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二百四A生目 操縦

 煙の中からローズクオーツたちが飛び出す。

 間一髪爆発の中心から逃れ自分も吹き飛ぶよう風に乗った。

 それで衝撃と炸裂から逃れていた。


 もちろんそれで全部のダメージをなくせるわけじゃない。

 それでも煤まみれになったとしても戦い続けられる余地が残っていた。


 スカイナイトは生まれたてのアンデッドだ。

 正確には生まれたの自体はそこそこ前だけれど稼働したのが本日。

 なのでどれだけ強くても不足しているものがある。


 それは経験。

 主であるユウレンは別にバトル慣れしていないし……

 そうだとしても本体が積む研鑽に勝るものはない。


 能力の高さはもはや折り紙付きだ。

 私から共有された多数の経験をレベルにしてユウレンが得てそれを全力でそそいで作られている。

 だから強い。


 しかし今も斬ったのが爆発するとして即内部から操作したのはローズクオーツ。

 決定的な戦闘カンの差が生まれていた。

 つまるところ優れた機体ではあるが優れたパイロットはスカイナイト自身はまだなりえないのだ。


「次弾きますよ! あっちの方向、あのお人形さんですね!」


 そういう連続した判断をスカイナイト自身はできない。

 だからローズクオーツがスムーズに動き出すのにスカイナイトの顔が少し驚いているように見えた。

 骸骨だからわかりづらいけれど……そりゃあなんたって意思があるのだから。


 すさまじい勢いで迫る弾丸たちをスカイナイトはすいすい避ける。

 爆発するのがわかっているから向かいながらでも避けられるのだ。

 そういう超反応のようなものはスカイナイトの性能で行える。


「キミ強いけれど、敵も面倒なほどに強いみたいですね! コース変えますよ!」


 だから避けるためじゃない動きならローズクオーツが制御する。

 いきなり進む道を切り替えた。

 

 ぐるり敵に向かって縦ロールしたあと風のあおりを受けるように方向を切り替える。

 避けるだけなら必要ないかもしれない軌道だけれど。


「よし、この方角いいですね! もう一回さけんどきましょう!」


 横に移動し続け前進を織り交ぜた行動で攻撃がふと散発的に。

 そして真下にさっきと別の戦地。


「キエエエエエエエェェ!!」


 また相手たちが耳を抑えバタバタと倒れていく。

 スカイナイトじゃはその効果に驚いていた。

 行動にいくつもの意味を持たせたということに。


「やっぱりここ、向こう側から死角が多くなりますよねー、なんとなくそうじゃないかって思ったんです!」


 そして地形読み。

 それと動きがブレたことによる狙い外し効果もあるだろう。

 機械的に避けれたとはいえずっとよけ続けるのは困難なのだから。


 なにせそれを人形側が合わせてくる。

 そういう相手読みをまだスカイナイトは全くできていなかった。


「続けます! ええと他にも武装は……」


「シャァァァ……」


「あ、そんなのが!」


 この子皇国語は喋らないのかかわりに漏らすような音で意思を伝えた。

 骸骨のローブ内から新たな部位が現れる。

 それは肩の位置当たりから生えた砲口。


 見た目だけでいえばそれは獣の口。

 しかし良く見ればガッチリと組み合わさり吐き出す力を加えられるようになっている。

 射出するものは……


「撃つタイミングは……今です!」


 光をうちはなつ。

 そのまま飛び出していくそれは思ったよりも速い。

 向こう側に着弾すると……


 紫のおぞましい色をした光が一瞬広がった!

 複雑な呪印が浮かび上がり向こうの方からの射撃が止んだ。


「こっちも爆発玉なんですね!あれって一体どういう効果があるんだろう……」


 素早く飛んで近づく。

 すると遠目に状況が見えてきた。

 そもそもかなりの距離移動したのにまだ距離あるのが驚きだ。


 そこにいたのは人形。

 それ自体は想定内だが人形からパーツが伸びるように地面へたくさん物が設置されている。

 最終的に巨大な砲台に伸びていた。


 あそこから放っていたのだろう。

 ただ……それ以上に目立ったのはそこに多くの呪印が。

 まるで帯のように連なり縛り上げている。


 人形が明らかに動きを制限されていた。


「なるほど! ああやって相手の動きを阻害する効果なんですね! 徹底的に相手のことを弱めることに特化していますねー、ほかには……?」


「ギュゥ……」


「あ、まさかその感じ……ほかの兵装は未実装ですかっ! まあ、まだ完成していないのを動かした感じでしたものね!」


 兵装3つ。

 それがスカイナイトの現状だった。

 単発の砲撃。呪いの叫び。身を守る剣。


 それでも急ごしらえとは思えないほどに動かしているのだがこの環境だとまだまだもどかしいことこの上ない。

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