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二百七十六A生目 白毒

 もはやどちらがより酷いことができるかみたいな戦いになってきた黒白戦。

 ふたりは合流して空へ飛び上がる。

 双方の腕が展開していく。


「認めマショウ。アナタタチハ強イ」

「認めマショウ。コノ力ヲ振るうニ相応しい相手ダト!」


 巨大砲塔と貸した腕たちを互いに向けて放つ。

 双方が中央でぶつかって渦を巻くように融合する。

 そして1つの塊へと変化していく。


「「ダブルエクスプロージョンッ!!」」


 何か大技来るのはわかっていたから距離を取ってはいたが。

 一気に収縮し空間が歪む。

 私達は一瞬で縮められてしまった。


 そして逆方向へ一気に爆発。

 凄まじいエネルギーを叩きつけられつつみんな地面へ転がされる。

 ゼロエネミーで大盾はっとけばよかった!


「「うわわぁぁー!!」」


「クッ、こいつ……!」


「立て直すよ!」


 ホルヴィロスは自身の体がバラバラになった……と思うと。

 いきなり3体に小さくわかれた。

 でた。あの前に見たミニホルヴィロス量産バーゲンセールの小規模版だ。


 他の3匹にそれぞれとりついてツルを巻くと花が咲いた

 淡い(エフェクト)で癒やしていく。

 イタ吉はどうするのかと思ったら分裂をさらにしてそれぞれ1匹1柱くっついていく。


「た、助かったぜ!」


「このぐらいなら朝飯前!」


 ホルヴィロスが回復している間もみんなは動き回って敵の攻撃をしのぐ。

 一気に流れを持っていかれたのが痛い。

 イタ吉は斬撃を構えていると近づけない。


 普通ならいけるがさっき当たり前のように蹴り止めてきた相手だ。

 警戒して当然。

 アヅキが前に出るとシンプルに制圧射撃。


 アヅキは空から向かって多くの魔法を駆使し距離を縮めるスタイルだ。

 単純な攻撃ほど案外効く。

 そしてホルヴィロスは有効打が少ないが逆に有効打を与えづらい。


 相手の行動を縛ることはできるけれどそれ以上強力なパワーってなるとやはり難しくなる。

 アカネは爆発矢ことミサイルを向けられたら厳しくなる。

 アカネの特徴はその身を物理的に盾にして跳ねのけられることだ。


 逆に言えば内部に入りこんで爆発するのだなんて肉を骨ごと吹き飛ばさせているようなものだ。

 相手を断つ前に駆逐されるのがオチだろう。

 そして何より。


「サア、奏でヨウ! コノ美しイ景色ヲ!」


「サア、歌オウ! コノ騒がシイ環境ヲ!」


 敵が合わさった時の爆発力。

 正直これをナメていた。

 まあ事前に調査しようがなかったのだが。


 とにかくコンビネーションがうっとうしい。

 シンプルにふたり同時に動く2倍攻撃から……

 アヅキとイタ吉が近づいたときに白はイタ吉に斬撃を。


 黒がアヅキに挟んで制圧射撃をしてくる。


「うおっ!?」


「これもダメか!」


「危ない!」


 ホルヴィロスが1つに戻って敵を縛り危機をギリギリ逃れる。

 一瞬で猛連撃叩き込んでくるし半端なく痛い。

 ホルヴィロスが間髪をいれずに全体回復の魔法花粉を撒いているが限度がある。


 相手の一瞬における殺傷力は恐ろしく高い。

 さっきまではうまくハマってなかったから発揮できていなかったが……こうなると立ち回りを考える必要が出てくる。

 そのために時間を作る!


 私と言うか鞭剣ゼロエネミーは薙ぎ払うように剣先を伸ばす。

 すると2体とも飛ぶように避けた。

 やっぱりまともに食らいたくはないらしい。


 みため通りならば攻撃偏重で防御系能力に乏しいのだろう。

 代わりに攻めの圧を防御にするタイプと見た。

 

「全く、コレダケ力ノ差ヲ見せテモ引かナイナンテ、強情デスネエ」


 白がアカネが取り組んでこようとするのを横目に本命のアヅキの雷撃へ腕を向ける。

 アカネが真横からの爆撃で無理やり吹き飛ばされる……黒だ。

 アヅキが驚くものの練り上げた雷撃は無事放たれる。


 同時に白も光線を放った!


