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百八十A生目 決着

 一斉に飛んできたたくさんの射撃を伏せて避ける。

 やはり正確に狙えるわけじゃないらしい。

 弾丸やらビームやらは私達のいた方向へ殺到したが並行に飛んでくる。


「っく、これでは近づけない!」


 グレンくんが刀で飛んできた矢を払う。

 たしかに連続で飛来してくるものを対応していては進めない。

 だから私がここは道を切り開く!


 地魔法"クエイク"で揺らして閉じこもっている人形ごと岩壁を激しく揺らす!

 逃げ場のない場所でこれは効果的だろう。

 さらに!


 (くう)魔法"ミニワープ"!

 改良版で近くにいたみんなを岩のそばに飛ばした。

 岩の中はみっちり人形がいるのでスペースなしだ。


 念話能力でこっちがやることは伝わっている。

 みんなは驚くこともなくむしろもう振りかぶっていた。

 強襲(きょうしゅう)というやつだ。


「はあぁっ!」


 地震魔法のあとに力を込めた4つの連撃。

 あくまで道具により作っただけの岩壁が壊れるのは一瞬だった。


「クッ……!」


「覚悟しろ」


 クライブの巨大な剣が大きく追加で岩壁に大きく穴を切り崩してつくる。

 グレンくんが真っ先に出来た穴へ飛び込み内側から大暴れ。

 斬撃が飛び交い人形たちの近接攻撃を受け止めたり防いだりもしつつ(エフェクト)がきらめいて斬り飛ばし。


 ホルヴィロスがいつの間にやら上から毒を浴びせまくっている。

 何の毒かはわからないが(エフェクト)があるから敵味方を判別した攻撃だ。

 あれは『毒という毒』を作るのに向いている。


 ここには世界に脅威を与えた相手がのこり5体『も』いる。

 本来は。

 本来はここまで攻めたてられるものじゃない。


 けれど一方的に攻撃し続けている。

 たぬ吉が人形の射撃の逆に植物ビームを放って大爆発を起こしている。

 魔法なので味方マークして有るから巻き込む心配はない。


 私はアーチラリの職業スキルを使い魔法を練り上げる。

 広範囲に狭い技をぶち当てるためのスキル。

 本来は個にあてる高威力魔法。


 土魔法"Eディストラクション"!

 局所的な地割れを引き起こし揺れる魔法。

 しかし今はアーチラリの"発射!"を使い範囲を敵全体にしている。


「うおっ!」


「ローズその魔法は!?」


「足場が不安定になるから、気をつけ、て!」


 私が魔法を放つと岩場が一気にゆれだす。

 さらに地面の(エフェクト)が生えてきて割れて跳ね上がっていく。

 1つ1つが敵へ与える高威力の魔法だ。


「ヌアッ!? 足場がッ!」


「シマッタ!? コノ狭サデは逃ゲラレナイ!」


「「ウアアアァァ!!」」


 岩壁ごと巻き上げられた人形たちを見る。

 重大なダメージだろう。

 さらに驚きつつも前衛ふたりが高速でひび割れ地面を足場に跳び回る。


 逃れようとす人形を剣で叩き込み戻しまた魔法の威力を与える。

 片側だけ使える足場っておもったより影響大きいね。

 ふたつの閃光がクロスして人形たちが全てまた地面へ叩き落される。


「おかえり」


 当然待ち受けるホルヴィロスは生易しくない。

 さっき作った毒のエリアにもうひとつ赤光(あかエフェクト)毒を投げ込んだ。

 それは今までとは雰囲気が違う毒で……


 急速に毒エリアの毒を飲み込む。

 同時に一瞬で拡大して光が生まれる。


「まじか」


「「ワッ」」


 ドオオォォン!!

 腹の底に響くような大爆発。

 みんなの動きは念話で共有しているから揃って耳を塞いでいるからいいものを。


 化学反応ならぬ魔学反応。

 毒または薬のエキスパートならではの戦い方だよほんと。

 そして吹き飛んだ相手に油断なく控えていたのはたぬ吉。


「ファイアー!」


 4つの花とたぬ吉自身が再度使い捨て覚悟でビームを放つ。

 最大瞬間火力を考えるならこっちのほうが上だ。

 継続戦闘火力を考えると花の再接地やチャージを考えれば絶対3つまでの魔法のほうが上だが。


 ただ5本分のビームはたしかに相手へ伸びていく。

 爆発で各々別方向にふきとんだが……

 全て向きを変えたビームから逃れられていない。


 1本1本がしっかり相手を捉え奔流が呑み込んでいく。


「バカ……な……」


「ガァ……!?」


「アァ……!!」


 滅びる力。

 たぬ吉が放ったその光は確実に人形たちに。

 不可逆なダメージを与え砕け散った。




「「危なかったあぁ〜〜……」」


 全員が倒れ込むように床に座る。

 今回はまさしく命からがらだった。

 安全をチェックし終えるまでの緊張感はこれまででトップである。


「壊れた人形たち、亜空間にしまっていたけれど平気なのか?」


「うん、少し魔法いじったらいけそうだったんで、時間が止まる環境に入れておいた」


 人形たちは万が一復活してもいいように拘束しつつ(くう)魔法"ストレージ"にしまっておいた。

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