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二百九十一生目 戦後

 私自身の目と鼻と耳で感じる久々のアノニマルースは……なんとも悲惨に感じた。

 時間的にはそこまで経っていないはずなのにまるで長い間帰ってきてなかった故郷にでも来た気分だ。

 つらさと苦しさと……そして生き抜く希望を感じる。


 こんなアノニマルースは見たくなかったがなってしまっているのはしょうがない。

 私がとっ捕まったのが最大のミスの1つだし。

  後悔より反省。反省より行動!


「この瓦礫たちって、まとめて向こうに運んで良いんだよね?」


「え? そ、そうだけれど、この量は大型魔物じゃなきゃとてもじゃないけれど運べないよ?」


「まーまー、やり方があるから、ね!」


 もはや現場は組織立つよりも立ってやれるメンバーが音頭を取り片付けをしている。

  埃と血のかおりがまだするこの現場でも誰ともつかない魔物が地道な作業を行っていた。

 話によるとやはり大型の魔物たちは前線に行き身体に傷を負って帰ってきたらしい。


 全員戦闘が得意というわけでもなかったはずだがやはり質量で肉壁になることが多かったそうだ。

 文字通り身体を張った彼らを戦後も働かせるのは忍びない。

 兵でもないんだからね。


 積まれた瓦礫の山を動かさないと、ということで困っていたところに私が通りがかった。

  私は額の第三の目に力を込める。

  全体をぐるっと把握してと。


「ほいっ!」


「うっ、わぁ……!?」


 瓦礫の山をまとめて動かす。

 ここにあった建造物たちをまとめたのかな。

 2件か3件分くらいありそうだ。

  4足の今では見あげなければ上が見えない。


「じゃあね」


「あ、ありがとうございます……すご……こんなにまとめて運ぶだなんて……」


 私はおもいっきり戦っていたわけでもなければ普段はアノニマルース内で活躍する訳でもない。

 たしかにたくさんの魔物を入居案内に導いたけれど結局普通に流入してくる魔物の方が多い。

 一族ごととかだと私と面識ないままアノニマルースに飛ぶ魔物も多い。


 そんな1匹だったのだろう。

 私も彼のことは2回ちらりとみたことしかないや。



 山のような瓦礫は他にもまとめてある郊外でまとめて粉砕。

 土魔法でちょちょいとね。

 ……ちょちょいでできるようになっているのやっぱりおかしいよね。


 

[ニーダレス Lv.44→50 ポイント4→10

 "繋がりの無敵15→20" "イバラ戦師21→22" "魔眼を持つ者15→22 "

 "言葉を超える教師15→18 " "疲れ知らずの魔毒獣16→17 " "獣の賢者17→22" "神魔行進9→15" "光神術6→EX" "小神罰1→EX" "大地の神域7→9" "分神3→11" "バトルマニア8→10 " "宣言3→6" "魂分・同体の奇跡7→15 " "巨獣再臨5→9 " "銀の神盾5→13" "深淵の一端4→8" "小神罪1→EX"  "守護領界5→9 "] 


 おかしいね! 使っていないのも跳ね上がっているね!!

 なあにこれは……めちゃくちゃじゃないか。

 まあこれもう何回も見たし何度見ても変わんないんだけれど。


 そしてレベル上はこうだがレベル以上に変化がある。

 あの時感じたよくわからない好調さ。

 それがさっぴかれたものの未だ能力だけは残っている。


 あの時は全能感というかすさまじいテンションとパワーを感じたが……

 今は落ち着いた状態で根っこから強くなっている。

 レベルよりも根本的な……種族が違うくらいに能力が増している。


 なんかまず出力の蛇口は元に戻った。

 だが同時に大放出もできるしそれに耐えうる体にもなった。

 それで肉体の構築が根本的に変わってしまったのかも。


 本来それはトランスだけれどトランスを今回はしていない。

 種族は同じだ。それなのにこの肉体能力の伸びはまさしく異常なのか……それとも。


 これが私自身が扱い切れていない神としての領域だったのか。


 肉体はお仕事しつつ脳内はどんどん見ていこう。


 まずレベル。レベルだけじゃない強化と言ったが狂ったように上がっている。

 これは私が新鮮な『経験を積んだ 』からだろう。

 さらに激闘に次ぐ激闘だ。


 まさかゼロエネミー内でもオーケーとは。

 いやゼロエネミーが私の武器だから判定的には私が得るのが妥当なのか……?

