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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
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二百十四生目  新界

 今まで放置していた場所へついに足を踏み入れた。

 熱帯雨林のような環境のおばけキノコにおばけ樹木がなりまくっている場所だ。

 ここ一応荒野の迷宮なんだけれど……


 まず異常はその植物たち以外にもすぐにわかった。

 "鷹目"と"インファレッド"を組み合わせて蛇の赤外線感知能力であるピット器官を再現していたがそれで見るここの環境はかなり変わっていた。


 荒野と虫の棲息種類がかなり違う。

 しかもめちゃくちゃ多い。

 いやここは熱帯雨林なんだから……と考えれば妥当なんだが。

 それでもここが出来たのはつい最近だ。


 植物を含め異常な速度で生物の発展が行われている。

 これが龍脈が吹き出る場所である龍穴の力なのだろうか……

 私も変な影響受けなきゃ良いけれど。


 さらに進んで恐らく中央付近。

 ここならば魔法記述を再展開できるはず。

 ええっと。

 ペンを取り出してと。


 バッグの中から吸血してそれをインクにするペンを取り出す。

 魔法記述するさいに前も使ったものだ。

 これで保存しておいた記述を『呼び出し』と。


 "魔感"で何となく感じられていたものがはっきりと目に見えるようになった。

 何となく懐かしいあの時書いたやつだ。

 これを見るに確かに今まで延々と作業を繰り返していたらしい。


 つまり龍脈を呼べるだけ呼んで繋ぎ合わせ今やこの地は各地の龍脈が編んで繋ぎ合わさるように融合した箇所だ。

 前世の記憶だと……ややファンタジー寄りの知識だけれど龍脈を無理やり弄るとその地域はだめになるって聞いたなあ。

 星の毛細血管みたいなものだから。


 さすがに危険を感じるので地魔法"ジオラークサーベイ"を唱える!

 頼んだアインス!


(はーい)


 その間に私はユウレンと"以心伝心"で連絡を取りつつ記述を加えていく。

 もはや平坦な地面は存在せず植物たちに邪魔されつつも簡単な記載だったのでなんとかなった。

 "森の魔女"のおかげで宙に記載した後に地面に適用する術も感覚で理解できていたのも大きい。


 そうこうやっている間に唱え終わった。

 さっそく発動。

 光が地面に吸い込まれていってしばらくしたら返ってくる。


 情報の渦がなだれ込んでくるがそれらをアインスにそのまま渡す。

 この地のすべての情報を渡されて適切に対処できるアインスは本当に私と同じ体にいるのだろうかと思ってしまう。

 まあ同じなんだろうけれど。


(できたよー)


 ありがとう!

 どれどれ必要な情報だけわけられたものを見てみよう。

 ……ふーむ、安定、活発、定着?


(ようは、このバショは、すっごいゲンキで、それでいて、とってもあんしん! ユビオリのパワースポット!)


 ええ、ようは良いの?

 大丈夫なの?

 正直私ここにいるだけで"魔感"で感じるエネルギーに酔いそうだしそれなのに全身に力がみなぎってくるんだけれど。


(キセキテキなくらいヘーキ!)


 うーん、アインスがそう言うのならそうんだろうけれど……

 とりあえずやることはやって保存し直して閉じた。

 ただ周囲の植物たちの活性化は止まる気配がない。


 恐らくは植物だけではない。

 土地の上にあるものすべてがその影響を受けている。

 植物たちは根をはって地下から直接吸い上げているぶん影響が大きいのだろう。


 なんか私も変な影響を食らう前に外に……


(あ、ちょっとまって! なにかみつけたから、みにいって!)


 え?

 なんだなんだとアインスの示した場所に向かう。

 すぐ近くだったためそれは簡単に見つかった。


「……うわ」


 思わず声が漏れた。

 おばけキノコが生えているうちのひとつ。

 根本になぜかぽっかり穴が空きそして階段が地下へ伸びている。


 ……見ないって言う手は。


(ないだろ)

(ゴー!)


 だろうね!

 もしやアレなのか。

 だとしたらなぜここにアレがあるのかすごく謎なのだが……

 仕方なく私は階段を降りていった。







 そこはあまりにも非現実的だった。

 そこはとても幻想的で……

 そこはあまり信じられない場所だった。


「……は?」


 呆気にとられ恐らく今はアホヅラしていることだろう。

 それは予想通りやはり迷宮への入り口だったことへの驚きではない。

 迷宮への入り口が新たに出来ていたこと事態も驚きだったがもはやそれすら大した驚きになれなかった。


 眩しいぐらいの通路。

 白く塗られた通路に隠されるように張り巡らされた配管。

 歩いて壁があるかと思えば僅かな駆動音と共に小気味よく自動開閉する扉。


 そこはこの世界ではありえないほどのオーバーテクノロジーの塊。

 ……科学技術によって作られた迷宮だった。


[ようこそ『ニューワールド』へ]


 フラフラとした足取りで入った部屋にあったモニタに大きくそう映し出される。

 え、いや、これ、ちょっと待ってついていけないぞ。


[ワールドプロデューサーを認識]


 え? 世界の製作者?

 ちょっと待って作ってなんかいないって。


[ワールドの名前を決めてください]


 そうして壁が一部くるっと回ってタッチパネルが現れる。

 その瞬間私の頭の中でブチッとキレた音がした。

 ふふ、ふふふ……

 もうついていけるかーー!!!


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