二百四十九A生目 主砲
「モウイイ、モットパワー上げて倒す!」
メアリーの頭に雷神の雷撃槍がカスる。
それで怒ったみたいでさらに火力を増してくるらしい。
メアリーは前方に身構えエネルギーをためて……
砲台の口に球形のエネルギーが現れる。
「イッテ!」
球形のエネルギーが独特の破裂音と主に細かくビームに分かれる!
さらにビームは剣ゼロエネミーとドラーグそれに雷神……
全員へと殺到する!
「げえっ、誘導ビーム!?」
「……!?」
のわーーっ! くるくるくる!!
剣ゼロエネミー渾身の逃げ。
ほかのみんなも逃げまどっている。
くるくると曲線を描きながらこっちへ飛んでくる!
数も多く早くしっかり追尾してくるっ!
ひえーっ!
剣ゼロエネミーが普段見せないアクロバティックな高速軌道を見せつける。
縦ロール。縦ターン。流れるように大きく横旋回。
美しい光の線たち1本1本危険な光線。
主砲の光線はどれもこれも危険球すぎる!
「……!」
「今ノウチニ地上ヲ、ウワッ!? モウ来たノ!?」
主砲で地上を狙っていたメアリー。
しかしそこに横から雷神が飛んできた。
稲妻をまとって高速で飛び回るその姿。
雷神は背中に大量の武器を持ち歩いている。
普通では重ねられないので魔法道具でどうにかしているのだろう。
そこからまた1つの武器を取り出した。
リーチの短い短剣2つ!
「……」
「何唸ってイルノヨ! ウウッ!?」
雷神の攻撃は素早い。
近距離で金属音が複数鳴り響くと次々切り傷を増やす。
体中にあるビーム口から光を放つともう雷神はそこにいない。
戦闘長ゆえメチャクチャカタそうだけれど少しずつ傷を増やしている。
雷神はなんで攻撃できるのかと思ったら……
追撃ビームを一気に引き剥がして出来た時間の隙間に殴っていた。
3秒有るかないかくらいでようやるよ。
ちなみに追撃ビームはメアリーを当然のように避けた。
残念。
「せいやあっ!」
ドラーグが気合を込めると周囲に衝撃波が走る。
ドラーグに追いつきそうになっていたビームはみんな衝撃波に当たって爆散した!
「やっとしのげたぁ〜」
「パパ、次来る」
「ええー!?」
ひといきつく暇もない。
メアリーはすきあらばおかわりチャージで放っている。
雷神がドラーグのそれをみて盾を背中からが出した。
グッと構えて前に突き出す盾型に光ガードが前に飛び出る。
小さい結界みたいなものだ。
ビームに当たるとバリンと割れる。
だがビームも壊れた。
それで順番にビームを叩き落とす。
「……」
なるほどこのビーム貫通力はたいしてないのか。
剣ゼロエネミーは急いで地面方面へ。
適当に岩や崖に擦るように走る。
なんならたまに貫く。
そうすると追尾してくるビームたちは地形に当たって砕けていくのだ。
やっと振り切った!
雷神と剣ゼロエネミーが対処している間にドラーグが前に出ていた。
上に乗るコロロが槍を振るうたびに違う形の光が連射される。
弾幕対決ですごいなあ。
ドラーグからの連射で少しずつメアリーが削れていく。
お返しビームは追尾していなきゃドラーグが集中して避ける。
上のコロロが全部以心伝心してやりとりしているのだ。
大量のビームが来る中をわずかな身のよじろぎで避けていく。
普通ではやれるような胆力でも能力でもない。
コロロとドラーグ双方が完璧なやりとりをしているゆえだ。
「ナンデアンマリ当たンアイノオー!?」
「……!」
「ゲッ」
今度は私たちも復活だ。
雷神はメアリーがチャージした起こりを見てから確実に接近。
そこから切り裂いて行く。
剣ゼロエネミーは時折発生させようとしてくる電磁バリアに対して突っ込む。
切り裂いて電磁バリアを解き離脱。
無理しない。
どうせ相手もまだ全力じゃないからね。
ここで全部のカードをきる気はないから徹底的な妨害工作だ。
あまりに無法な強さを誇っていた相手でも少しずつ手札を崩せば見えてくるものがある。
「ヤダモウ、一方的ニアウトレンジカラ撃つノガイイノニ!」
「……!」
「そう、させません!」
メアリーの動きが崩れてきた。
チャンスと見てドラーグが両腕にエネルギーを集めていく。
体に生えている結晶たちが白く輝きだす。
雷神はナイフ1本投げた後大きな弓を取り出した。
当然メアリーもふたつに反応してすぐ全身からビームを放つ。
さらに巨大砲口も向けて……
そこに剣ゼロエネミーが突っ込んだ!
「エッ!? ッチョ、ドキナサイ!」
ブンブン振り回されるがスキをさらしたのはそっちである。
当然そんなことやっている間にナイフがメアリーに浅く刺さる。
雷神はビームをかいくぐりドラーグは翼でビームをガード。
双方急速接近だ!