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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
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二百四十生目 回転

 大きく跳んだパペットは空中で逆さまになる。

 そのまま肩からドリルを生やして落下してきた!

 本当に全身兵器だな!


 あんなものにまともにかち合ったら酷いことになる。

 回転しながら落ちてくるそれから大きく離れたらパペットは地面へ落ちる。

 さらに地面を掘って潜っていった!?


 地鳴り音が鳴り響き向かう先は……

 あ、そうか!


「跳んでバローくん!」

「は、はい!」


 治療していた鳥型魔物を抱えながら慌てて横に跳ぶ。

 すぐに地面からパペットが飛び出してきた。

 間一髪直撃を避ける。


 無理矢理跳んでさらに余波を喰らったバローくんは肩から落ちる。


「うう……!」


 何とか立ち上がってまた治療を再開したが本人も痛そうだ。

 パペットはバローくんも巻き込むことで私達に戦いづらくしているのか。

 間違えて拉致されないようにしないと。


 飛び出して落ちてきてパペットと再び剣を交わす。

 私の攻撃を避けつつもカムイさんの斧をブレードでいなしてとんでもなく厄介だ。

 かなり強い。


 私が剣を振るいパペットの腕を狙う。

 パペットは肘をこちらに向けたと思うと一直線に針が伸びてきた。


「いっ!?」


 剣は優れていても使い手が問題だ。

 思わず大きく下がり避けてしまった。

 イタタ少し針で引っ掛けられた。

 剣士が距離を離してどうする。


 まだまだ仕込まれていそうでどうも攻めきれない。

 一方カムラさんは持ち前の技で斧でも牽制している。

 恐ろしい早さでの攻防だ。


 カンッ! キンッ! ガッ! カーン!!

 ザッ! ブウンッ! ドンッ! ゴーンッ!


 人数差はあってもパペットは仕込み武器の豊富さでその手数差を埋めている。

 正面にいるだけで避けにくい銃撃も放って来る。

 やりづらい。


 ブレードを振るってカムラさんの斧と弾き合いながらズドン! と撃ち込む。

 身を横にして出来るだけ被弾率を下げつつ斧でかちこむ。

 幸いなのは連射が出来ず次の装填までは放たれないのと集弾率が悪いこと。


 これはほかの武装も似ていてどうやら常時振るえるのはブレードのみ。

 さらに意識を割くわけにもいかず対応限界がありギミック稼働率を増やすほどに集中力が雑になる。

 ならば!


 私は駆けてパペットのボウガンを回避する。

 そのままの勢いで近づき振り下ろすと針を生やされてうまくそらされ……


「こっちさ!」


 そのまま地面を思いっきり叩く!

 剣には普段より遥かに行動力を注ぎ込み土魔力が爆発的に増している。

 奥の手!

 地面から亀裂が走り一瞬でパペットの立つ地を覆う。


 ガン!

 轟音と共に地面が裂け下から土と共に魔力が爆発した!

 パペットは攻撃に割いた意識でジャンプが間に合わず吹き飛ばされる。


「今です!」

「はああああぁぁっ!!」


 カムラさんが飛び斧へ行動力を送り込み魔力開放させる。

 パペットは場面把握が僅かに遅れた。

 ドンッ!!


 鈍い音と共に斧が深々とパペットの身体に刺さったあと吹き飛ぶ。

 土魔力により大岩を叩きつけられるような衝撃だろう。

 きりもみ回転して地へと落ち地面を削りながら流れ木を背にやっと止まった。


「ふぅ……! 手応えはありましたが」

「や、やりましたか!?」


 バローくんがたった今フラグをたてた気がする。

 それに答えるかのごとくパペットが動き出す。

 答えなくていい。


「……実力ヲチェック完了。『排除可能』ト断定スル」

「なっ!?」

「アレだけやっておいて……」


 何も感じないからこその不気味さ。

 殺気すらない恐怖が確かにある。

 土を払いつつ立ち上がると何らかの駆動音と共にパペットの背中が大きく裂ける。


「あれは……?」

「マジか」


 背のものは明らかに……回転ノコギリだった。

 しかもそれが2つ。

 腕のように伸びた先で獲物を探している。


 くそうなんでもアリかよ!

 ギュイイイイイイィン!!

 回転音が鳴り響き向こうから踏み込んできた。


 私が前へ出て剣を振る。

 相手は早速回転ノコギリ……!

 互いに衝突しあう。


「うっ!」


 刃がものすごい力で弾き飛ばされる!

 私ごともっていかれそうでたまらず下がる。

 だが同時にパペットも下がった。


 見るとこちらの剣による土魔力が回転ノコギリを弾き飛ばしたらしい。

 互角なら……

 ってまだ片方残っている!


「危ない! グッ!?」


 防ぎに入ってくれたカムラさんも斧で受けたら大きく回転ノコギリで弾かれる。

 そこにすかさずパペットがブレードを突き刺す。


「カムラさん!」


 バローくんの悲痛な叫びが何かに届いたのか私の剣がギリギリ届く。

 ただし軌道をそらしただけで脇腹を裂いた。

 あのブレードはかなりの切れ味だ……!


 数度何とかまともに斬り結ぶがニンゲンのふりをして下がって横腹を抑えているカムラさんの分による手数がなくなって厳しい。

 あっという間にやってくる『次の攻撃』に身を切られる。


「ぐっ! ううっ!」


 ブレードを防いだら回転ノコギリが腕の肉を抉る。

 回転ノコギリをなんとかしのいでも矢そしてブレードに針。

 わずかな時間で連続コンボを叩き込まれ最後に倒れた所にブレードが迫る!


 転がって突き刺さるブレードを回避し体勢を立て直して離れた所に銃撃。

 腕と剣で致命傷は防ぐが毛皮をえぐる。

 何とか黄色い血と共に弾丸を追い出した。

 


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