「全ク、ココマデ死にカケテ何度モ喰いカカッテ来るダナンテ、何モ学ばナイヨウデスネエ」


 光線と雷撃が追突して閃光を放つ。

 互いに飛んできた残滓を受けつつも身を捻って直撃を避けた。


 そこの背後に黒が回り込んで両手を地面にまわし。

 片足で三角を生みもう片足を高く蹴り上げる!

 鷹のような(エフェクト)と共にアヅキを蹴り飛ばした!


「ガハッ……!?」


 とんでもない威力で吹き飛んだアヅキのカバーに鞭剣ゼロエネミーでバンバン切り裂いていく。

 長くやれば鋭く広く。

 短くやれば早く狙い撃ちで。


 黒は私というか鞭剣ゼロエネミーと切り裂き合う間し白はアカネホルヴィロスイタ吉たちの豪華体勢。

 ほんの数秒でめまぐるしく戦況が変わっていく。


「我々ハタダ主ノ願いヲ叶えル存在。君タチノ存在自体が意義に反すルノデスヨ」


 白が全身から刃を生やして高速回転。

 イタ吉が尾刃を叩きつけ合わせほぼ同時にアカネが亀の甲羅で叩き込む。

 ホルヴィロスはアヅキを目で追いつつコマのように高速で移動する白に対してツルを大量に伸ばし……


 白はあえて回転を止めた。

 それはそうだ。

 このままではあっさり回転を停められてしまう。


 白の刃を細長く伸ばしていく。

 そのまま無尽蔵に触れば勢いに乗せて先が伸びていった。

 あの動きは!


「げっ、ゼロエネミーの動きしてんじゃねえか!」


「ヒトリヲ単独デ抑える動きハ有用デス」


 パ……パクリだあぁ!!

 しかも有用なのが困る。

 伸ばされた刃はツルとかちあい逆に切断していく。


 断ち切れなくて問題ない。

 行きおいよくそのままホルヴィロス本体へと叩き込んだ。

 ホルヴィロスは切られた瞬間に分裂。


 片側がアヅキの元へと駆けていきもう片方は腐食毒を刃へとぬりたくる。

 いわゆるサビ化だ。

 幸い何度も切り込んで来るので塗るのは難しくない。


 ただホルヴィロスだけが相手ではない。

 小イタ吉が鞭剣をかいくぐって迫れば片足の刃は小さく振って切り裂く。

 全部同じにする必要はないからね。


 無限に増えるように見えるイタ吉。

 実際その分身それぞれは実体をもって襲い掛かっていく。

 それを全て小気味よく無双されていくのが良くない。


 分身はあくまでニセモノ。

 殴られれば消える程度の存在だ。

 ガードとか避けるとかが結構難しいときいたことがある。


 その間も鞭剣を振るってアカネとホルヴィロスを牽制していたが。

 いきなりガチリと奇妙な音を立てた。

 アカネがガードするために体に甲羅を発生させて受け止めだのだが……


 前みたいのその上から切り裂いて衝撃を与えるのではなく。

 明らかに途中で刃が止まっていた。


「?」


「ようやく効いたか!」


 刃が錆びている。

 止まってしまった刃を引き抜くのは難しい。

 なのでアカネが甲羅を変化させ貝のように閉じてしまった。


 次の動きをする前に遠くから雷撃が白に放たれる。

 体をひるませるその雷撃。

 それはアヅキが遠くから放った雷撃だった。

 

 アヅキの放った魔法はたった一発だけれどまともなあたり。

 それは場の流れを変えるのには必須だったのだ。


「ナイス!」


 ホルヴィロスの分かれ身が到着して癒す。

 スレスレの戦い。だけれども繋がっている。

 アカネは刃を食い止めたまま大きく体をねじる。


「そう、れえ!!」


「オヤ」


 とんでもない勢いで白は床に叩きつけられた!

 アカネは変身を解いてからさらに変える。

 頭を狼のようなものに変えた。


 そこから咆哮と共に真っ青なビームが放たれる。

 一瞬で巨大な氷が形成された!


「主とやらに伝えなよ、そもそも私達を敵に回して無事に済むと思ってるほうが間違いだってね!」


 黒が鞭剣ゼロエネミーを横目に駆け出す。

 背後から斬り掛かったら逆に掴まれた。

 しまった誘いか!


 両刃の刃を掴むという発想普通はない。

 だが人形は別だ。

 その指の内に刃を尖らせて指を切り落とされないよう対策している!


 しかもゼロエネミーは他者が持つとメチャクチャ重たい。

 ガチガチと音が鳴っている。

 だけれども。


「フッ!」


 そのままゼロエネミーをぶんなげおった!

