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百十A生目 吸引

 ええと"観察"!


[ショートギア Lv.1(強さ製作者依存) 比較:普通 危険行動:チャージビーム]


[ショートギア 超巨大魔導機関により制作された対敵対者用撃退ユニット。ゴーレムとしては華奢長良多くの武装を搭載し圧倒的な火力で敵を殲滅する]


「やっぱり魔導機関のだ!」


「ローズ撤退! 全員の無事のほうが優先だ、急ぐぞ!」


「わ、わかった!」


「排除」


 キレッキレの動きで急速に斬り裂いてくる刃をなんとか躱す。

 その次は弾丸のような魔法の火を放ってきて連続するそれらをジャグナーが受け止めその間に引いた。


 いざ逃走しだすとあちこちから悲鳴じみた声と破壊音が響くのがよくわかる。

 私はジャグナーと目線をあわせ意思をあわせる。

 スキルもあるしこの程度造作もなく出来た。


 そのままジャグナーと私は分かれて駆け出した。


 私は速攻で襲われている現場にたどり着く。

 ほとんどさっきと同じようなショートギアだ。

 ウッドロフさんを守るように数人いるが次の瞬間には吹き飛ばされた。


「ひゃあ!?」


「排除」


「キミがね!」


 そしてチェンソーじみた回転ノコギリを叩きつける瞬間。

 私の大盾ゼロエネミーが割り込んで弾き飛ばす。

 そして私の蹴り込み。


 足先に伝わるかったい木の重み。

 ソレをも砕く重心。

 蹴り……飛ばす!


「はあぁっ!!」


「えっ!? ぼ、冒険者の!」


「おまたせしました。指揮をお願いします。治療は……今行います」


 魔法で範囲回復の光魔法"ヒーリングラージ"をぶん投げておく。

 "ヒーリングラージ"は距離減衰がないのが便利だ。

 私がつきっきりで診る必要がなくなる。


 各々息はあるようなので私は敵へ追撃に入る。


「あ……はっ、そうだ! 指揮を、指揮をとらないと。冒険者ローズオーラ! 相手の撃退を! さあお前たち、非常時の行動指南を早 く実行しな!」


「「は、はい!」」


 正気に戻ったウッドロフ現場監督が素早く指示を出す。

 私はショートギアに対峙。

 耐久値……かなり高いな。


 不意打ちが入ったのに耐久値があんまり減っていない。

 時間かかりそうだ。


「排除」


「めんどくさい、から!」


 また"サウザンドナイト"そして"カーテンベール"。

 旧王都が夜闇に包まれる。

 これでみんなが隠れる時間は稼げるだろう。


 相手は当然寝ない……ものの単眼カメラで認識している分一気に視認率が下がったらしい。

 カメラをあちこちに向けながら銃弾をばらまいている。

 私の周囲に飛んできているので狙いがとても甘い。


 だけれどもこれはあくまで仕掛けの前段階。

 闇魔法"グラビティレイテッド"。

 闇の重みを加えて行動制限させる魔法だが……


 闇。そう夜闇。

 あらゆるところにいる敵にこの範囲内の夜闇。

 戦闘職"アーチラリ"の効果で魔法を広範囲化。


 私に向かってしびれをきらし飛び込んできたショートギアが何かに潰されるように体を歪ませ地面に胴体ごと落ちる。

 そのまま次の魔法で。


 影の魔法……


[シャドウトレーディング 相手の影を付与した者の影で踏みつける時、一定範囲以上の移動が不可能になる]


 私の足に影の色をした火が灯る。

 すると今は地面に縫い付けられているからわかりにくいショートギアの行動が縛られた。

 そう……夜闇とは私とみんなの影なんだからね。


 今各地の相手は踏まれた。

 みんな緊急的に戦い反撃と相成っているだろう。

 だがそれも長く持つものじゃない。


 ゆえに……闇魔法"プルイン"を戦闘職アーチラリで拡大。

 私の目の前にいるこのショートバグは関係ない。

 ほとんど魔法効果もない。


 しかし"プルイン"は引力の魔法。

 私の周りに無理やり引き寄せるというもの。

 そう……引き寄せるのだ。


「な、なに!?」


「いきなり飛んでいった!?」


「さっきから何が起こっているんだ!?」


 あっちこっちから怒号が飛び交う。

 しかしながらその効能は私の魔法。

 各地から地響きが鳴り重たい何かが擦られるような音。


 それは凄まじい勢いで突撃するかのような。

 それにしては引きずられるような。

 やがて私の周りに無理やり引っ張られてきたたくさんの機体たちが互いにぶつかり建物の一部に派手なぶつかり方をしつつ。


 目の前に絡むような感じでひとかたまりになった。


「いえーい、釣り大成功」


「ギ、ガガ」「行動不能」「ターゲットロスト、視界を確保できるようカメラの前の物をどかしてください」


「お、おい! 冒険者、なんか凄まじい音がしたが平気……うわなんだこれ」


「ローズ、今の……げっ」


 みんな走ってきてはひどい言いようだが目の前の光景としては言い訳のしようがない。

 さて残りの地魔法で潰してしまおうね!

 私は魔力を再度練り上げた。

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