百十六生目 信者
振り回すロボットアームと振り回す刃。
力が同等ならば技の冴えがあるほうが勝つ。
クライブの剣と黒い刃があたり一面を破壊している中。
ノーツは前に出すぎるとロボットアームに掴まれてしまう。
それを適度に助けつつノーツが全部焼き払っていくのを助ける。
そして……私は電気魔法の準備をしだす。
"エレクトロトラップ"をあたりに撒く。
電撃の機雷だ。
2つ以上つくるとその間から雷撃が走る。
そして"チャージボルト"で周囲にエネルギー充填。
銃ビーストセージを杖として使いブースト。
10ほどの電気機雷をばら撒いたあとに……
私はこの魔法を使う。
[エレキストーム 雷撃の竜巻を放つ。竜巻は周囲のものを巻き込む]
この魔法そのものは光で出来た雷の竜巻がバチバチに音をたてながら発生するという言ってしまえばそれだけの魔法だ。
威力範囲ともにまあまあでしかない。
しかし追加効果がある!
私の電撃も。
周囲の電気機雷も。
「吸って、大きくなって!」
セットに時間がかかる分。
この魔法は局所的に大きな役目を持つ。
「なっ、なんだこの威力は……」
「いけぇ!」
そして吹きすさぶ大嵐となる。
もはやそれは渦巻く雷鳴。
輝きが溢れる場所はむしろ暗くなっていく。
光すらもその竜巻は……嵐は貪欲に飲み込む。
一瞬にして突っ込んでいくロボットアームを弾き。
そして食らう。
電撃のような蒸気エネルギーが壊れたロボットアームから溢れて嵐は肥大化する。
銃弾も意味などない。
ショートギアは逃れようとして引き込まれて行く。
もはや一種の地獄絵図だ。
それでも新たに生えてきたり残った耐久力で無理やり攻めてくる者たちを3にんで排除していく。
あっっつつい! それだけが敵だ!
こちらの飽和攻撃は確実に通用している。
もはや城のあちこちを破壊しながらの前進。
クライブにはなるべく傷を負わせないようにして私が銃弾なんかはイバラで受けて弾く。
壁や床がめくれあがるような勢いで電気嵐が巻きおこっていき。
そのままスター本体へとぶつけた!
「ぬああっ!?」
「よし、今だ!」
私とクライブは一気に飛び降りる。
残ったハッチは2つ。
イメージ共有して向かっていく!
「さぁっ、させるかああぁぁぁっ!!」
スターの声が低く響くとまた大量のエネルギーが放たれる。
2回目!?
「あ、やばい飛べない!」
私の飛行は魔力依存。
扱えないと落ちる……!
「なんだ、ローズ!?」
クライブが足場から手を伸ばすが……
ギリギリ届かない!
「製作者ローズオーラ」
そして爆破。
連続で爆発していくそれはノーツが全力でスターの魔力飽和装置への猛攻。
「させぬうううぅぅ!!」
「全リミッター解除、救います」
「ノーツ!?」
ノーツが一気に加速しスターのロボットアームたちが守っているところへ突撃し巨大で蹴散らす。
そして……
その近距離で銃を槍のように射し込む。
「全力」
「馬鹿なあああぁぁ!?」
轟音が響くと共に身体が軽くなる。
あの距離の爆発……大丈夫だろうか。
生きているのは繋がりでわかるが……果たして。
そのまま飛びおりていくと当然今までにないほどに妨害が多い。
しかもサウナなんて目じゃないほど暑い。
普通に身が燃えるほどの熱。
『クライブ、大丈夫!?』
『生きて帰るペースは残してある』
ほんとギリギリだなあそれは!
私は火のダメージは無効化できる。
なんとか底までたどり着きロボットアームと銃口をあらゆる武装で吹き飛ばす。
ハッチを開けて中へ。
そこには……
「絶対負けるわけにはいかぬぅぅ!! 我が神を、この地に降ろすためにはぁ!!」
「絶対ろくな神様じゃないでしょ! キミはニンゲンのために造られたのに!」
今まで見たことのない色合いと装備をしたショートギアがいた。
どうやら最終強化段階といったところ。
私の方に向かって銃弾の嵐。
ゼロエネミーが大盾となってそのままショートギア前まで詰める。
こんなところで時間かけるわけにはいかない。
クライブも到達して切り結んでいる。
ショートギアのつけたした6腕から繰り広げられる連撃をなんとか屈んで避けてから尾で1撃。
下段からの奇襲に足元を掬われたショートギアは軽く浮く。
「何!?」
イバラを複雑に叩き込んで空中でお手玉し地面へ叩きつけ。
イバラの先が枝分かれして武技"猫舌打ち"。
そのまま"拷問払い"で滅多打ちした!
「やああぁ!!」
「ぐふっ、我が神、げっ、負けぬ、ぐふっ」
「その神様が何を吹き込んでこんなたちの悪いことにしたのかわからないけれど……正気に戻ってもらう!」
「不信者……めっ!!」
ショートギアが腕をパージし拘束を無理やりほどいた!?