 んにゃあーろう!

 当たり前だがゼロエネミーは剣である。


 受け身なんて取れるはずもなく深々と刺さった。


「ウワッ、潰し切りナノニ斬れ味鋭スギナイデスカ? 随分攻撃が重ックッテ抜け出せナイト思ってイタラ、コレハ引きマスネ、使い手ノ正気ヲ疑いマスヨ」


 はぁ〜!? なんなんだコイツ!

 まあそれを怒る私はここにいなくってゼロエネミーに取り憑いているだけだが。

 しかもまあご丁寧にちょっとねじって簡単に抜けなくした。


 これだと数秒かせがれてしまう。

 その間に黒が凍った白の下へ追いつき……


「グッ!?」


「おいおい、遅いぜ!」


 ……確かにねじ込むのに時間を使ったとはいえそこそこ喋ってたな。

 そのあとも駆けながら話してたし。

 もしかして黒、そこそこイラッとしていらっしゃる?


 当然そのスキをイタ吉が見逃すはずもない。

 イタ吉が背後から滑り込むように蹴り上げていた。

 あれは本体だな。


 イタ吉に続いて尾刃イタ吉そしてアヅキが遠くで構える。

 黒の表情は変わらないが……

 このヘタに蹴り浮かされた状態を良いと捉えるはずはない。


「グゥッ!」


 だから黒は無理やり体をひねり回転させつつイタ吉の首を狩りにいった。

 本来は無理な体勢。

 人形だということを踏まえてなければそこから反撃できるとはつゆほど思わないだろう。


 だが人形だとわかっている。


「にゃろ!」


 ギリギリヌルリとイタ吉は攻撃をそらした。

 無理な体勢からの斬撃は指の先がイタ吉へひっかかりそうになり……

 イタ吉がイタチ特有の細長い体でさらにもぐり込んだのだ。


 つるりと空ぶった。

 これは1攻撃ミス以上に大きな意味を生み出す。

 ジャグナーが仰いだ扇から(エフェクト)の強い風が叩き込まれて。


「お返し!」


 尾刃イタ吉が挟み込むように連撃を放つ。

 イタ吉がもつ最大の特徴はその強烈な連続攻撃だ。

 尾の刃は大きく敵を穿つのに十分な鋭さを持つが……巨大化させた爪と尾の刃そして分身による通り過ぎ際の全力斬撃。


 それは息をつく間もないほどの超連撃!!

 ただの駄々をこねたかのような振り回しと違う。

 1撃1撃考え抜かれリズムを刻むかのような連撃。


 秒間何十重連続攻撃なんだろうか。

 もはや斬撃の跡が後で見えるほどの連続攻撃で。


「終わりッ!」


「グオオッ!?」


 最後通り過ぎる先で切り払う。

 イタ吉の背後で5回の切り裂きがきらめき爆発した!


 空で黒は体勢を直す。

 それでもだいぶ傷が増えた。

 確実に追い詰めている!


 すると白の氷が内側から砕けた!

 もう離脱したか!

 ホルヴィロスが周囲から大量のツルを発生させる。


「こういう毒はいかがかな!?」


 毒は毒でもその毒は……真っ白。

 ホルヴィロスの色。

 神の毒のツル!


「ソンナノモ……!?」


 白の全身をさらに白くしようとする神の毒。

 それらでホルヴィロスが全身叩かれ……

 そして動きが奇妙になる。


 叩かれて。叩かれて。それらを防ぎ切り裂いた。

 そのはずなのに。


 いつの間にか完全な脱力をしていた。


「いやあ、人形用にカスタムするのが結構苦労したんだけれど……初めてのわりに、よく効くんじゃない? こう見えても、医者だからさ」


「ナ、何ヲシタンデスカ!?」


「力が入らないでしょ? 感覚もすごく鈍って動きがわからないほどに。毒に、冒されたんだよ」


 白色と色が抜けているの違いは大きいと今悟った。

 そう白がどんどん脱色しているのだ。

 木目の色とかそういう段階ではない。


 世界から失われたということを表す色。


「ナ、ナニィ!?」


 それはきっと本人にとってかなりの衝撃だったのだろう。

 自分の腕を見て失われていく色を見るのは。

 毒に喰われていくさまをみるのは。


 ホルヴィロスに相手を直接叩き潰す力ない。

 だが最も危険なのは間違いなくこの神なのだ。

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