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二百九十二A生目 覚醒

 宣言は使いづらい。

 そんな宣言だが敵の宣言を宣言で消すのは私の得意なところだ。

 よくわからない悪霊みたいな神が悪あがきしてきた時は宣言を消すという宣言をして領域の奪い合いをする。


 今回はほぼつかいみちはなかったもののでも成長はしている。

 

 魂分・同体の奇跡。魂をわけたり自分に適性があるものを取り込んだり出来る神技。

 これは後で気づいた。

 私が剣ゼロエネミーにのりうつれたのはこのスキルの補正効果だと。


 ゼロエネミーは当然私に適性がある。

 しっかりとこの効果があったと考えて間違いないだろう。

 助かりました。


 15までになって10超えたの出新たなレベルなしスキル。


【魂身変化 神器など自分に適性のあるものと同体化したとき融合進化を起こす】


 つまり一体化したらなんか強くなって姿が変わるらしい。

 いいねえこれ。

 安易に使う気はないがゼロエネミーが乗り気の時にやってみよう。


 巨獣再臨。倒れかけた時に大きくなって再登場できる。

 今回はまったくこれ使ってないはずなのに伸びている。

 多分あんな死にかけの状態で巨大化も出来ずにずっといたからだろう。


 二度とああいう封印は勘弁です。

 シーマの封印は今頃解かれる手はずとなっている。

 月自体が巨大な封印装置なのでそこに押し込めるのだ。


 銀の神盾。13レベルに。

 銀の神盾は特殊な神の結界をはって攻撃をガード。

 しかも味方自身に強化まで入れてしまう。


 今回もちょくちょく使っていた。

 月の神力の暴走封印もコレ頼りだったのもある。

 銀竜を指す銀の名は伊達では無い。


 深淵の一端。8レベルに。

 毒や呪いみたいなのに強くなりつつ強くできるようになっている。

 あとは何か特別な効果もありそうだ。


 まあきっと場所や環境による強化作用あたりだろう。

 深淵ってわざわざ書いてあるし。

 今回は全く深淵ではなかったけれどそのかわり呪いはバッチリかかっていた。


 本来の私は呪いを反転させる。

 そこにたいしてまずスキルを無効化させて終末の獣なる呪いの塊みたいなもんを私に表出させ利用。

 ちなみに自力で表出出来ないかなって思って試したけれど現状不可。


 守護領界。9レベルなのであとわずか。

 これは簡単に言うと結界そのものに神業が適用されるということ。

 昔はちまちま結界に関して工夫して貼っていたけれど今は理解度が断然違いやりますやりましたで貼れる。


 銀の神盾プラス守護領界プラス大地の神域で必殺私空間が生まれる。

 ざっくりこれらでまとめは終わり。

 次はスキルだ。


 時がたち。


 一旦休憩に入ったあたりで今度は新規スキルだ。

 神からのスキルは1度に5ポイント使うようになっている。

 10ポイントなので私が選んだのは2つのスキル。


【窮鼠復活 気絶等ピンチに陥った瞬間に反射的に使う能力全般。特に能力封印などの窮地時に有利に働く】


 既にやられた際の復活があるのにいるかな? と慢心しまくっていて取っていなかったスキル。

 特殊な状況に追い詰められなければいけないスキル系って基本的にはつかいにくい。

 だから優先度下がってしまう。


 基本はやはりそうなる前に対処する。

 だが今回は『相手がこっちの生きる年齢以上に準備をかけてハメにくれば対処不可』を味わった。

 だからこれだ。


 そうしてもうひとつは打って変わって派手になる。


【響吠閃光 凄まじい吠える力により前方に破壊的パワーを与える。魔法能力依存。また吠えることへの技能、衝撃波系技能、衝撃無反動化などを得る】


 もともと”ダイヤモンドブラスト”で吹っ飛ばされるのは嫌だったし……

 さらに今回進化で衝撃波を放つ力を得た。

 ならばゲットしておかねばならないだろうということだ!


