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二百四十七A生目 近遠

 電磁シールド。

 それは何も寄せ付けない雷撃のバリア。

 触れるものを感電させ跳ね返す恐ろしい雷撃で……


「ッ!?」


 そこに一振りの刃が来る。

 剣ゼロエネミーによる斬撃。

 その攻撃だ。


 剣ゼロエネミーは雷撃吸収なんだよねえ!

 元気満々になりならが発生源を切り裂き。

 メアリーと呼ばれた方を斬ると腕が勢いで離れる。


「アアンッ! モウ!」


 色気より幼げを感じる声色で怒るメアリー。

 だが大事なことが起こった。

 電磁バリアが消えたのだ。


「今だ!」


「メアリー! 戦うシカナイミタイダ!」


「ヒドイワ、ヒドイワ!」


 どうこう言っているがメアリー側は急速に加速して空を飛び連続攻撃を避けようとしている。

 もう一方は腕の部分の音が変化していく。

 今までと違い細い拳からめきめき変わっていく。


 大きく分厚く相手を貫くための巨大な拳へ。

 えっまさか拳スタイルなの!?


「話通り、お前は俺が直接戦う方が良いようだな」


「何体来てモ同じサ、全員私とメアリーが倒すヨォ、アハハハハ!」


 アヅキは手甲を再度締めて拳を握る。

 もちろんサシではない。

 周囲はイタ吉たちやインカ兄さんも狙っている。


 雷神とドラーグたちはもう片方。

 距離を被弾しながらも無理やりとったメアリーの方についた。

 コロロの放つ弾幕の中無理やり防御しながら飛んで突破。


「おい! さっき俺のひとりがやられたのはそっち、メアリーの方だ!! 絶対目を離すな!!」


 なんとか離れたらしいメアリーは全身から雷撃を纏う。

 すると身体から多数の武装が湧いてきて…、


「スー! 行くワヨ!!」


 メアリーの全身から出てきたのはメアリーよりも大きな砲台。

 なんでだよ!?

 まあ空間魔法系で質量をごまかしているのだろう。


 凄まじく長い巨大砲塔は見た目だけなら美しい。

 エネルギーが瞬時にチャージされ淡く輝いた。

 ……放つ!


 それはまだ細いながらも光を束ねたような砲撃。 

 一直線に凄まじい速度で飛来する。

 みんなはさすがに来るとわかっていたので待避。


 地面に当たると閃光と共に爆発。

 土煙が巻きおこる。

 中心から半径数メートルの地面が吹き飛んだ。


 ……いやいやこんな威力の砲撃を速射するな!


「あれだよあれ! アレをやられたんだ!」


「ウーン、痺れる力ダネエ!」


 そして中心付近にいたスーと呼ばれた人形。

 両腕をクロスさせてスーの周りにバリバリとバリアが生まれている。

 腕を離せばバリアが消えた。


「小型だが、完全に防ぐか……!」


「私タチガ組んでイルノハ偶然デモナンデモナイノサ!」


「超相性ノ良いペアナンダァ!」


 なるほど緊急で組んだというわけでもなさそう。

 最初から作戦の1つとしてペア作戦があり……

 相性の良い戦闘長はもう完全に割り出されていたか。


 メアリーがさらに速射してくる。

 秒間3発くらいの砲撃とかシャレにならない。

 みんなも慌てて避けている。


「ちょっと、早く止めてくれ!」


「パパ!」


「はぁぁ!」


 ドラーグが急速にメアリーへと接近する。

 メアリーも動きつつ撃ってるとはいえドラーグのほうが早い。

 直接拳を振りかぶり。


「ヤ、ヤメテヨネ!」


 ……メアリーの全身から砲台が生えた。


「えっ」


 ず……ずるい!

 全身の砲台からドラーグとコロロ、それに雷神を狙うビーム。

 というよりもハチャメチャ全体放火でありもはや災害だ。


「わあああぁーー!」


「…………!?」


「さっきよりは細いし、射程も短いが……あんなことできるのか」


「余所見スル余裕ハアルカナ?」


「チィッ」


 アヅキの方もスーがいる。

 インカ兄さんはさっきまで殴られていた。

 全身の鎧みたいな針が頑強とはいえかなりやりづらそうに戦っていたのを見ている。


 イタ吉たちは高速で走り回り捉えられないようにしている。

 背後から迫り横から迫りと相手に選択を迫っている様子。

 実際アヅキに殴りかかりつスーはあいこちに意識が向いている。


 おそらく"鷹目"系のスキルで周囲を見ている。

 私の動きと似ているんでなんとなくわかるね。

 拳でインファイトするのは違うけど。


「ホラホラッ」


「オラッ!」


 スーは拳でのインパクトが強いし実際殴られればとんでもない威力が発生する。

 しかしスーは案外思いっきり攻めにいかない。

 ギリギリのところで立ちつつ狙ってくる。


 さらに足元への蹴り込みを織り交ぜている。

 自分がどこを見られているのかよくわかっているな……

 メチャクチャ困るやつだ。


 アヅキは逆に上空から攻めようとしている。

 が、いまのところあまりうまくいっていない。

 あの大きな拳で殴り返されるのだ。

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