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百七十A生目 模倣

 ホルヴィロスの身体はコア的な内臓以外が瞬時に回復する。

 あれは毒沼からのエネルギーでやっていた。

 だとすればたぬ吉のものはあくまでデッドコピーだろう。


 無限復活ではなくあくまでハッタリをきかせられるだけ。


「まあ、そんなに持たないんですけど……!」


「ああ、なるほど、びっくりした……」


「それでも穴だらけからすぐ戻るのはとんでもないけれど」


 たぬ吉とそのゴーレムは結局真正面から突っ切って接敵した。

 こうなると逆にレーザービームは当たりにくい。

 近距離からふんだんに大きな種みたいなのをぶつけて叩いている。


 とにかくみんなで有効打を叩き込んでいく。

 硬いところは頭と腹と背中全体的。

 腕や足は攻撃をいなされるという意味で硬い。


 通りやすいのは内臓の関係で硬いがダメージは通りやすい胸とか……

 首元の逆鱗付近とか。

 それに関節部は攻撃をいなせないし稼働しなくちゃいけないので通りやすい。


 実際鱗を壊せたのもそういうところだ。

 それでもたいしたダメージを通せないのはとにかく生命力が高いから。

 巨体はそのまま生命力の大きさに繋がっていく。


 とはいえさすがこのメンバーだ。

 総戦闘時間は5分前後だけれどもうだいぶ削っている。

 まあ私達クラスだとそもそも1分間で普段の数十倍動くので短いわけではない。


 体感時間は数十分か1時間か。

 あるいはもっとかもしれない。

 だが激しいやりとりにも終わりは来る。


「またエネルギーが集まってる!」


「くそっ、止められるか……?」


 グレンくんとクライブが指摘した通り相手のエネルギーが急激に高まっている。

 このままだとまたドラゴンブレスされる。

 麻痺した翼をもがくように無理やり動かして距離をとっていく。


「ど、どうしましょう! 焦ってるのか、こんなに撃っても取りやめません!」


「うわあっ!? まだそんなに動くなんて!? 感覚すら翼はないはずなのに!」


「それでも前よりはだいぶ速度が落ちている……!」


 クライブたちが食いつこうとするもののだんだんと速度が乗ってきて距離を引き離しにかかる。

 巨体だからなあ……

 私は追うよりやりたいことがある。


「ローズ、結界を……」


「大丈夫、みんなちょっと下がって」


 素直に後退するのを目で追いつつ準備を終える。

 みんなは結界展開だと思っているが今回はそもそも受ける気はない。


「ローズ、来るよ!」


「コピー、出来た。偽再現(なんちゃって)魔術……」

 

 私は前方に前足をかかげる。

 光集う叡智。

 邪智なる相手焼き払う宇宙の極光。


 無たる空間を汚染せし生物この一息で焼き払わん。


「え、何を?」


「ドラゴン、ブレス!」


「ギャアアアアアッ!!」


 向こうから光が降り注ぐ。

 それらは一瞬にして私達を焼くだろう。

 だがそれは迎え撃つものが何もなかった場合。


 私は前にかざした前足にぐっと力を入れる。

 それだけで全身から光が溢れ出す。

 そうして……迎え撃つように閃光が放たれた!


 私からの閃光と向こうの極光。

 ソレは共に大きくひろがって……同時に噛み合う。

 光と光の衝撃。


 ぶつかりあった衝撃でたくさんの星のようなきらめきが辺りに散る。


「き、きれい……」


「ローズすごいね、こんなことも出来るんだ!」


「相手の技を使えるのか?」


「あ、見てください! 動きますよ!」


「はあああぁぁ!!」


 私が力を込めてさらに輝きが増す。

 光の閃光が相手の極光を飲み砕いていく。

 同じ技でも同じ能力じゃないのだ。


「ドラゴンブレスが……ドラゴンじゃないのに使えるなんて……」


 グレンくんがそう呆れたようにこぼした。

 まああくまで真似だからね。

 それぞれの深奥とか秘奥とも言えるような……それこそドラゴンロアなんかは無理だ。


 だけれどもそんな使い手が限られるものではなくドラゴンブレスくらいならばいける。

 その証拠に輝きが相手の奔流すら飲み込む。

 光の濁流はもう止まることがない。


 私が喰らったスキル。

 光が飲み込んだ光。

 その先にあるのは……銀河のドラゴン。


「ギギャアアアアアア!?」


 強すぎる光はときに体すら消し飛ばす。

 銀河の竜がそれに飲み込まれ悲鳴を上げる。

 あたりに響く重い音と共にあまりにキラキラした何かが散っていった。


 そして……光が消えたところでは何も残らなかった。





「すごい……まさかの力勝ち」


「デタラメだな」


「きれいですねぇ……」


「みんな、傷は大丈夫?」


「それは私がなんとかしておいたよ。それよりもローズは大丈夫かい? あんなでかい技放って」


「ああ、それは大丈夫、制限付きだから負担は軽いんだ」


 まあ色々とあるからこの魔法が成り立っているともいえる。

 制限多いほうが強くなるし。

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