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二十生目 透過 スライム戦

 おっと、さっきはログで死の方ばかりに気をとられていた。

[経験値蓄積 +レベル]

 格下だったのにレベル上がったしどうやらあと少しで上がる所だったみたいだね。

 これで私はレベル13だ。

 こう、レベル上がった時にチラッと、今レベル上がったかな? と思う瞬間はある。

 多分まだ身体の能力上昇率が悪くて大した変化を感じないんだろうなぁ。

 ちなみに兄弟ふたりはレベル6といった所。

 命を賭ける差はやはり大きい。

 訓練ではそこまで経験は増えないみたいなんだよねー。

 どんどんレベル上がりにくくなっていたし。

 ただまあ訓練は訓練で役立つから欠かさないけど。

 さて、このスキルポイントを使って……

[土魔法 土が司る魔法を扱える。 レベルが上がることで使える魔法が増える]

 こいつを土耐性派生から習得!

 やはり○耐性の隣は同じ○の魔法になっているらしい。

 この調子で使える魔法を増やしていきたい。

 さーて、魔法の中身は?

[E・スピア 土の槍を生み出す]

[ヘビィ 自身を重くする]

 おお、仲間がよく使うやつだ!

 祝! 私初の攻撃魔法!

 いやーこれでだいぶ攻め手が増えるってものよ……

 私今まで必死に殴り合ってたからね……

 殴るパワー強いのならともかくそうでもないし。

 そしてもう一つは重くなる魔法か。

 攻撃をふんじばったり高所からの落下攻撃に使えそう。

 いや、私の脚が折れてしまうか!?

 多分単体じゃなくて組み合わせる事前提の魔法なのかな……

 恐らくこれだけだとひたすら脚が遅くなるからね。




 スライムが最初の狩りに最適だと言うのは多く狩るうちに理解出来た。

 まずスライムは巧妙に擬態している。

 水と同化して殆ど見えない、ナメクジのように移動するため音がない、もちろん心臓の音もない。

 肝心のにおいも水に流されかなり擬態は完璧だ。

 しかし頭脳が弱い。

 接近されれば直ぐに自分から仕掛けてくるし攻撃も凄く単調。

 厄介な身体を無限再生するスキルや水を含んで巨大化しこちらと同じサイズになるのもまさに学習にうってつけ。

 弱点もハッキリしている。

 しかし油断すると周囲にたくさんいるスライムが一斉に襲ってくる。

 頭数を有利に立ち回らなければ弱い相手も驚異的になるとわからせる。

 そしてわかりやすい報酬。

 甘くてうまいスライムたちだ。

 狩りの対象を発見し怪我をしないように立ち回り狩る対象も脅威になりうるのをわからせる。

 そして私達とは違う特別な力を持った相手もたくさんいるとわからせ狩りが成功すればおいしいご飯にありつける。

 そのことをしっかりわからせるためには確かに最適だ。


 私の目の前には3匹のスライムたち。

 能力の高い私が2体を引きつけ防いでいる間に兄弟たちが1匹を確実に仕留める作戦だ。

「今だ! お兄ちゃん、アレやろう!」

「わかった! 秘密の特訓の成果みせてやろうぜ!」

 秘密の特訓? 見せる?

 もしかして私に?

 確かにインカとハックは常に私と共にいるわけではない。

 私が料理づくりに専念している間やサウンドウェーブの練習している時はいない。

「いくぜ!」

 インカの掛け声に合わせ二匹がスライムを挟み撃ちにするように直線上に並ぶ。

「やあっ!」

 同時に走り二匹の爪を交差させる。

 真ん中にいたスライムは内臓ごとX字に切り刻まれた。

「おお〜、息ピッタリじゃん」

 見事な連携だ。

 私も負けてられないな。

「やったな!」

「やったね!」

 よし、私もやるか。

「ふたりともはなまる! さあ残りを囲むんだ」


 私の土魔法はまだまだ練習不足で速度に問題がある。

 E・スピアを唱えると私の想像内で視界とリンクしてスピアが発生する範囲が視える。

 地形に沿って想像内で動かせるため自由にグリグリ動かしやりたい所を決める。

 そしてその後どう言う向きで生やすかを指定できる。

 ただオジサンみたいに返しをつけるように変形させたり槍以外の形にしようとしても出来なかった。

 あんまり魔法は融通がきかないらしい。

 多分オジサンなりのやり方で返しをつけたり同時に2つ出したりしているんだろう。

 また会えたら聞こう。


 そうして生やし方を決めたらグッと行動力が吸われる感覚。

 感覚的にわかる程度に吸われるので乱発は危険だと直感した。

 しかし威力はある。

 スライムをわざと避けさせるように爪で切り、ポイントに誘導。

 少し地面がもう盛り上がっている。

 スライムが乗ったあたりで地面がめくれ、さらに一気に槍状が盛り上がる。

 スライムはそれをモロにくらって内臓ごと串刺しだ。

「凄いねーお姉ちゃんはもう土魔法が使えるなんて! はなまる!」

「二匹の攻撃避けながら魔法を撃ち込むなんてあの年でとんでもない力だね。さすがクイーン候補!」

 うっ、嫌なことを思い出させられた……!

