままでは拘束が破られるからだろう。

 大きく回避してなんとか魔法弾は回避して地面につくとその付近を黒く染めて崩した。


 ソレ以上は侵食しなくて良かった。

 しかし尾に拘束されていた大型分身がついにちぎる。

 完全にちぎるその瞬間に!


 イバラの束が破れ大型分身が吠える!

 ここだ!

 "E・スピア"を腹の下地面から伸ばして貫かせる!


 邪魔だった自分のイバラもなくなり動きも制限された瞬間魔力光(エフェクト)を帯びて巨大な土槍が刺さる。

 たやすく背まで貫きわずかに足掻いた後に光となって消え去った。


「のこり1!」


 小型たちは敵愾心(てきがいしん)が剣のオーラで消えてしまいまともに抵抗できずに味方の魔物たちによって(たお)され制圧されている。

 このまま押し切れるか?

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