 今私はワープして荒野の迷宮の遠い場所にきた。

 ここはアノニマルースの特別訓練場。

 訓練といっても荒れた広い土地があるのみ。


 つまるところここでは何しても良いのだ。

 そのようにしくんである。

 唯一あるのはアノニマルースの報告看板のみ。


 つまりあっちに撃つなここにくるようなバカはということ。

 真逆側に放たなければ犯罪になる可能性がある。

 それはここを利用するものにわりかし言い聞かせてあった。


 まあ私もそこは気にしている。

 さあて反対方向を向いて崖山の方へ。

 そり立つ崖が遠目に見える。


 息を整える。

 まずはスキルを使うことだけ考える。

 ダイヤモンドブラストは私が使えるようにアレンジされている。


 だから私にもギリギリ扱えたが……今回のはまさしく神の技。

 慣れていない今どんな風になるかまったくわからない。

 神力を解放しようとして胸元を触り……気づいた。


 もうここには神力を解放するためのお守りはない。

 まあもはや必須ではないからヨシ。

 なんとなくだが神として壁を越えた感覚があるのだ。


 だから今の私は自然に抑えたり……

 お守りを触るルーティンをまねることで解放を再現できる!

 ドッとあふれ出る神力は行動力や魔力と違い空気に干渉せず周囲にエネルギーを放たない。


 代わりに……威圧的ににじみ出る光がじわりと放たれる。

 一瞬で世界そのものが書き換わっていくかのような。

 空気感がめちゃくちゃになるような感覚。


 これを引き起こしたのは自分だと認識できていなければ早々にここから逃げていただろう。

 それほどのにじみ出るような嫌さ。

 明らかに前とは出力や増量が違う。


 冷静に神力を練り上げ神力塊に変換していく。

 この神力塊を使って響吠(きょうばい)閃光を放つ。

 使うのは初めてでしかも神力スキル。初めから上手くいくとは思っていない。


「まずは発動感覚をつかもう」


 ゆっくり息をして整える。

 ちなみに進化していないこの体はきっちり内臓が機能しており生命体のほうがジャンルが近い。

 息はたっぷりしたほうがしんどくないのだ。


 発動するにはスキルを脳内感覚でえらびとり……

 そのまま身構える。

 こうかな。4足を落として腰を据える。


 前足側を持ち上げ顎を引き首の位置を整える。

 そのまま前姿勢へ。

 肉体を整えた後は精神面と神力だ。


 神力を放つには魂の力をしっかり使うことが大事になる。

 このフローが難しい。

 私は元々死霊術師としての才がない。


 死霊術師の才とは幽霊やら魂やらの感じ取る力の才が無いということだ。

 スキルで近いのを得てなんとか補助している形になる。


「足を埋めるようにねじり、指を開いて土を掴み、そこから大地を感じる。スーッ、フーッ」


 ゆっくりと自らの内側を整える。

 自身の魂から発せられる力を感じて……

 そこから存在する魂そのものを感じていく。


 神力は練り上げるんじゃない。

 みんなの想いから受け取って自らの力に昇華するんだ。


 よしよし。無事神力塊が生成された。

 あとは神力をフルで唸らせスキルを発動。

 エンジンフルスロットル!


響吠(きょうばい)、閃光ぅぅぅーー!! 」


 腹の底から叫ぶ。

 これで使うのは当然空気ではない。

 まるでドラゴンロアー。


 叫びがスキルで神力を変換し。

 口よりも更に深いところから強くねじれ。

 私の口の歯に触れないほど細く結ばれて。


 そのまま口先に開き。

 神の力で魔法陣。拡散するように大きく開き。

 一瞬でハリケーンのような渦が生み出し。


 空間が一瞬でまるで白の斬撃でめちゃくちゃにミキシングされたかのように吹き飛ばされる!

 (エフェクト)がえげつないほどに走る白で埋め尽くされて。

 それでも眩しい訳じゃない。


 ただ白い闇のようでおそろしい。

 だがあっけに取られている訳には行かない。

 凄まじい反動が私を襲い咆哮のむきがブレる!


 うぬぬぬぬ! こうか! こうすれば直るか!?

 体を捻り絶対に吹き飛ばないようにする。

 この最中にあらゆる方向に吹き飛んだら光景的に色々終わる!