「ど、どうも〜」

 まあ、外から見ればラクラクに見えていただろうけれどこっちとしては必死だった。

 敵の攻撃を引きつけながら避けて敵の興味を引きつけ兄弟のサポート。

 集中力を使う魔法の発動までのやり取りをこなし設置。

 攻撃を避けつつ接近して魔法の場所へギリギリで誘導。

 時間差で発動するスピアで撃退。

 あんな速度で撃ち込めるジャックペアやオジサンたちの凄さを思い知った。


 残り1匹は3匹で取り囲んで逃さなようにボコボコにして何とか勝利した。

 スライムたち、来世ではホエハリなんかもどうかね〜。

 そして、何とか私たちはハートペアの手を借りずにスライムたちを30匹程度は叩きのめした。

 本当に30匹いたよ……

 もののたとえじゃなかった。

 つ、疲れたーッ!

 スライムおいしいけど疲れたー!

「凄くはなまるだ! そろそろ休憩にしよう!」

「うわー、もうクタクタだよぉ」

「外は大変だ……」

 ハート兄の号令でインカとハックも口々に疲労を呟きながら崩れた。

 周囲にはレーダーによると危険そうな相手はいないから休むなら今だろうしね。

 よし、私も休もう……

 つ、つかれた……

 土魔法は行動力そのものもだけれどどこに放つかどう放つか決めないとだから戦闘中は集中力が必須だ。

 変に体力消耗したよ。

 ゆっくり体力と行動力を治そう……




 休憩を終え狩りの続き。

 スライムをさらに狩った所レベルが14に上がった。

 格下なせいでなかなか上がらなかったが疲労困憊になるまで狩り続けたかいがあった。

 帰ったらスキル獲得しよう。


 そんなことを考えながら歩いていたらまたスライムだ。

 今度は1匹だからさっさと……

 ……うん? なんだかこいつ、雰囲気が違う?

 少しきらめいてるのも気になる。

「おや、少し強い相手かも。気をつけてね」

 やはりそうなのか。

 気を引き締めないと。

「兄さん、弟くん、囲んで……うわッ!?」

 何ッ!? 距離がまだあるのに攻撃が飛んできた!?

 勢いの良い水鉄砲……もしや魔法?

 うわっ、連続!?

 さらにスライムが勢い良く水に飛び込んだ。

 だめだ……水に同化されたらどこにいるかわからない!

 天然の太陽光がそもそも水面をきらめかせているから身体が少しキラキラしててもわからない。

 やつがどこにいるかわからない。

「あれは、強そう……!」

「お姉ちゃん、兄さん、気をつけて!」

 "私"を纏う。

 集中して探す。

 レーダーにすら引っかからないほど擬態がうまい。

 だが水鉄砲を使うさいは反応があるはず。

 赤点!

「来るッ!」

 避け……はやい!

 防御!

 ぐッ! 危険な箇所は避けたが今のは効いた!

「大丈夫か妹!」

「大丈夫! けれどまだ来る!」

 私が来る瞬間のタイミングを言い兄弟たちが避ける。

 何発撃ってくるんだ!

 水魔法とて行動力はたくさん使うはず。

 まさか、かなり鍛えている?

「うっ!?」

「いたっ!」

 致命傷は避けつつも地道に削られている。

 水鉄砲と書くと良くわからないが喰らってみたら一目瞭然。

 細いとは言え同じ太さの丸太が突っ込んでくるようなものだ。

 シャレにならない!

 少なくともあそこから引きずり出さないと!

 ……そうだ!

「私が接近、ッ来る! 接近するから援護して!」

「わかった!」「はい!」

 幸い水鉄砲は一瞬水を撃ち込むだけで薙ぎ払いはない。

 オジサンのような水カッター薙ぎ払いが来たら死ぬがココまで撃ち込んできて薙ぎ払いをしないのも出来ない可能性が高い。

 ここで攻める!

 避けて。

 よけ。

 ひらりと。

 ここだ!

 水に触れウォーターリップル!

 水ごと吹き飛べ!

 私が触れたさいに発生した波紋が大きく揺れて暴れ波となり小川の水ごとスライムを吹き飛ばした!

 さあ、もう潜らせないぞ!

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