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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
死霊術師と穏やかな日々と
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三百四十一生目 金銭

 私やカムラさんそしてドラーグがなんやかんやと稼いだお金を元手としたニンゲン界と同じお金の導入。

 今までのポイントをお金に直して買えるものをより明確に多数にし明記して。

 アノニマルース冒険者ギルドでの依頼のポイントやり取りもはっきりとしたお金への変更もした。


 当然ここ数日はこの変化に多くの魔物たちが困惑したり喜んたりと騒がしくなった。

 わかりやすかったのは私の直接的な仲間とも言えるアヅキやらきょうだいのインカとハックやらいつものメンバーだ。


「あ、主、お金とやら、この指標によると、もしや私かなりもらっていないですか……!?」

「そう? そんなものじゃない?」

「だって、あの、この書いてあるのを見ると、私のお金で楽々棲み家を2つ買えるようなのですが……」

「まあアヅキは働いて長いからね」


 アヅキがもっているのは購入商品例。

 私が大体これで何が買えるかを書き示している。

 アノニマルースの家は安いからアヅキだと2つは買えるらしい。


「お、畏れ多い……! 私は主に仕えるだけで幸せで――」

「妹ー!」「お姉ちゃんー!」

「「お金貰ったー!」」


 アヅキが崩れ落ちているのはスルーして割り込んできたインカとハックに向き直る。

 首から下げた袋から紙幣が顔を覗かせていた。


「もしかして全部おろしてきたの?」

「いっぺん見てみたくてな!」

「たくさんあったよー」

「良かったねぇ」

「お肉の塊がたくさん買えるよ!」

「食べきれないよ〜」


 インカの基準はブロック肉だった。

 ハックがツッコんで笑いが起こる。

 そういうハックは何が欲しいのかな。


「ハックはお金で何買いたい?」

「うんとねー、ニンゲンの世界で変わった土とかないかなって!」

「さ、さすがハック……そこか」

「そうお?」


 さすが土から像を作り続けているだけあった。

 求めるのは新作の材料か……

 ニンゲン界にも売っているかなぁ。


 他の面々はというと。

 たぬ吉は……


「今本当にそれどころじゃな……ああ、はい! 今対応します!」


と忙しそうだった。

 ジャグナーは、


「ニンゲン界には戦いのための道具が豊富にあるんだろう? 買い込むか!」


と意気揚々。

 コボルトのコルは、


「これで何か良い物でも買って、故郷に持ち帰ったりしたいですね。あ、まだ行きませんからね!」


と患者たちの前で慌てていた。

 ドラーグは、


「貯金してどんどん数字増やしてみたいです!」


と喜んでいた。

 そしてイタ吉は……

 随分と気合を入れて改築され続けている冒険者ギルドで仕事していた。


「お、ローズか。金は受け取ったぞー」

「それなら良いんだけれど、何かに使う?」

「うーん、そうだな、これを元手にして、そろそろ本格的にやろうかと思ってな」


 イタ吉は腕を組んで冒険者ギルドを眺めた。

 随分と木やら布やらで飾り付けられかつ実用的に必要な机やら椅子やらが増えている。


「何をするの?」

「面白いことさ。本格的に冒険者ギルドを建てて、ニンゲンたちの冒険者ギルドと手を組んじまうのさ!」

「ほ、本気!?」


 確かにニンゲン側の冒険者ギルドは一部上層部はこちらを知っている。

 しかしそこまで来ると受け入れてくれるかはわからない。


「なあに! やってみなくちゃわからないさ!」


 実にイタ吉らしい返事でガッツポーズ取ってくれたのは頼もしいのかなんなのか……


 そこからのイタ吉は早かった。

 すぐに土地を確保してどういう施設を建てるかを設計しだした。

 豪華なものが出来そうだが人手足りるかな……


 今は他の重要施設建設にも力を割いている。

 単純な作業ならスケルトンたちが行えるがそれ以外は魔物の手がいるし細かい調整は職人の手がいる。

 ただ城壁や鍛冶場やらが優先されているため限度があるのも事実。


 どうにか解消できれば良いのだけれど……






 おはよーございます。私が借りているニンゲン宿の中です。

 バローくん一家の宿だね。

 なのでもちろんホリハリーで二足歩行になりニンゲンのフリ。

 今日は朝から何やら騒がしい。


「筆記道具は!」

「大丈夫!」

「お弁当は!?」

「持ってる!」

「宿題は!」

「ああ、ええと……あった!」


 あちこちひっくり返すような騒動を食堂の椅子に座って眺めている。

 バローくんとバロー母が今日めちゃくちゃ慌てているのだ。


「何があったの?」

「今日で夏季休暇が終わって、学び舎に行かなきゃいけないんですー!」

「あ、そうなんだ」


 普段はまったく意識していなかったがバローくんは学生だったか。

 それで冒険活動を普段はしていなかったりするのかな。

 それであの強さは学習を含めて普段から物事の吸収に貪欲だからだろうなぁ。


「いってきます!」

「いってらっしゃーい」


 バローくんが玄関からかけていく姿を見送る。

 ちょっと年相応な感じがほほえましい。

 私も出かけるか! 

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