表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
250/2401

二百四十四生目 強化

 パペットがやってきて次々上着をめくり大口にエネルギーをためる。

 私の方ももう少し……!

 周囲に見渡す限りのパペットが輪になって逃げ道を塞いでいた。


 そうして最後のパペットがエネルギーチャージを終えた刹那。

 一斉に私たちにエネルギーの塊がビームとして放たれた!


「飛べぇ!」


 次の瞬間に見た景色は山の頂上付近開けた所だった。

 空魔法"ファストトラベル"でワープしたのだ。

 少し遠くから爆音が聞こえる。


「わっ! い、移動した……?」

「間一髪でしたね」


 魔物たちもみないる。

 "ファストトラベル"の詠唱そのものはすぐに終わっていた。

 時間がかかったのは精霊たちに用意させていた魔法。


「それにしてもまだ距離が遠いですね。早く逃げて――」

「いや、少しの間は大丈夫。何せ今ごろは私が残した魔法に捕らえられているはずだから」


 空魔法"ディストロイション"と土魔法"Eスピア"。

 それを組み合わせた魔法が置き土産だ。

 あの少年ダカシを苦しめた混合魔法だ。


 輪になっていたのがアダになり中央に開いた空間の穴が何もかも飲み込もうとするのに巻き込まれるだろう。

 土槍がポンポン生まれてどんどん抜け周囲に飛び回るという地獄みたい状況でも互いが邪魔になりそうだ。

 30秒程度だから慌てず急がねば。


「みんな! 麻袋を持って!」

「え、今度はなぜですか?」

「アイツらに渡すくらいならもらっちゃおうと思って」


 ひと山ある植物の悪魔の爪たち。

 多すぎて"ストレージ"に入れきらない。

 だが"ファストトラベル"は触れている同士なら基本的には運べる。


 魔物たちがおもいおもいに抱きかかえ再び身を寄せ合う。

 バローくんも両手に必死に持ちカムラさんはらくらく4つ持っている。

 ちゃんと全員を魔法で転送出来るように捕捉しつつ唱え。


 "ファストトラベル"でワープすることで再び別の景色に。


「あれ? ここはどこですか?」

「ここは荒野の迷宮。そこの私の群れ近くだよ」

「え? めいきゅ……群れ!?」


 バローくんや他の魔物たちが困惑するなかカムラさんと話す。 


「ここから一旦彼らを保護してください。私はあのパペットたちに追撃をかけます」

「わかりました。久々にユウレン様の顔が見れそうです」


 だけどカムラさん単独だと少し大変かな。

 ええとなんとなく気が引けるけれど。

 ただ何となくこれで良い気がするから。


「アヅキー!!」


 そう叫ぶと群れのテントがある方向から何かが急接近。

 少ししたらアヅキが空から飛んでやってきた。

 自分でやっといてなんなんだけど。

 うわ本当に来た。


「お帰りなさいませ。お呼びですか主」

「ただいまアヅキ。けれどすぐに出かけなきゃだから、カムラさんから状況を聞いて保護をお願い」

「かしこまりました!」


 早速アヅキはカムラさんへと話をしに行き。

 ふとバローくんが目に止まり。


「ひゃあああ!!?」

「うえ!?」


 素っ頓狂な声を上げた。

 え、何?

 一瞬の思考後答えに行き着く。


 そうかアヅキは種族的に男児を好み……

 しかもアヅキにとってバローくんがドンピシャだったと。

 わなわなわ震えているアヅキを見るにそうだろう。


 そしてそんなことをつゆも知らないバローくんに取ってはおぞましい人型カラスににらまれている状況。

 さすがにだめだから助け舟を出そう。


「アヅキ〜?」

「は、はい! 今やります! さあカムラ、あちらで話そう、あちらで」

「は、はあ」


 カムラさんが押されて運ばれていった。

 おそらくバローくんがいると冷静になれないからだろう。

 とりあえずここはこれで大丈夫。

 私は精霊にも手伝ってもらって強化魔法をかけ直す。


 "ビアースタミナ"! "ハイアーマー"! "ヒートストロング"! "フレイムエンチャント"! "フレイムガード"! "スタッドボーン"! "クラッシュガード"! "ディテクション"! "アンチポイズン"! "シールド"! "ヒーリング"!


 体力強化。ひるみ軽減。筋力強化。攻撃炎付与り短時間炎結界。防御強化。使い捨て外殻。探知強化。毒予防。防御結界。回復。


 さてやるか。

 服も脱いで"ストレージ"ヘしまい剣も投げ込んでおく。

 最後に"ファストトラベル"を唱えて再び山の頂上付近へ。





 そこには私の罠からやっと抜け出してきたパペットたちがずらりといた。


 だが誰も彼も無事ではない。

 コートは裂けブレードは欠け互いに攻撃を誤爆したあとも。

 それぞれ武装も違う。

 能力も違うかもしれない。


「ギギ……発見」

「発見」「発見」「発見」「発見」……


 表情や殺意はわからなくとも明らかにやる気マンマンなのはわかる。

 さてこの進化もそろそろ切れるがあえて更新しない。

 1対多で接近戦ならばもっと向いている姿がある。


 地・聖・空・土!

 魔力を混ぜ合わせ今改めて"進化"!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