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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
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二百四十六生目 腰痛

 細かい治療は後だ。

 ヒーリング! 首のツタも先程から生やし直していてかなり再生してきた。

 走り回り回復を優先。

 このツタたち"私"の今の限界なのかこっちが固定砲台のように止まっていないとうまく制御できない。


 簡単に言えば手足に加えてめちゃくちゃ自由に動ける手みたいなのが合計4つも増えている状態。

 脳が追いつかないらしい!

 眼前にパペット1体!


 雑にツタを振り払って弾き飛ばす。

 この程度ならなんとかなる!

 利き手ではない手より扱いづらい!


 雑にぶんまわしつつヒーリングを続ければ傷から血がしっかり止まるのを確認する。

 生命力よし。

 あの剣みたいな直接攻撃はともかくエネルギービームがきついな。


 生命力を落とすという意味ではあれが1番の厄介。

 物理的な破損は血が出たり耳が落ちたりするように派手ではあるがそこまでではなかったのだが……

 そんなこんなしている間にまた準備しているのかほのかにパペットたちの腹にある大口が光っている。


 脚を止めてツタを伸ばす。

 こちらの動きが止まったから一斉に飛び道具射撃されるが振り払ってツタで受けた。

 そのまま1体を捕らえ地面へ叩き落とす!


 幸いなのはパペットたちの力の入る方向などがニンゲンとだいたい同じらしいことだ。

 きっちり締め上げキメれば脱出は困難。

 2本のツタを伸ばし2体を相手しさらに背後に来たパペットも尾で相手する。


 悪いな。

 こちとら"鷹目"で後ろにも目があるんだ!

 いつの間にか地面に潜られなきゃ背後を取られても問題はない!


 同時に打ち払う!

 イメージする動きはバロー少年が見せたツルで魔物たちを相手取る動き。

 跳べば空へ打ち上げ空中コンボ!


 地面に潜ろうとしたら脚をすくい上げて空へ投げる。

 弾丸や矢は正面から受けながらそのまま重量で叩き潰す。

 様々な方向で同時に行われる戦闘にしっかり気を回すのはなるほど言うは易し。


 最初の頃は相手がわかっておらず振りまわして捕まえれば勝てたが覚えられたあとはなかなかそうもいかない。

 バロー少年が扱っていた魔法のように操作するのは例えツタ先感覚があっても大変なのが今わかっている。

 繊細にマルチタスクをこなす必要がある。


 だがこちらも慣れてはきた。

 尾側にいるやつもツタを剣で横に受け流しながら接近してきている。

 ツタは攻撃時なので魔法効果で炎をまとっているが多少熱くても突っ込んでくるか。


 攻撃は剣……いや矢?

 違う! 腹の大口が大きく光っている!

 大きく跳んで発射!


 尾が追いついてパペットを捉える。

 ただヒマがあるツタがない!

 "止眼"!


 エネルギービームは直線ではなく拡散している……つまり避けきるのは難しい。

 ただ薄い部分はある。

 あそこなら他の防御系を使ってツタの攻撃を止めずに済みそうだ。


 "止眼"解除!

 急いで受け身をとるポイントへ飛び込む。

 到着――

 あだだだだッ!!


 被弾を減らしたとは言え身体が焼けたのかジュー……と焼け焦げた音とにおい。

 生命力は……うん回復していた分だけなんとかなっている。

 逆に言えばそれだけしか耐えられていないか。

 ツタも落ちきっていないから大丈夫。


 再生し再び力を入れ4体のパペットたちをツタでボコボコにしてやる!

 もうボッコボコのボコボコだ!

 腰を重点的に攻めてしばらく立てなくしてやる。

 今撃ってきたやつも含め……

 ドンッ! ガンッ! ガッチャンッ!! ドゴンバキッガンガン……


 掴んで叩いて締め上げてすりおろし投げつけて子どもが無茶苦茶ににんぎょうをバラバラにしようとする動きそのもの。

 最後飽きるように4体ともポイとすれば互いに衝突して腰が破壊され動かなくなった。

 やっと倒しきった……


 やっと倒しきってやったぞ!

 よーし勝ったぜい!!

 勝利の味は特別だ! これで血と肉があるやつなら最高だったのだが。


 ツタを伸ばしてパペットたち12体を縛りあげ切り離しておく。

 この自力で切り離すのはかなり便利でなんと切り離しても再生させなければ感覚が残る。

 締め直すことは出来ないが逃げ出そうとしたらすぐにわかる。


 すぐに走り森の中へ。

 森の中で縛られていたはずのパペットの元に来たのだが……

 斬られた紐だけがあとに残っていた。


 くっ、逃したか。

 おそらく仲間が斬って先に引かせたのだろう。

 仕方ないからその仲間たちだけを回収しよう。

 とりあえず回復をして……





「ただいまー」


 ドライと交代して私に戻る。

 その後パペットたちを引き連れ戻ってきた。

 私のテントに行けば保護された魔物たちとバローくんそれにアヅキがいた。


「お帰りなさいませ主」

「……えっ、どなたですか?」

「私だよ、ローズオーラ」


 ええっと。

 聖・光・土・火と魔力を組み合わせて。

 そら"進化"!


 魔力が身を包みロゼハリーから姿を変える。

 あっという間にホリハリーだ。

 2足歩行だ。


「姿がかわ……ひゃあ! ろ、ローズさん!?」

「うん、そうだよー。……どうしたの顔真っ赤にして目を閉じて」


 バローくんは何かとんでもないものでもみたかのように手のひらで顔を覆い隠した。

 なんだなんだ?


「その……服を着てください!」

「……あー、なるほど」


 アヅキや他の魔物たちは最後まで頭にハテナマークを浮かべていた。

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