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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
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二百七十生目 双子

 ニンゲンたちが街に入り込んだ。

 現状私はかなり距離を取ってみているから何言っているかはわからない。

 ここで光神術の新技!


[エコーコレクト 空気の振動を向こうへ届けたり寄せたりできる]


 いかにも便利そうなのに反して自動調整が一切行われないという点で地獄を生みやすい術だ。

 ほんのわずかに調整を怠ったりミスしたりすると大音量の足音のみが耳にお届けされる!

 それなのに細かい調整は困難。

 うまく新しく出来る感覚で必死に行う必要がある。


 言葉にしづらいがモニュモニュっとしてグルッてする必要がある。

 さっぱりわからない表現になってしまったが実際そうだから仕方がない。

 モニュモニュっと調整して音を拾う。


 ダカダガダガダカダガダカ!


 違う!!

 グルッと。


「……本当に誰もいないな。どうなっているんだろう?」

「わからない、けれど生活していた跡があるよね」

「テントも比較的新しいし……」

「獣の足跡はいくつかあるが、この迷宮でそれは珍しくもない」

「あそこに見張り台があるから、ワレらの姿が見えていたら警告はされていたかも」


 オス……じゃなくて男1人に女4人と。

 その後も彼らはウロウロしテントを覗いたりしつつ探索を続けた。

 5分もして奥へたどり着くとその姿が朧気ながら見えだす。


「う、効果が」

「もう一度かけることは?」

「まだ無理」


 さあ姿を表してもらおう。

 すでに入り口側は塞いだ。

 帰さずに存分にもてなしとかなんとか和解して……そうしないとなかなかヤバイ。


「やはり気配はあるね」

「こちらに警戒して見張る数はそこそこいるようだ。姿が完全に見えた時に気をつけろ」

「武器の準備は良し。さあてどんな人かはたまたコボルトのようなものか……」


 そして彼らの姿が現れる。

 男は実に基本的なニンゲンでナイフを構え。

 他はエルフが回転式拳銃(リボルバー)をオーガが大剣。

 まるで同じ容姿の2人は長い柄を持った変わった剣を……


 ってちょっとまった!

 さらにいる双子はともかくあの3人組は知っているぞ!!

 森の迷宮にいた時にいろいろ付き合ってくれた冒険者3人組じゃないか!!


 慌てて目の前に飛んで行き翼をたたんでくるりと着地。

 彼らが反応して武器をこちらへ向けようとして……驚愕した表情を浮かべた。

 双子はそのまわりの様子に謎だといった表情を浮かべる。


「お、お久しぶり」

「ええ!?」

「まさかの!」

「やったー! ローズさんだー! モフらせいコラー!」


 オーガは大剣を放り投げて容赦なく私に抱きついてきた。

 そうだった、彼女はこんな感じだった!

 思いっきり手でワシャワシャされた。

 う、うわー!

 無駄になで方がうまい!!






 というわけで。

 彼らの前には多くの魔物たちがおとなしく冒険者5人組を観察している。

 ひとまず彼らは安心と伝えたからだ。


「私がアマネ! よろしくね!」


 活発的でいきなりワシャワシャしてきたのが彼女。

 オーガであり皮膚は赤っぽくサイのように頑強に見え背もそこそこ高くカムラさんぐらいある。


「そして私がエリです。さすがにこの数の魔物、ちょっとこわいかな……」


 腰のホルダーにさした回転式拳銃から手が離せないでいるのがエルフの彼女。

 中古品で弾が明後日の方向に曲がるらしいあの銃まだ使っていたんだ。

 耳が尖って髪がやたら美しいのがエルフ的な特徴らしい。


「僕が一応リーダーのソーヤです。ローズさんとは前から面識があります」


 苦笑いしている彼は普通のニンゲンのような風貌ながら右手の甲にあざがあり紋様が刻まれている。

 このナイフと大剣は実は私が作った。

 まだ使っていてくれたらしい。


「初めまして。話は少し伺ったことがあります。(ワレ)がキョーサイ」

(ワレ)がワチュー」

「「双子です」」


 息ピッタリのセリフと動きで双子アピールをしてくれたのが初めて合う彼女ら。

 特徴をものすごく簡単に言えば犬耳である。

 しかしニンゲンの外耳もあってひとりあたり耳が4つあるのが変わっている。


 ちなみに尾もある。

 気配もほとんど同じなのでどちらがどちらかわからなくなるが幸い服の色がはっきりと別れている。

 青い服がキョーサイ。

 黄色い服がワチューか。


「……あんなにぴったりな動き、出来ないよね?」

「俺らは出来ないよな……」

「3つ仔だけどね……」


 隣にいたハックやインカとそうつぶやいた。

 するとその声が受信機を通して翻訳され聞こえたらしい。


「いえいえ、慣れればできますよ」

「お互いの考えが分かるようになれば良いだけです」

「……妹の考えを読めるようになれるのは、それこそ難しいんじゃあ」

「ハックの作り出すものの思考とか、真似しようとしてできるものじゃあないしなあ」

「お兄ちゃんのような狩技が出来た試しがないなあ……」


 こちら3つ仔。

 仲良く笑う双子に完敗である。


 それはともかくとしてこちらもある程度挨拶を返した。

 全員分はさすが長くなりすぎる。

 それと話せる理由や受信機についてもかいつまんで。


「うーん、やっぱりローズさんは凄いっぽいな! 良しみんなモフろう!」


 そんな雑なアマネの言葉でまとめられたが。

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