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二百五十二A生目 格闘

 ドラーグが放った超高速放火。

 それは場の空気を一変させるほどのパワーで……

 同時にまだ倒しきれていないと思わせるに十分だった。


 みんな回復に努めている。

 一本間違えば倒れていたのはこちら。

 土煙が徐々に晴れだす。


 ……突っ切ってきた!

 煙が内側から破裂して2つの軌跡。

 片方はスーで……もう片方は砲撃!


 チャージ砲撃らしく全員を枝分かれして追尾しだす。


「コンナニ強いダナンテ!」


「メアリー、全力ヲ出し尽くさナイト負けてシマウヨ!」


「分かっテイルワ、スー! 行きマショウ!!」


 ふたりとも傷が多く見られる。

 だけれども倒せるまでには至っていない!

 大量の砲撃からみんな逃げスーが的確にメアリーに近づく奴にステップで接近する。


「フッ!」


「ぬぁっ!?」


 兄インカが駆けたところをスーが真上から拳を振り下ろす。

 鈍い音と共に兄インカが殴られ地面へと頭を叩き伏せられた。

 追撃を転がってかわす。


 あの背中に大きな槍針かかえてどうするのかと思ったら槍ごとキレイに跳ねて回った。

 なんというか……受けなれしている動きだ。

 修行でしごかれてるんだろうなあ。


 インカ兄さんが切り返しで頭の槍針を振るう。

 スーが拳にこすらせつつ殴る。

 頭に受けて耐え切り替えして爪を振るう。


 槍針が目立つだけで実際は4足格闘術は色々使えるらしい。

 腕の振りもそこらにいる魔物のようなものじゃない。

 引き絞り限界まで見極め狙った所へスッと腕を伸ばす。


 その一連の動きが完成されすぎていてパァンと当たった音がしたと思ったら当たっていた。


「ッ! ソノ動き、素人ジャナイネ!」


「そちらこそ、今のを逸らすか」


 ギリギリ腹部中央からそれて拳は横腹に当たっていた。

 人形に腹筋はないが同じように駆動できるよう関節と骨格はある。

 直撃すれば折れてたかもね。


 止まらず連撃を互いに入れる。

 兄インカは何回殴られたとて止まらない。

 鎧で丁寧に受け流している。


 当然その間に割り込む影。

 イタ吉たちがまた再度迫ってきていた。

 アヅキと雷神は回りこんでメアリーを抑えようとしている。


 ドラーグはコロロと共にスーとメアリー両方に遠隔射撃攻撃を浴びせていた。

 上空からあちこち嫌がらせのように連撃するだけでだいぶ変わる。


 剣ゼロエネミーはとにかくメアリーを牽制。

 メアリーも暇さえあればチャージビームで追尾させてこようとするので困る。

 いちおうこなし方がわかったのでみんな地形に当てたり広範囲攻撃で相殺したりしているけれど。


 当然撃つたびにこっちが余計な時間をとられる。

 しかも移動している間にスーから狙われる可能性が跳ね上がるし。

 

 剣ゼロエネミーの切れ味は凄まじい。

 近距離で振り回せば無視は当然できないらしく。

 メアリーは全身の砲口からこっちに当てようとしたり細かく避けたりする。


 それでも当たる剣戟が砲口を一つずつバラしていく。

 ハリネズミみたいだったけれど多少はマシになってきたか!?


「ソンナニダメージハ無いケレド、地味ニ削られる……!」


「……!」


「ウワッマタ来た!」


 そこに雷神が大きめの曲剣を持ちつっこんでくる。

 その斬撃は今だけまさしく神のごとき力。

 膂力と重みが早さに乗ってメアリーのガードを打ち崩す!


 メアリーの砲撃も雷神の速さをとらえ切れていない。

 主砲は速いが発射するころにはもう目の前から離脱している。

 ためれば雷神が思いっきり蹴りこんでくるわけだ。


 メアリーと雷神が撃ちあうが実は雷神不利でもある。

 雷神は……そこまでスタミナがない。

 長期的なものならあるんだけれど短期的にはすぐ消耗する。


 なので瞬間的に移動しては止まるのだ。

 複数からの砲台から放たれるビームは全部避け切れていないし。

 そもそも戦闘長自体がとんでもなく強い存在なので致し方ない。


「ソロソロ邪魔ダヨォ!」


「……!」


 そしてスーの横やりで今度は大きく弾き飛ばされる。

 まさしく殴り飛ばされた形だ。

 メアリーをスーが積極的に守る形だから結構しんどい。


 ほかの面々がスーを抑えようとしても独特の歩みでスルスル抜けてしまうし。

 大きな拳自体が相手をどかすのに便利に使われている。


「スーッ! そろそろ倒れろやっ!!」


 イタ吉たちが一瞬で周囲を囲む。

 メアリーが砲口を輝かせ。


「ココハ私ガ」


「……頼んだワ、スー」


 スーが前に出てメアリーは加速し一気に場を離れる。

 ほんのまたたきするほどの時間挙動。

 小イタ吉が完全に切り込む間際まで迫った!


 そこでスーが体を回転させるようにして……

 イタ吉を掴んだ!

 

「ゲッ」

「ハァッ!」


 そしてぶん投げた!

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