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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
死霊術師と穏やかな日々と
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三百四十三生目 結晶

 正面もう1体に"観察"!


[ダイヤウルLv.17 異常化攻撃:認識外し 比較:かなり弱い(例外あり)]


 強さの比較だ!

 私と比較しての強さだろうね。

 例外ありながら総合的には弱いか。


 例外というのは説明文をみる限りは防御力を指すのだろう。

 確かに飛び抜けて防御力が高いのは厄介だからね。

 この剣でもまともに傷がつくかどうかは……わからない。


 まだ茂みの中に隠れているがとっくに"見透す眼"で透視して配置を見ている。

 彼らがわずかな気配であろうと存在感を出したということは私を仕留める気だろうから油断はできない。

 背後にいるのは特にヤバそうだ。


["光速"のダイヤウルLv.28 異常化攻撃:認識外し 比較:ややふつう(例外あり)]


 この比較がどれほどの差を指しているのかはまだわからないが少なくとも単独での評価。

 3体に囲まれているうえ2つ名持ちは少し問題がある。

 2つ名は他と比べて厄介なことが出来たりするからニンゲンに目をつけられて2つ名がつくのだ。


["光速" 光できらめきながら早すぎる一撃離脱が恐れられてついた]


 相手の行動を想定しつつあくまで自然体で。

 キョロキョロするとバレているのがバレるからね。

 "鷹目"はまったくそのそぶりを見せないから便利。


 少しだけ時がたった時にあえて目を閉じる。

 その僅かな素振りで前2匹が草むらから飛び出してきた!

 いわゆるふつうの狼よりもひとまわりかふたまわり大きいうえに全身あちこちに透明な結晶を抱えている。


 どう考えてもふつうのニンゲンならば真正面から来られるだけで死ぬような体格のやつらが複数匹で確実な作戦で落としに来るあたりかしこい。

 かなり慎重で油断を誘えそうにもない。

 獅子は兎を狩るのにも全力を尽くす、か。


 いくらなんでももう棒立ちしている場合ではない。

 目を開いて抜剣!

 新しくなった剣ゼロエネミーを構える。


 ゼロエネミーからはやる気持ちが伝わってくるが機能解放はまだだ。

 後ろの"光速"がまだ動いていない。

 下手なことをするとのがしてしまう。


 正面から飛びかかってきた1匹を剣で迎えうち力加減を調整しつつ背後へ受け流す。

 あえて弾き飛ばさない。

 同時に低い姿勢で走ってきた狼の額に有る角のような結晶にえぐられないようにステップを踏んで避けた。

 上下同時奇襲わかるわー。

 私もみんなで狩りの時によくやった。


 思ったよりはやると感づかれたがまだ怯む程ではない様子。

 立ち位置を変えるときっちり追ってきて突撃をかましてくる。


「グァッ!」


 剣を両手で持って突撃に合わせて斬り払う。

 何度振っても剣は彼らの結晶の表面に弾かれ撫でるのみ。

 やはりまるで剣が通らない。


 互いに決定打はなくて攻めあぐねている。

 向こうはまだ本命が待機しているからだろう。

 私が何度目かの斬り払いをした時に背後の気配が動いた。


 奇妙な金属音がなると同時に結晶がきらめいたような優しい光が直線状に伸びる。

 私は剣を握りしめた。

 僅かに2匹が距離をとり注目を集めさせて……


 空気の壁を破るような轟音と共に光の塊が目にも止まらぬ速さで突進!

 背後からの常識外な速度。

 避けることも防ぐことすらも速度に比例した衝突エネルギーで不可。

 私は空へと跳ね飛ばされ――


 そう思い描いていただろう"光速"は自身の足が止められていることに驚愕した。

 そういう顔がよく見える。

 "光速"の足を止めていたのは先程までは剣だったのに僅かな時で大盾に変わった剣ゼロエネミー。


「ど、どういうことだ……」


 彼らの言葉が理解できるようになり思考も行動も一時停止してしまったのがよくわかる。

 ゼロエネミーは私の行動力を変換して節目で別れて変形し様々な形を取る。

 大盾で受けるダメージは私の行動力を犠牲にするがそもそもたくさんあるしすぐ治るから問題ない。


 さああぶり出したがここから逃げられるかもしれない。

 急いで再変形!

 私の針を手先から伸ばして剣がそこに巻き付き回転する。

 つまりドリルアタッーク!


「やあっ!」

「グアアッ!?」


 "光速"が悲鳴を上げつつ吹き飛ばされる。

 普通は掘り進む方向に回すが今は逆に回して弾き飛ばした。

 頭に強い衝撃を与えつつ"正気落とし""連重撃"で気絶狙いをひとふりで二回分も大きく与える。

 空から落ちた"光速"は地面に背中から落ちてそのまま目を回し気絶した。


「よし」

「に、逃げろ!」

「逃さない!」


 彼らが背中を見せつつ尾を振るうと同時に放たれた波動。

 剣をムチ型に変形させて払い落とす。

 あれが認識外しの技か。

 おそらくそこにいるはずなのに見つけられなくなってしまうのだろう。


 そのまま手を止めずムチを振るい離れようとしている2匹を薙ぎ払う!

 ピシャリという音ではなくガンガンという金属同士が当たる音がした。

 スキルもそのままなので彼らも衝撃でへなりと倒れ込み気絶。


「勝った! ありがとうゼロエネミー!」


 ここまで思い通りに勝てるとはすごい。

 しかも攻撃には"無敵"上乗せしてもともとの能力でも敵愾心(てきがいしん)をそいだはず。

 剣からなんとなくうれしさが伝わってきた。

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