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二百二十四A生目 手数

 アカネは全身の武装変化を解いて次の姿へと移っていく。


「やったのか!?」


「さすがにまだ!」


「ナルホド、位置縛り、コレハ厄介ダネエ」


 追撃で剣ゼロエネミーを差し込む。

 大きく何度か斬ったがうっとうしい虫を払うかのように腕を振るわれた。

 すると遠く弾き飛ばされる。


 もう結界を張り直した……!


 貫いた刃の傷はしっかり人形へと入っている。

 白衣は無惨に裂けて内部にも傷が。

 ただ平気そうならあたりまだまだ耐久力がある。


 また風の魔法が吹く。

 ただし今度はさっきと型が違う。

 それに狙われたのは……


「俺かっ!」


「私を無視するとは!」


「面倒ナ方ヲ殺すノハ定番ダガネ」


 ダカシは魔法を唱えつつ素早く飛ぶ。

 風が目に見えるほどの(エフェクト)エネルギーで吹きすさぶ。

 ダカシを追いかけるそれは明らかに触れると危険な気配があった。


「落ち着け……しっかり防ぐ!」


 剣で身を隠すように構える。

 シールド(エフェクト)も貼られたから防御系スキルだ。

 ゴウと風がダカシの全身をなめる。


「ッア!」


 それはもはや爆風にも等しかった。

 防いだ上からダカシの体全体が圧力で曲げられる。

 下手な切断よりだんぜんえげつない。


 ダカシは必死に受け流し風を断ち切る。

 痛そうだがまだ戦える。

 次々くる魔法の脅威がアカネとダカシ双方を襲っていく。


 アカネが結界を巨大ヒザで叩き割りつつ敵に近づけないか工夫していく。

 人形も工夫して近づけないように結界を貼るがアカネは速い。

 明らかに対処してきている。


 さらに。


「それっ!」


「厶! サセンガネ!」


 接近する……と見せかけて一気に後退した。

 距離魔法での呼び寄せ効果狙いだ。

 アカネの背後に結界が貼られ止まる。


「うっとうしい!」


 アカネの体形変化。

 今度は長い爪で引っ掻いている。

 どの攻撃が結界に1番有効かはかっているらしい。


 ダカシは魔法に翻弄されつつもどんどんアカネを強化していく。

 アカネへ強化魔法を放って自信は剣で必死に魔法を切り流す。

 喰らっているからなんとも苦しい立ち回りだ。


 しかしダカシはダカシで魔人なのだ。


「いけるか、ラバー!」


 ダカシが自分の内側へと呼びかける。

 するとダカシの力の圧が一気に高まっていく。

 皮膚の色がのぼせるように赤く染まり皮膚に魔力が走る。


 ダカシの気配が変わると同時に剣の帯びる力も変わる。

 魔力を帯びて赤く変色しだしている……

 ピンクとも言う。


 構えて斬ったら氷の冷気を切り裂き風の勢いを削ってギリギリ避ける。

 さっきまでの単なる剣では起こりえない現象だ。

 それに傷が見るからにふさがっていく。


「よし、良い感じだ!」


「ダカシ、ラバーちゃんは言うこと今日はききそうなの?」


「調子が良い。なんでなんだろうな、まだ恋とかそういうのに答えは出せてないんだけが……」


 ダカシは難儀していてもなんとかする持ち前の精神的タフさがいきたようだ。

 剣ゼロエネミーは相手の意識の隙間を縫って結界を裂いていく。

 傷が入る程度だけれど無視のできない攻撃は人形側もうっとうしそうだ。


「面倒ダガネ、マダ何か仕掛けソウダシナ……」


「ああもう、私は近づけもしない!」


 そしてアカネは攻撃される魔法を無理やり肉体変化で乗り切り。

 各地の結界に阻まれ自由に動けないでいた。


「アカネっ! もっと手数増やすんだ、こっちはふたりとひとつじゃあ、いくらなんでもキツイ!」


「ええっ!?」


「アカネ、お前は手数を増やすこと、できるだろ!?」


「ああー……それもそうか、もう!」


 そしてここで意外なシナジーが見えた。

 ダカシがアウトレンジから指示を出しアカネが目の前の相手を攻撃することに集中するということ。


「何かスルカネ?」


「上だ! 避けろ!」


「だらぁ!!」


 アカネも有効とわかっていて口答えするほどこの戦いがヌルいとは考えていない。

 全力で体をいれかえつつ情報から来る氷塊を避ける。

 どれも身を裂いて中まで凍てつかせるような強烈な冷えを感じられる。


「今度はこっちの番。そらあ!」


 アカネは唐突に自身の髪を伸ばす。

 そして手を鋏のように変形。

 ざっくりと髪の毛を切りはらった。


 はらはらと舞っていく髪の毛は次々と勝手にまとまっていく。

 そうして6つほどに分かたれた部位は……急速に膨れ上がる。


「「私が相手だ!!」」


 そして生まれるのは6体もののアカネ。

 それぞれ違う形違う場所になったアカネ。


「分かれ身カネ!」


「御名答!」


 たくさんのアカネが結界を蹴り殴りうがち溶かし噛み燃やし締めた!



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