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百三十九生目 稽古

重複部分を消し、ただしい更新位置までちゃんと更新しました 2023/07/10

 彼の動きとスタイルをコピーした。

 しかもそれだけじゃない。


「隙あり!」


「ぐわあぁ!? そ、その魔術はまだ使ってないはず……!?」


 私は彼の真横で竜巻を少し解放。

 風の渦がマルケルを巻き込んだ。

 先程の全力解放とは違って太く巻き込むような旋回にマルケルは対処しきれず吹き飛ぶ。


「偽再現の真骨頂、相手の使ってない技を暴き……そして!」


「ぐっ! お、おかしい! 同じ動きなのに……技量も使い方も、全然違う!?」


 なんとかすぐ立ち上がってマルケルだが私の連撃にタジタジ。

 さらに反撃でいえば盾の魔術発動で槍を逆に跳ね上げられ隙を作られる。

 マルケルと同じ型だが……同じ動きしかできないわけじゃない。


「私の学びで、キミの魔術たちをさらに変化させられる!」


 力量でいえばこの状態でもマルケルを一瞬で斬り伏せられる。

 それでは訓練じゃない。

 だから私は彼に1つの未来を見せる。


 無数有る選択肢の中で彼の広い未来への道をわずかに見せる!


「これは貴方の力ではない、けれどあなたになるかもしれない力。まったく本物とおなじような、けれど偽物だからこそ試せる先の未来。これが貴方の糧になりますように」


「……はいっ!」


「轟け、槍と盾!」


 私は槍と盾を覚醒させる。

 そして鳴り合わせた後突撃し……

 盾で相手の盾をぶん殴った。


 それで怯んだところに地面へ向かって風を放つ。

 高い火力をもつそれではなく……私とマルケルを浮かすための。


「いっけえええ!」


 そして盾の力で周囲に岩が浮く。

 私は風の槍を推進力として動き岩を蹴ってぶつけていく。

 見た目はタダのそれでも蹴りと風の相乗効果を持ちつつ魔力の塊。


 当たって爆散しまくり……やがて。


「ガハッ!?」


 決定的な隙がうまれる。

 私はジャンプと推進力だけで真上に陣取っている。

 普段の飛行能力は使っていない。


「収束し、つらぬけ!」


 私は槍に命令して竜巻の風を一気に変化させる。

 巻き上げる竜巻は収束して下から。

 槍から放たれる竜巻は上から。


 マルケルを中心に双方から全てをうがつほどの圧力をかけて。

 そして私が盾を突き出し降りる。

 凄まじく重量をました……一撃!


 魔力同士が反応を起こし嵐が吹き荒ぶ。

 周囲一体が爆発的エネルギーの光に包まれ……

……るかと思って先に結界ひいてあるので平気です。


 ドゴーン! と吹き飛んたマルケル。


「「マルケル!!」」


 私は残身してそのあと魔法を消す。

 さて。


「うっ……あれ? なんともなってない? でもさっき確かに……」


「まあ、訓練だからね。死なないようにしたし、なおかつ回復も終わらせたよ」


「ええっ!? ほ、本当だ、体が軽い!?」


 マルケルは飛び上がって快調をしめす。

 "峰打ち"あるから私がやりすぎる心配はない。

 "峰打ち"は副次的な効果で火力を落とす範囲も選べるからね。


 もちろんしっかり回復済み。

 攻撃しながら治していたし。

 そしてその事実に気づいたのか生徒たちがじわじわと違和感に気づき騒然となっている。


「あれ……結界も途中からはっていたぞ?」


「それに、間違いなく治療もしている!」


「なにより、あれは俺の力……うおおっ、なんだかいまならさっきよりずっと行ける気がする。まるでいままで暗闇の中、歩いていたみたいに、一気に視界がひらけて、まるで初めてこの力を手に入れたときのように……うおおおおっ! 誰でも良い! 手伝ってくれ!」


「えっ!? 何!?」


 どうやら良い火付けになったらしい。

 たとえ覚醒できたとしてもそれを活かして強くなれるかは彼次第。

 別の練習場に駆けていく彼の姿を見送った。


「ローズオーラ先生!? 今の光は!? 轟音は……」


「あ、大丈夫です。軽く稽古しただけで。ほら、なにひとつ壊れてませんよ」


「ええっ!? いや、まあ物が壊れるのは仕方ないのでどちらでもいいのですが、大丈夫かと慌てて来ましたよ」


「ベン先生! その先生やべーって! なんでもやれて、しかも傷1つなくすし! いやあ、現役冒険者ってこんなに動けないと駄目なんだなぁ」


「ローズオーラ先生、いくつ同時に魔法が使えるの!?」


『おお……よくわからんが、大人気だなローズオーラさん。その調子で頼むよ』


「ええ。みなさん、鐘がなるまでどんどんいきますよー」


 ある意味ベン先生とは対極的な教え方だ。

 ベン先生は言って聞かせやって見せてカタチにする。

 私はより実践的に踏み込んでどつきあいのなかで伝える。


 きっと期待されているのはこんなことだろうと新たな子へと向かい合うのだった。


「いきます! 純魔です!」


「はい、よろしく」


 その日の授業は好評なまますすみ……

 好評ゆえにさらに補助を頼まれたりして。

 多くの生徒が覚醒し新たなる学びを得られたとか。

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