三百十四生目 きょくげい
エアハリーの姿ってわたしのためにあるとおもわな〜い?
(いやアインスのためにあるかどうかは知らないけれど……
そもそもアインスはあんまり戦わないし)
じゃあデビュー戦だね!
そもそもわたしはツバイとはちがうの。
おさかなもみずのなかもお空もこわくないよ!
(そうか! アインスならトラウマがないのか! あとは倒し方さえなんとかすれば……)
それでは見せちゃいましょ〜!
キュートに楽しくワルモノとっちめタ〜イム!
まずは近くへ!
(すごい! わずかな間に加速して一瞬にして相手の前に! そうか、魔法で陸の上以上に動けるうえ"空の曲芸者"でエアハリーの能力が強化されているからまるで空を飛ぶようにエアハリーの能力を最大限活かせるのか!
なんとなくムリなのかと!)
イオシたちがわたしを狙ってきているね!
フッカツしてきたからこんどこそ! ってやつかな?
さあさおいでおいで!
(イオシ集合体が巨体魚として大口をあけてきた! このままだとまたひどいことに……ええっこっちからつっこむの!?)
ツバイは考えすぎなんだよー!
こんなあいてはこうすればいいの!
ゼンシン針1000本モード!
そしてふいうちカソクとつげきー!!
(ケンハリマ系本来の全身から針を生やす能力……!
私はあんまり使っていなかったけれどそれを全身に適用。
針の塊になったうえ回転し光をまといながら巨大魚状態のイオシたちが口部分を閉じる前に突っ込んでいった!!
勢い良く突っ込んできたイオシたちがなすすべもなく切り刻まれ突き刺さり反対側に突き抜けた!
"峰打ち"は適応されているから気絶で済んでいるが今ので結構倒したぞ!)
とまって針をしまってくっついていたおさかなさんバイバイ!
さあまだおわらないよ!
こういうこと、ツバイだとビビリすぎてできないもんね〜。
(うッ! 反論できない……おっと、巨大魚が再結集した。ひと回り小さくなった? 今度は大量の魔法を撃ち込んでくるつもりか距離を取り出した! このままだと近づかせてもらえないんじゃあ……)
問題なし!
ハリのツバサてんかい!
ゼンリョクでゼンシン!!
(魚たちが大量だからこそできる水魔法やら影魔法やら氷魔法やら大量に飛んできた!
それを……避けない!?
スレスレ……むしろかすりながらほぼ直線に相手へ突っ込んでいく!?)
イテテ、でもつよいこだからヘーキなのだ!
いまのつよさならこのぐらいの動きなんてことないよ。
もっとはげしく! ダイナミックに!
(また全身を針で覆っての突進!
けれどイオシたちは分離してよけ……きれていない!?
速いのもあるけれど速度を維持したまま旋回して追いかけ回し針を伸ばしたり切り離して飛ばして追撃したりやりたい放題だ。
こ、これがエアハリーの力……いや、アインスの力か!)
『結界から数尾侵入してきました!』
(バローくん! ま、マズイ! はやく退治しにいかないと……)
ダイジョーブ!
だってあそこには……イタ吉がいるもの!
『たのんだよ、イタ吉〜!』
『ん? そのお気楽な感じ……まあいいや、もちろん任せろローズ!』
"鷹目"で見てみるとすぐにイタ吉がとびだしてきていってるね!
ほらモンダイなし!
(う〜む、アインスのほうがイタ吉たちを信頼しているっぽいのが複雑だ……)
それよりもおさかなたちがわたしからにげてまた集まりだしたよ!
またひとまわり小さくなったね。
うわっと!
(うわっ、弾幕をはるというやつかこれは!
泳いで移動しつつ私のいる方全面に魔法を何十も展開するとは!
多すぎる光にチカチカする。
私狙いばかりじゃなくてひたすらまきまくるあたり余力も残さず全力で迎え撃つつもりか)
まああたるかどうかは別だね!
くるくる回ればひらりとよけて。
うーんとでも近くはちょっとアブないかな?
じゃあこっちもバンバンうとう!
わたしの前にハリをかまえて……
バリバリバリバリッとはっしゃ!
("針操作"で針を連続で発射しつづけて魔法のスキマを縫ってイオシ魚群を少しずつ削るだなんて……なんだかそういう空を飛んで撃つゲームみたいだ。
だけれども結構有効なのか避けきれていないイオシたちが次々刺さって倒れていく。
"峰打ち"だからすぐに抜けて穴も塞がるとはいえなかなか絵面が凶悪だ)
ようしイイカンジに効いてきたね!
ツギツギと落とされているせいでコンワクしている。
おろ? こんどはみんなでマリョクシューチューさせているよ。
(なんて莫大な魔力……クジラサイズから少しちいさくなったとはいえまだ数万尾ほどいるとしたらそれらを集めて放つのか!?)
来る!
これはよけなきゃ!
ちょうでっかい水ビームだ!