 さて上から見ていこう。


 繋がりの無敵。無敵スキルなどを含んだスキルだけれど今回は戦争や神力にと順調に効果があった。

 それでも全てに対して言えるが「異様な大幅成長」だけれども。

 今回全部そうなので今後は省いていく。


 イバラ戦師。他と比べれば微増だが10以降極端に上がりにくいので上場。

 これは今回イバラ系の戦闘数が少ないのが大きいよね。

 魔眼を持つ者。今回進化した時に目から衝撃波出せたからねえ……かなり上がっている。


 視力を超えた力を扱えるとは言っていたけれど思ったよりも超えた力だったなあ。

 なんか今もそれぞれの目の調子が前と違う。

 止まったものもちゃんと見えるしなあ。止まったものは見えづらかったからちょっと不思議な気分だ。


 言葉を超える教師は3つ上がっている。

 私はあんまり会話していないけれど戦争やらなんやらでみんなが異様な環境下で負担がかかった分かなあ。

 多分だけれど。


 疲れ知らずの魔毒獣。今回は毒はあまり出番なかったけれど無尽蔵さに拍車をかけるのには役立った。

 結局例の終末の獣からの無限供給なるものは実感できていない。

  まあ絶好調なのは絶対関係あるだろうけれど。


 獣の賢者。魔法関係は意味わからんくらい強くなっている。

 あの時は特に出力調整自体うまくきかなくなっていた。

 あまりに過大な力に振り回されていたのだ。


 今はでっかい出力も調整がきいて煉瓦を飛び散らないように魔法で粉々にできる。

 前やってたら瓦礫が吹き飛んでいたね。


 神魔行進。祝10突破。

 10を突破すると新しいスキルが派生するけど置いといて……

 神魔行進はみんなに神力を付与して一時的に生物としての格を引き上げ神とも殴りあえるようにするスキル。


 神は強い弱い関係なく神力という別次元な力で相手を上から抑えれてしまう。

 今回出発前になんだか精霊たちがかわりにかけているように見えた。

 あれなんだったんだろう。今はそんなに見えない。普段の3匹だけだ。


 精霊はなんか小さい光の玉なのかなんかなんなのか分からないフワフワ浮いているように見えるもの。

 良くは分からないけれど助かった。


【神魔一体 神と魔物がともにある時に、相互に強力な強化と共に強さが水準まで引き上げられる】


 これが生えていた。

 実は最後シーマにみんなが立ち向かって勝てていたのはこれのおかげもあるんじゃないかなという推測。

 あの時の私はというかヌルはイケイケな状態だった。


 あそこまで強くなっている水準付近まで引き上げられていればシーマからしたら溜まったものじゃないだろう。

 それでも対抗出来ていたあたり力が引き上げられるはイコールで戦いが強くなるというわけでもなさそうだが。

 やはり慣れておかないと完璧に力を引き出して戦うなんて無理だからね。


 いきなり早くなった足はつまずくし強くなった力で殴ればうまい逃がした方が分からず腕が傷つく。

 そういうのを避けるように動けばそれなりのパワーしかだせないからね。


 光神術。問題児。数字じゃないんだけど。EXって何?

 “観察“したが結果が得られない。

 つまるところなぞである。


 ただし光神術の効果説明文は変わっていた。


【EX光神術 光に愛された力。光の術により光を操る事で闇も操る】


 なあにこれ。

 前の時はこんな説明文ではなく光に関する神法術つかえますよで一覧が出ていたはずだ。

 今もライトやサウンドウェーブなど問題なく扱えるが……一覧が無くなっている。


 つまるところこれは……EXとは()という意味だろう。

 元光神術。前の光神術とは別物に変貌してしまった。

 なんでこうなったかなんて明らかに囚われ終末の獣がどうの神力を致死量浴び続けのヌルが出るので変質しない理由の方が難しかった。


 つまるところおかしくなってしまったとも言える。

 元々おかしいスキルがさらにぶっ壊れてしまった……

 多分元々の光神術は神の力をスキルてして再編しわかりやすくまとめたものだと思う。


 今は違う。マニュアル操作全開で神力を使いやろうとすればやれることがなんでもやれる。

 そう……手癖で使っているもの意外は使いにくくてしゃーないね!

