二百五A生目 来襲
人形の側まできた。
人形側は解呪を諦め一部をパージし拘束をといている。
「クッ、私タチナラバ生物精神の汚染を気ニセズ戦エルノニ、コノ呪縛は行動を縛ルノカ……！」
あっそういう効果なんですね！
ローズクオーツの顔がそれを物語りつつも黙した。
私も思いはしたけれど相手にしらせる義理もない。
人形もスカイナイトの接近に気づき射撃装甲を諦めた。
パーツがいくつか開き装甲が剥がれ落ちると同時に人形単体で飛び出す。
すると人形を縛っていた呪詛は無抵抗に破れた。
「ナルホドッ、装備の類を選別シテ封印シテイタノダナ！ ダガ残念ダッタナ、私はオプションパーツが無クトモ戦闘可能機体ダ！」
そ……そうなんだ！？
ローズクオーツはよくその言葉を飲み込んで構えをとったと思う。
いやだって……本当にしらないし……
ローズクオーツのというかスカイナイトの構えは様になっている。
片手で持った漆黒の呪詛が浮かぶ剣を前に。
半身をそらし直線に。
そうすると相手からは肉厚の剣でほぼ上半分見えないのだ。
これは確かに防ぐための剣と納得できる。
「引いてくれたりは、しませんよね！？」
「当然ッ！ ココデ私がオ前を討ち取ル！！」
人形が一気に加速し地上を蹴り空中に上がると足裏からブーストして空に飛ぶ。
「ハァッ！」
「受けます！」
がっつりとつばぜりあうスカイナイトと人形。
大剣と腕ブレードの光がぶつかりあって火花を散らす。
「ううっ！」
弾かれたのはスカイナイト。
人形自体が強い！
すぐにスカイナイトが下がって致命を避ける。
危険を感じですぐ剣ゼロエネミーがさしこむ。
剣と腕ブレードが鋭く交わり弾いた。
「チッ、浮遊剣か」
「助かりました！」
強烈な力の持ち主はまともに斬り合わず弾くに限る。
今度のぶつかり合いはちゃんとスカイナイト側が剣を振るい弾いた。
パワーが強い分見ため小回りききそうだけれどいうほどはやくない。
しっかり大きなモーションを見てはじき返す。
それをローズクオーツは出きていた。
「たぁ！」
そして剣ゼロエネミーもそれに合わせてもらう。
弾くときに横やりを。
こっちに向かってくるときはわざと攻撃を誘って避ける。
そのうえでローズクオーツに斬りこませた！
「チイッ」
さすがに巨大な剣に斬られれば人形もダメージを無視できない。
ただそれでひるむような造りでもないのだ。
すぐに高速軌道に入り攪乱するよう飛び回る。
「は、早い！」
「悪イガ、コッチが本業ナンデナ、遠慮ナク行カセテモラウ！」
素早い蹴りこみと斬撃。
空中を自在に駆け回りながら自身を弾丸にスカイナイトへ襲い掛かる。
もちろんこっちにも忘れずに。
ただ剣ゼロエネミーへは徹底的に妨害に徹した攻撃の出し方。
おそらくスカイナイトへの攻撃を防がれるのが一番されたくないんだろう。
「わっ、あわっ、は、はやい！」
全部は防ぎきれずスカイナイトにチマチマ攻撃が当たる。
振るった刃の力はスカイナイトが操っているから外しはしないんだけれど……
向こうの高速軌道は当ててくる前提で力により弾き飛ばしている。
「終ワリダッ！！」
振り抜かれる腕。
狙うはスカイナイトの首。
ブーストの反動で勢いをつけその最高著でブレードを生やした腕を横に広げる。
あれは、弾けない！
「ブースト ラリアット！！」
大剣ごとえぐるように腕が入る。
そのままキレイに入り……
剣を押しのけ首にかかる。
光がまたたきないで。
ラリアットがふかく入り……
首が吹き飛んだ。
「ハァッ！」
どうなった！？
通り過ぎた人形はともかくスカイナイトは……
そのまま立っていた。
ただ頭がない。
空に舞っていた。
「あぶないっ」
ローズクオーツが中から飛び出す。
そして頭を受け取って……
すぐにはめ込んだ。
「骸骨の首はしょせん取り外せる、か」
「大丈夫ですか！？」
「ググゥ……」
あの人形かなり強い。
スカイナイトが遊ばれている。
「わたくしのエネルギーを少し回すので、それで戦線離脱してください！」
スカイナイトにローズクオーツが少しエネルギーを譲渡する。
それでスカイナイトが戦線離脱しようとして……
「させるかよ！」
また高速機動が始まり。
「させません！」
「グッ！？」
叩き落とす。
ローズクオーツが背中からキラメキを噴出しながら人形をぶんなぐった。
すれ違いざまの１撃。
ローズクオーツの伸びる腕は一種の初見殺しだ。
硬質な腕が伸びて石での打撃。
人形も思わずひるんでしまった。
そのすきにスカイナイトは加速して離脱。
ここにきてやっと戦いが始まった気がした。
「ヘェ、ヤルジャナイカ……中ノハオマケカト思ッテゼ」
