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三百二十一生目 機械

 うーむ。

 "指導者"の効果がこんなところにも及んでいるとしか思えない。

 "指導者"はその効果のひとつに自分が1伝えても相手が10理解しやすいという変わった能力がある。


 私が迷宮に手を加えたのはわずかな時間だったが迷宮内は魔改造されていた。

 前は部屋も廊下もほとんどなかったが今では現実的ではないほどに広く多層に渡って廊下や部屋が続いている。

 しかも現在も改造中。


 うーむ20階建て?

 大きなドーム何個分の敷地?

 しかも生態系も発生している。


 大量に発生している機械魔物たちはどう成長し生き延びるか。

 それは相手の電力とパーツを奪うことで行われる。

 それとは別に常に新しく機械魔物が組み立てられているので迷宮内に放り出され続けている。


 各地に電力を生み出すエネルギーを蓄えた金属植物が生えそれを草食な機械魔物が食べて肉食機械魔物がその草食機械魔物たちを食べる。

 そして機械肉食魔物がなんらかで死ぬと新たに機械植物やらが組み立てられ迷宮内に出される。

 やっていることは機械ということを除けば普通の生態と同じだ。

 まあ金属でそれが行われていることに驚きなのだが……


 さらにさらに別枠の部屋で溶接し加工し大量に組み立てられていたのは便利グッズから兵装まで。

 馬止めも金属だし量産品の魔銃なんかもあるしプラスチックのコップもある。

 すごい作れるものを片っ端から作った感じが有るな……


 金属や石油や天然ガスやゴムなんかよく調達できるものだ。

 これがひとつの世界である力か。

 龍脈とそれで執行される世界の魔法力でもある。


 改めて思うとこの力はめちゃくちゃだ。

 出来ることはあまりにも大きすぎることのみだが……

 世界を変える力はそれを補ってあまりある。


 真面目な有効利用考えるべきかなぁ。

 どれだけ出来るのかはわからないがプラスチックやゴムの生成や同一品の大量生産が出来るのは恐ろしく便利。

 弱点は魔法が絡むととたんに弱くなる。

 魔銃とはいったが機械生物と同じ龍脈を変化させたエネルギーを元にしているだけであって単純な単発ライフルっぽい。


 色々と調べてわかったのは新しくものを作るには『原材料』『設計図』『現物』『作る場所』『エネルギー』あたりがいるらしい。

 簡単ではないらしい……

 ただ迷宮内のエネルギーで原材料はいくつか代用できるらしくプラスチックやゴムもそこからひねり出されていた。


 エネルギーは龍脈が重要だがこの莫大な力は使い放題ではないようだ。

 最大限使える量も常時使う分も自動的に回復する分も決まっている。

 細かくデータを漁ると迷宮世界そのものにもレベルのように強さがあり莫大な力は迷宮世界が耐えれなくなるため制限されているようだ。


 それと龍脈自体があまりない場合。

 それは問題なくこの迷宮の入り口側にそれはもう恐ろしいほどに龍脈の力が集まっているため平気なのだが……

 こっちの迷宮の強さがそこまでではないためチョロチョロとしか流れ込んできていない。


 自前の龍脈も少しずつ発生しているらしいがいまのところは荒野の迷宮から借りているのがメイン。

 すぐには世界の強さは上がらないため長い目で見る必要があるみたいだ。

 ただ……工場は本当に使えるだろうから何かうまく使えないかな。


 問題は現物の用意か。

 魔法系に弱いのもこの世界的に困るから自分たちでアレコレつくるものの上位互換とはいかないようだ。

 本格的に利用して生活を豊かにしていこうかな。






 地球の迷宮に関してはこのような感じで再び封印。

 あと大事な話は……

 カムラさんに関してだ。


 カムラさんとユウレンと共に机を囲みお茶をもらいながら話を切り出す。


「カムラさんと同じ顔の誰か……その人物に会いました。魔王復活秘密結社のコートを着て正体を隠し迷宮をめちゃくちゃにしていたのです。心当たりがないというのは前伺いましたが……」

「本当に、そんな相手がいたのですね……」

「カムラの仕業ではないことは確かよ。昨日はずっとここにいたし、カムラに話を聞く限りの所業はできないもの」

「ただ、顔が同一でなおかつ明らかに生きていました。何か理由があるのかも知れません。それこそカムラさんが作られる時などに……」


 カムラさんは顔に影を落としユウレンはうなる。

 カムラさん自身は悪くないことはわかっているしわかりたいのだが。

 今のところ手がかりがこのふたりからしかない。


「うーん、私が小さい頃に気づいたら師匠が作り上げていたのがカムラだったのはわかるんだけれど……そうよね、カムラ?」

「ええ、確か10ほどの年齢だったかと」

「その時の作成時の記憶や記録は?」

「最初の記憶は……成功だと喜ばれる創造主の顔と声、ですね。どうつくられたかまでは……」

「あ、そういえばその創造主……ユウレンの師匠はどんな人なの?」

「顔は……模写してみます」


 カムラさんはペンをとった。

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