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二百四十八A生目  踏込

 空だと踏ん張りがきかずあの大きな拳では殴られた勢いで結構吹っ飛ぶ。

 とはいえアヅキは空の民。

 やはり攻めるなら空中からのほうが強い。


「俺も手伝うぜ!」


 イタ吉がインサイドに踏み入る。

 それと同時にスーの歩みが変わりイタ吉の方へ逸れて。

 反対方向から違うイタ吉が来た。


「ン!?」


「おらっ!」


 イタ吉は……どちらも大きかった。

 いや違う。大きいイタ吉は1体しかいない。

 つまり……最初に踏み込んだイタ吉は影がブレて小さいのが出てきた。


 イタ吉が動くときはいつも小大小。

 それは型みたいなものだが……

 1度の交戦でわかるはずもない。


 そしてわかっていても対応を誤るように誘う。

 それがイタ吉の戦法だ。

 イタ吉ダッシュからの飛び込むような動きで跳んで回転し尾を振るう。


 尾は頭上から刃としてスーを捉える。

 イタ吉の尾刃は武器で覆っているので凶悪だ。

 しっかりスーが喰らい怯む。


 スーは崩れないよう体勢を直そうとするが。

 それより早くアヅキの拳が刺さる。


「いくぜ!」


「おう」


 イタ吉が追撃でさらに小さいのが集って引っ掻いていく!

 ちなみにイタ吉の引っ掻きは猫のそれじゃない。

 鋭い複数の斬撃を残して切り払う感じだ。


 スーは人形なので痛みに怯むことはない。

 だがイタ吉の攻めはそういうのを考慮に入れてある。

 痛みではなく気をとられ勢いに押され崩されるように。


「「オララララッ!」」


 イタ吉たちによるも隙間のないコンビネーション。

 さらにアヅキによる貫くような雷撃拳。

 挟むように叩き込んでいく。


 スーも負けておらず1手1手着実に防いでいく。

 だが防ぐということはきいているということ。

 スタミナはともかく腕もそんなにもたない。


「クウッ!」


「そこっ!」


 腕から嫌な音が響きガードがあまくなる。

 アヅキが拳をフックしてガードさせ……

 そのままの勢いで浮いて蹴る。


 月の弧を描くような美しい蹴り。

 鳥の足はほぼ恐竜みたいなものだ。

 凶悪な力と爪でスーをえぐる!


 地面に叩き付けられるスー。

 受け身を取った。やはり強いな。

 大イタ吉が尾の刃で刺しにかかる。


 だがスーは転がって尾刃は地面に刺さった。

 スーは飛び起きて背後に飛んで。


「待っていたぞ」


「何ッ!?」


 わざと気配を周囲になじませていたインカ兄さんがそこにいた。

 きょうだいはみんな出来るんだよなぁ。

 それにインカ兄さんも常に第三者視点で見られている気配は感じていただろう。


 わかっていれば気配を馴染ませることはできる。

 背景を注視する者はいないのだ。


 力をためにためていた兄インカ。

 兄インカのファイトスタイルは4足なので格闘とはまた違う。

 (エフェクト)が全身にため込み頭の上に生えている大きな槍針を構えて。


 踏み込む。

 まるで吹き飛ぶかのうような高速移動。

 フルパワーによる最高速度で低くかちあげるように!


 スーは完全に不意をつかれる形になり串刺しで……吹き飛んだ!






 一方同時期メアリー。

 空でメチャクチャな射撃を繰り返しドラーグと雷神の接近を許していなかった。

 全身からのブーストで空を飛び安定させつつの連射……


 もはやメチャクチャ過ぎてほうっておきたいクラス。

 剣ゼロエネミーもこっちに参加しているが攻めあぐねている。

 当然放置したら今度は地上が狙われるのでそれもできない。


「うう、こっちもできる限り遠隔しかけるしか!」


「ん、パパ」


 コロロが槍を構えるとドラーグも同時に構える。

 すると槍を前に突き出すと同時に(エフェクト)の弾を連射しだした!

 こっちも敵に負けず遠隔射撃だ。


 雷神も空中で激しいステップを踏みつつ槍に雷撃をまとわせる。

 こっちは連射じゃなくて……

 強烈な一射だ!


 剣ゼロエネミーもスキをみて連射。

 水弾はすさまじい威力はないものの無視はできないはず。


「ンモーッ!」


 メアリーは固定砲台……に見せかけて案外動く。

 全身のブースターにより小回りを利かせて立ち回ってきた。

 めっちゃ遠くまで動くというわけじゃなくて全体把握がうまい感じ。


 立体機動されるとわりかし避けられる……!

 もちろんこっちもそれ前提で詰める。

 徐々に敵被弾が増えてきた。


 とはいえ油断すると主砲をこっちに向けてくる。

 向けた瞬間には避けないと距離的に当たってしまう。

 剣ゼロエネミーは狙わないもののふたりとも明らかにヒヤヒヤしながら戦っていた。


「ウザッタァーイ……」


「くっ、本当に効いているのかな……」


「大丈夫、効いてるパパ」


 ドラーグにまた1つ光線が当たる。

 細いほうだからたいした被害はないけれど煙上がっている。

 そして敵のメアリーは反応が薄いけれどしっかり耐久力は削れているみたいだ。

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