 現在絶賛何が出来るか訓練中。


 あ。赤外線探知のようなことは出来た。

 インファレッドの応用だろう。


 小神罰。お前もか枠。

 私たちを謎のものに引き込むEX枠。

 もとは神の力を持たない者に対して儀式して確殺できる恐ろしい神の特権だ。


【EX小神罰 寄り添う神は罰の本質を考慮した。小神罪で明らかにした罪をただしくさばいて罰により清算させる。同時に自らを律する】


 何か言い出したんだよね。

 わからんてこれ。

 使ったことがないスキルだったのにさらにわからなくなった。


 なんで私に裁量権あるんだ。

 いや元々神という立場自体が勝手に各々裁量権持ってる最悪状態なんだけれど。

 これは何かの時には役立つかもしれない。


 ということで小神罪も見ていく。

 こっちもEX化していた。

 こっちは本来神が神を撃つための能力。過充力、拡張神格、過剰放出、信仰聴取……つまり神託と無意識アンケート……破神技術などがつめあわさっているというもの。


 神系スキルは前提としてパッケージングされているので色々出来ることが増えるというものが多く分かりにくい。

 ただ並べてみると今回明らかに使い込んでいる。


 神を討つ……つまるところ封印。

 過充力、拡張神格なんて終末の獣を通され捕まっている間その装置されていたし。

 過剰放出はいわずもがなバランス取れないあの出力だ。


 破神技術……ヌルがシーマを圧倒したのと関係があるのかも知れないけれど不明。

 神をぶっ飛ばすことはよくあるけれど殺し合いはほとんどした事ないからなあ。

 詳細は不明。


 さて? これが?


【EX小神罪 罪をはかるのは法ではなく秩序。大神以上にすら対抗し取り締まるための拡張能力たちに加え、相手の罪をはかることが出来るようになる。自らの中に罪を抱えているゆえに行使可能】


 終末の獣が絶対関係している!!

 スキルを使おうとした時の感覚的にどうやら前よりも解釈が拡大された感覚がある。

 あと前はレベル1だった影響もあり大幅に強くもなっていた。


 つまりこちらもマニュアル運転操作にされている。

 由来不明の秩序に罪を問うのも怖すぎる。

 私自身に使ったら真っ黒に見えてしまいそうだ。


 何せ秩序からしたら終末を呼び込む獣たる存在、みたいな話は最悪ケースだろう。

 嫌な予想はともかく。


 大地の神域。1回ヌルが使ったけれど相手と入り交じっていたね。

 アレの影響か知らないけれど使用量にしては鍛えられている。

 最後は完全にぶっ壊れていたがそれもまた経験。


 分神がかなり増えていた。

 当然私が気を失っているあいだ他に派遣できなかったのでその経験なはずもない。

 少しずつ今までも上がって行ったが今回上がった理由は私自身だ。


 ゼロエネミーに意識乗っけたままずっと戦っていたせいだろう。

 それだけでこんなに上がるのはさすがだ。


 バトルマニア。戦闘全般に補正が入るあげく強ければ強いほど全てに経験が貰えてオトクなもの。

 当然今回もしっかり機能しているわけだ。


  

 宣言。これは神力を用いてルールを課す宣言が出来るスキル。

 自身の領域か自分にたいしてだけかなので神同士の戦いはこれの食い合いになる……らしい。

 ただ月の神たる悪魔たちはこのむもののこっちの世界の神たちからはあんまり使われていない。


 まあ理由はわかる。

 継続中神力消費が重くしかも常に発動を意識しないといけない。

 そこまでやって神相手ではそう有利とれないからねえ。

 

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