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二百四十四A生目 終盤

 夜中の戦い。

 剣ゼロエネミーはさっきの雷撃をたっぷりもらった影響で剣からエネルギーをほとばしらせている。

 とはいえ夜中に戦闘長倒そうという気はない。


 人形たちって暗中でも普通に見えるっぽいのがわかっている。

 こっちだって夜に暮らす魔物たちは多いが……

 リスクをとって夜にしかけるメリットがあまりない。


 やはりソレよりは休ませたいのだ。

 そこを敵の夜部隊が狩りに来る。


 前日夜とは打って変わって激しい戦闘が各地で繰り広げられる。

 軍事的な大群の殴り合いではなく……

 強者たちによる削り合いだ。


 昼からずっと戦い続けているやつとかいるんだよね……

 互いに決定打がないわりに互いに回復が潤沢だとああなる。

 千日手に近い。


 本当の千日手と違うのはどっちかが先に()を上げるということだ。

 まあ……体力だけは無限ではないからね。

 人形だって毎晩メンテしているのを何度も見ている。


 やはり正面からぶつかってそのままの勢いで潰せなかったのが大きいだろう。

 メチャクチャ焦っているとも見えるが……

 同時に焦った程度でなんとかできる戦力をむこうが持っていて困る。


 戦略のために戦術変更をして来ているわけだ。

 こっちもリソースが削られる〜。

 向こうのリソースを削る時は昼のほうがやっぱいろいろ良いんだよねぇ……


 まあそこらへん決めるのは私ではなくジャグナ―たちだ。

 私は剣ゼロエネミーに頼んで夜の世界に踊る。

 さあ……全力のゼロエネミーを受けて無事な相手はいるかな?






 夜が明ける。

 今日も無事朝日をおがめた。

 使ったエネルギーを使い果たして再度電気魔法を使える魔物に充電してもらっている。


 オーバーパワーは無理でも過不足ない充電は可能だ。


 ついに3日目。

 朝からもう轟音が響きまくってるなぁ。

 ……はぁ。


 もちろんいい気分にはならない。

 つまるところメチャクチャ攻められているというわけだし。

 日が出た瞬間砲撃はもはや祝砲なのよ。


 もちろんアノニマルースが攻め立てられている側なので呪砲である。

 まあ……これだけだも状況変化は感じる。

 前までは大量の人員で押し切る戦術だったが……


 大砲は味方が近くにいたら使えない。

 つまるところ敵軍が引き気味なわけだ。

 大型人形も投入してくるかなこりゃあ。


 兵装の投入はこちらの籠城をこれ以上成功させたくないという意思が強い。

 正面門が敗れているとはいえそれで防御力がなくなる配置をこちらはしてないからね。

 あと最初からエリアを広めにとっておいたからとにかく防衛展開が楽なんだよね……


 敵側も広々とした空間でゲリラ戦を仕掛けられない。

 地理把握はこちらのほうが上だし。

 だとすればもう大型人形とか大砲とかで吹き飛ばすのが早いのは道理だ。


 これ以上時間をかけたくない。

 その思いは両方だ。

 戦闘長撃破は急務となる。


 もはや戦いは終盤に差し掛かっていると全体の雰囲気が物語っていた。





「戦闘長が、2体か……」


 アヅキがもらったデータ書をみながらつぶやく。

 今急務で潰したい戦闘長だが……

 なんか組んでいるのだ。


 前までは長として孤立していた。

 当たり前だ。船頭多くして船山に登るわけにはいかない。

 だがここにきて方針変更。


 今ガンガンアノニマルースに爆撃指示しているのがふたり。

 同じ位置において行動している。

 ……明らかに暗殺対策だ。


 もともと強い戦闘長が組めばもはや手がつけられない。

 こっちの軍を壊滅させかねないから該当地域からは下げている。

 そのために敵軍による進行を許している状態。


「だから俺たちフルチームでってことなんだろう?」


 イタ吉が腕を組み先を見据える。

 その先にいるのは敵のいるポイント……

 城壁のすぐそば。


「全員、弟からの強化と補助、鎧の装着は済んだな? 1度なら死ぬほどの攻撃もなしにしてくれるはずだ」


 インカ兄さんが手甲を改めて前足で踏み込みたしかめている。


「……!」


 雷神は力強くうなずいて。


「……ん、協力してたおす。わかった。パパ、いこう」


 コロロはまさしく竜騎士といった装いで短く変化させている槍を背負う。

 ……背後から轟音がとどろく。

 みんなは気にすることはしない。


「お待たせしました!! 大型は僕が相手します!! 行きましょう!!」


 ……さてさて。

 ドラーグがやってきて形がやっと見えてきただろう。

 会話が通じているということに。


 なんと。今朝ついに会話が通じるようになったのだ!


 おそらく今頃修復を終えた研究員チームは死屍累々でホルヴィロスに治療を受けているだろう。

 だがこの偉業こそ本当の祝砲。

 やっと全員の翻訳がリアルタイム化して受信機をフルで利用できるようになった!

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