 とはいえ昔のダイヤモンドブラストと違ってずっと扱い易い。

 なんか抑え込める。

 そうれ! なんとかなる!


「ーーーッ! 終わった!」


  初めてのスキル発動だったのでやれるだけやってみた。

 1回のスキル発動で10秒前後ぶっぱなせるとは。

 放ったほうの荒野も見てみる。


 轟音ひしめいていた先に空間ごと刈り取られたかのような激しい損壊とえぐれる地面。

 そして何より広すぎる崖の崩壊。

 前方150度かそれ以上に崖が壊されていた。


 あのスキルは音の届く範囲全部をめちゃくちゃにえぐりとっていた。

 こりゃあ滅多に使えないなあ……

 ただだからこそもしもの時は良い。


 この能力を鍛えてより便利にしていこう。

 神力スキルならばそういうことが可能だ。

 神によってはこういうスキル1系統を完璧に仕上げまさしく神業にするのだから。






 時はしばらく復興の時が流れる。

 もうね。大変。関係各所との連携が。

 ホルヴィロスは小さくわかれ関係各所に飛んで医療。


 そして小さいのが私について……


「まだ働いて3日だよね!? まだ私大丈夫かな!?」


「うん! ローズの健康はあれだけの事があったのに本当に凄く健康! だけれどふつうは24時間を3回、72時間ぶっ続けで働き起き続けているのは本当にダメだからね!? 今特例で健康維持管理しているから何とかなっているだけだと思うからね!?」


「ほんとホルヴィロスありがとう! でもね、1枚書類片付ける間に3枚増えているような環境だから無理ィ!!」


「体調は大丈夫だけれど、明らかにハイになってるねぇ!? そのローズもいいけれど、なんか不安になってくるよ、正常値範囲内だけども!」


「うーわ、念話で連絡きた。早く行かなくっちゃ!」


 もはや雑務on雑務。

 今来た連絡は緊急で来て国家間トラブルを抑えてくれというやつ。

 そっちでなんとかしてくれ!


 だがわかる。

 結局国家間トラブルはみんなアノニマルースのためにやってきてくれたために起こっている。

 つまり貸しを作った相手が多いゆえに借りを返さねばならない相手も増えたわけで。


 それを1対1ならともかく多数の国がアノニマルースや皇国を飛び越えてどうこう言い合いが紛糾するのだ。

 各国全員損失はでかい。

 ただで引き下がるようなやつが弁論の場で立つはずもなし。


 そう私が呼ばれたのは会議真っ最中の中である。

 どこぞの大河王国の王子が壊した自前の宝剣の中から宝石剣が1つ見つかったというでも話がゆれているらしい。

 面倒臭さを増やさないでくれ!


 7つある宝石剣は魔王の力の源であり適切に管理しちゃんと封じておくことが決まってはいるものの……

 今回みたいなパターンは初だから諸々面倒な戦後処理もあわさってハチャメチャになっているらしい。


「ああもう、これ以上トラブルを起こすなー!」


 私は会議室へと転移した……





 何日後だったか。

 完全に疲れ果てた後にさらに工夫と努力でやっと少し戦後処理が終わったのは間違いない。

 そして何より月とこの星との神々が争う戦争が回避されきったのもこのぐらいか。


 なんと蒼竜が来て教えてくれたのだ!


「やあ助手! 元気そうだね!!」


「これを見てそう思えるのなら、ホルヴィロスに治されるがいいよ……」


 キラリと眩しい笑顔の蒼竜。

 相変わらずニンゲン風に扮している。

 蒼竜の極小単位の変質を起こして真似るワザ……メタモルフォーゼ。


 つまるところ過去にいた誰かの姿を真似ているのだろう。

 その人物の事は知らないがイケメンだったことはうかがえる。

 竜にニンゲンの美醜がわからないらしいことは彼らからちょくちょく世間話で聞いていたし。


 さて一方私たちは死屍累々だった。

 もうそこらにダウンするホルヴィロスの部下達。

 グッタリして書類を見上げる私。

 一応戦後処理は落ち着いたのだ。


 うぐおおおお……寝れない。寝かせてくれ。寝れない。

 脳がおかしくなってるよこれ。

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