三百十二生目 二話
聖魔法"クリアウェザー"と空魔法"ベンド"!
天候無効化と飛来物の方向を曲げる魔法を組み合わせる!
ホリハリー状態で精霊の手を借りねば出来ない魔法という複雑なパズルを組み合わせて1つの魔法へと変化させる。
ようしいけえ!
魔法の塊が私の手元から離れ天へと向かっていく。
天井につくと光が収束しエネルギーが高まる。
こうして普通の天候に水流というものを記録させて一気に光が広がった!
光が大渦へと衝突し互いにエネルギーと光を散らす。
大渦の向きとは真逆にそらされ衝突し大渦の威力が削り取られていく。
「強いッ! でも!」
魔法が押されだしていた。
すかさず両腕を突き出して追加で魔力を送り込む。
後から魔力送信は難しくとも……やってやる!
「おおおおお!!」
魔法に力が再び注がれまた光が大きく膨らんでいく。
勢い良く大渦を巻き込み私達も巻き込んで景色がのまれ……
場を光と静寂が包んだ。
数秒の後おさまったあとには大渦は消えていた。
巨大魚も困惑しているらしい。
あちこちに頭を向けている。
結界は……無事だ。
ということは巨大魚もそれを見つけるわけで。
急がねば!
結界の中には質素な建造物がいくつか見られるが魔物たちはいない。
避難が間に合ったのか。
それでも巨大魚はやはり目につく結界へと向かう。
接近し結界へ向けて水魔法の高水圧放射が!
結界に直撃した!
しかし結界は甲高い音と共に耐える。
「おお、ちゃんと頑丈だ」
『クラウンディによるとしばらくは耐えられるらしいが、限度はあるってよ!』
『わかった、なんとかヤツを落とす! ふたりはその場にいるみんなの保護をお願い!』
そうこうしている間にも巨大魚が吠えて小魚たちがどこからともなくやってきている。
いや……遠くから見たらサイズ感覚が狂うだけで立派なサイズの魚たちか。
泳いで向かおうとしている私の近くにもよって来るが強くはない。
"峰打ち"をかけながら聖魔法"ホーリースラッシュ"であたりを薙ぎ払っていく。
ただ前に回り込まれるとその分足はとまらざるをえない。
邪魔だしめちゃくちゃ怖いし!
猛毒の蜂に囲まれるよりも恐ろしく当然そんなやつらは1尾も逃すわけにはいかない。
まさに地獄!
何がうれしくて魚に囲まれなきゃならないんだ!
水の中でも鼻がきくようにしたせいで魚臭さにに酔いそうになる。
ただそんなことを言っている場合じゃない。
今も結界は集中砲火を喰らっている。
魚たちは勢い良く突いたり叩いたりして巨大魚はこれでもかと魔法をいくつも叩き込んでいた。
どう考えてもあんなにやれたら長くはもたない。
あの巨大魚どうやって20以上の魔法を同時展開しているんだよ。
やっと近くに寄れたがクジラの大きさを誇る巨大魚が暗いオーラを放ちその身を包んで正体がまともにわからないような相手。
どうすりゃ倒せるんだこれ。
とにかく結界にまとわりつく魚たちを魔法で切り落としていく。
剣も抜いてぶん投げてと。
ドライよろしく!
(おうや! おらおらおら!)
土魔力をまとった剣が回転して水中を自在に舞い魚たちを斬り裂いていた。
ドライが精霊を介して空魔法"フィクゼイション"で剣の持ち手の空間を固定してそのまま念力のように動かしているわけだ。
亜空間からおみとおしクンこと九尾開発の精神防御系貫通させるメガネをつけて……と。
[観察困難 正体不明]
ぬあっ、ダメか!
『あの巨大魚……なんとか正体が掴めれば良いのだけれど』
『それだったら、僕の魔法が役にたつかもしれません!』
バローくんによるとその魔法はスキルや魔法または種族特性でその身を隠したり幽霊のような存在を暴いてしまうものだとか。
『え、本当!? 借りるね!』
"率いる者"でバローくんから魔法を借りる。
手先からファンシーな虹色の輝きが放たれる。
それを巨大魚に向けて思いっきり撃ち込む!
巨大魚は迎撃に攻撃魔法を放ってきたがそもそもこれは攻撃じゃないからかち合わずすり抜ける。
光を剣で切るようなものだ。
巨大魚にぶつかると素早く虹色の光が巨大魚の周りを飛び回り虹を軌跡に残していく。
全身が虹に包まれた後にポン! と気の抜ける音と共に虹が消えた。
巨大魚の暗いオーラも。
いやむしろ……
巨大魚そのものも。
そこにいたのは魚。
魚魚魚魚魚……
あまりにも密集した魚群が泡に包まれ1つの巨大な魚の姿をしていた。
「う、あ」
私が生まれたすぐ後に襲ってきたあの魚が……100、1000、10000……!!
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