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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
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二百五十五生目 滑空

 エアハリーとなり翼のように広がった骨格みたいな針により魔力で宙に飛べた。

 正直空に良い思い出がなさすぎてフワフワしている感覚があまり心臓によろしくない。

 ただまあいつまでもそうは言っていられないから少しずつ慣らすつもりだ。


 まだこの姿を扱いきれていないからか空を自由には飛べない。

 高さで言えば地面から2mかもう少し程度を越えるぐらいが上昇の限界。

 ただし性能の良い滑空は可能。


 近くの停めてあるカル車へ飛び移る。

 よっと。

 うまく低いところを探して順番に高い場所へ移るのがコツだ。


 カル車の屋根までなんとか登りきって周りを見渡す。

 次は門近くのでっぱりがあるな。

 メンテナンス用の足場かな?


 よっと!

 空を滑空する。

 自力でコントロールして空を滑るのは不思議な気分だ。


 あんまり長くやっていると気持ち悪さが勝ちそうだがすぐにでっぱりについた。

 爽快感を楽しむためにはもっと使い込まないと……

 次は……門の装飾の一部が使えるね。


 こういう普段は足場にもなりにくいところにどんどん飛んで行く。

 読み間違えると落下してしまうから気をつけて……と。

 そうっと門の一部に乗った。


 乗ったとは言っても空中だけれども。

 見た目より遥かに高くなっている空中足場を乗り継ぐ感覚だ。

 次は正面柱にでっぱり。


 トーンと蹴る気分で飛ぶ。

 結構な速度が身体が風を切る音のみで出るから速い。

 そういえばフクロウの一部は無音でとべるんだっけ。


 出っ張りの上を地面にして浮遊成功。

 あとは真上に飛べば入れるが残念ながらここで高度を上げると衛兵とこんにちはすることになる。

 うーんあとは……


 お、都合の良い所に覗き穴が!

 いやまあ等間隔であいているし覗き穴はニンゲンが入り込める大きさはない。

 私にとってしか都合は良くないだろう。


 スイー……っと滑空して覗き穴に。

 そのまま翼を展開したままでは入れないので足を引っ掛けてから翼をたたむ。

 完全に収納すれば見た目はまた小さい頃の私のように。


 ちょっと苦しいがパッと見だと街の中にいる動物の一種に見えるだろうか。

 とりあえずよじ登る。

 そうかそれっぽく見えるようにしてしまえば良いんだ。


 "ミラクルカラー"!

 光神術のこれで私の毛皮配色を変える。

 模様も分からなくして地味な黒に統一しておこう。


 気分は黒猫。

 狭い覗き穴からぬるりとこんにちは。

 周囲に衛兵がいないのはチェック済み。


 さて反対側に抜けるには階段を登って屋上まで行ってしまうのが良いか。

 光魔法"ディテクション"を良く使ってルートと衛兵の位置を探る。

 直線ルートに衛兵がたむろしているなあ。


 迂回しても良いが何とか動かせないか。

 角を曲がった向こう側に暇そうにしている。

 "鷹目"でチェック済み。


 ……そうだ。

 光神術"サウンドウェーブ"!

 最近はお話道具となっているこいつを……


 ガシャン!

 ツボが割れたような音がひとつの部屋の中から鳴る。

 そこは今は誰もいないはずの部屋で……


「ん? なんだ、誰かいるのか?」


 突然の音に衛兵は室内用の腰にさした剣に手を置きながら部屋に入っていった。

 うんいまだ。

 "サウンドウェーブ"で発生音位置を部屋内にして音を再現しただけだが見事に引っかかってくれた。


 テトテト走っていく。

 便利な事に爪は針のようにしまったり伸ばしたり出来るから肉球移動は石床でもほぼ無音だ。

 私の気配操作術も相まって何ら問題なく階段までたどり着いた。


 四足で階段はあまり好きではないが問題はないだろう。

 てってけてってけ登れば屋上に出た。

 屋根のある場所から出てついに街の中へ。


 足場になりうるちょっとした建物の一部を渡りついでジャンプしていく。

 ぴょんぴょんって軽々動けるのはこの身体ならでは。

 下に降りると目立つからこのまま屋根の上まで降りる。


 近くの家の屋根はそこそこ低かった。

 というか何かのお店かな。

 目標としている屋根はここからでは見当たらない。


 近くに街灯が見える。

 これは光神術"ライト"を元にした魔法の灯りかな?

 赤っぽいが熱はあまり感じない。


 これに照らされない位置に移動した後に再び針の翼を展開。

 細い骨格のようだから目立たないけれどそれはそれとしてこんなの生えている猫はいない。

 リスクは避けたいからね。


 上昇。

 からの滑空!

 勢いをつけて屋根から屋根へ移った。


 なるべく地面側に姿を晒さないように速度を上げたが止まることもちゃんと考えて動かさないと……

 それもう一回!

 次は更に高い家に!


 次々と飛んで行きいつの間にやら高い建物に。

 ぐるりと周囲が見渡せる。

 今私がいるところとドラーグから送られてきた視界情報を照らし合わせて……


 あった。

 あの建物だ。

 一気に加速してドラーグの待つ建物へと向かった。


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