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百七A生目 異界

 台車に乗ったのは最新式の爆弾らしい。

 なるほどこのヒンヤリした感覚……

 詰められた魔力エネルギーのせいなのか。


 安定している膨大なエネルギーは外からエネルギーを吸い取ると言われるほど。

 逆に不安定になると周囲にエネルギーをばらまきだしチリチリと焦がすような気配になる。

 どっちも他者を不安にさせる効果はばっちり。



「おいおい、ちゃんと非活性化してあるんだろうな……?」


「ああ、しかも遠隔操作が出来るという優れものだ。不安定な時限式爆弾よりよほど信頼できるぞ」


「じゃ、じゃあまあ……ありがたくもらうよ」


「おうよ、運ぶには台車を……おー!?」


 というわけで私はそれを亜空間にしまう。

 ニンゲンたちがそれにびっくりしたのはまあ……ある意味お約束だ。






 私達は境界穴に近づく。

 なんとか出てくる相手をもぐら叩きしてここまでこれた。

 境界穴は明らかにニンゲン大程度の大きさだがさっきからクマサイズくらい普通に出てきている。


「じ、じゃあいきますね……!」


 ドラーグが境界穴に手をかざした瞬間……

 その巨体がねじれこむように一瞬で穴の向こう側へと抜けていった。


「……パパ!」


 コロロもすぐに後を追う。

 光景的に不安になるからね……なんかねじれるし。


「な、なあ、これ触れて良いんだよな? なんかやばそうなんだが!?」


「色々と解説出来るけれど面倒だから省くと普通の扉を通るぐらい安全だよ」


「よし! 信じるからな!」


 そしてジャグナーが飛び入る。

 ジャグナーの魔法音痴というか苦手っぷりはほんと筋金入りだからなあ……

 境界穴を通る時歪んで見えるのは外側からの観測結果であって実際は内部の空間が急速に拡張されたことによる光の屈折によって引き起こされており主観からするとまっすぐ進んだらいきなり穴が大きく開いて向こう側へすり抜けられるように見えるだけでこの穴は現在理論上どの大きさでも通せるだろうと推測されているが実践としてやった公式上の記録は……

 とか語っても仕方ないので。


「製作者ローズオーラ、これより内部へ侵入し、任務を遂行」


「うん、行こう!」 


 ノーツがためらいなく銃を構え突っ込んでいく。

 姿が消えたあと私はそこへとむかって飛び込んだ。

 穴は私を飲むこむほど大きくなり……


 そのまますんなりむこう側の世界へ境界を通した。


「おお、う……前と変わらない?」


 先にいたジャグナーが唸るように周囲を見渡す。

 境界穴を抜けてどこかわからぬ場所に抜けたはずなのに光景はさっきとほぼ同じ。

 まるでカガミ合わせのように反転している。


 それもそうだ。


「ここは世界の軸がほんの少しズレているだけだからね。見た目だけはそっくりなんだよ。この穴ができたときの外観がこちらの世界の見た目に反映されているはず」


 次元穴が出来たのは最近だったらしく見た目はよく似ていた。

 虫の巣らしきものはあるが中身はない。

 あくまで地形情報のみの反映だからだ。


「また来ます!」


「ん!」


 ドラーグとコロロは先に入っていたから敵の来襲が1度あったのだろう。

 掛け声とともにどこからともなく顔のない者たちが湧いてくる。

 私達は一斉に駆け出し敵を倒し始めた。


「相手はさっきと同じ姿でも、強くなってます!」


「せっかくエネルギーを温存して戦っていたんだ、ここいらで全力だすぞ!」


「「了解」」 


 私達はジャグナーの号令で駆けていく。

 みんな行動力の消費を抑えながら戦っていた。

 普通は戦っているとすぐ枯渇するからだ。


 まあ私がいる限り常に補給できるが……

 補給するのに頼らず戦おうとしてくれたわけだ。

 そこらへんはジャグナーの能力にもよる。


 ジャグナーの号令は当然スキルが乗っている。

 1つの指示でそのための能力に補助かかる。

 まさしくジャグナーの一声は軍師の一声だ。


 一気に力を解放すればさすがにみんなの敵ではない。

 ドラーグとコロロが合わせ技で面族で射撃し片っ端から削っていく。

 ノーツは肩から大きな玉を打ち出し着弾すると地面に炎が広がっていく。


 しばらく延焼しつづけるという凶悪なパワーだ。

 本能で考える能力のない顔のないものたちは次々足を踏み入れ燃えている。

 そこを私が蹴り込みイバラで追い叩いて執拗に打つ武技を使う。


 炎上状態も弱体化判定だから"拷問払い"に上昇効果が起こる。

 私自身は炎が無効化だ。

 燃え盛る炎の中で私と敵が踊る。


 炎を踏み越え燃える敵にイバラを打ち据えるたびにテンションが上がってくる。

 エンドルフィンは素直だ。

 

「どこにあるかわかったか!?」


「まだ! 多分もう少し奥だけれど!」


 そして私達は敵湧くコアを探す。

 数分探し回り倒したり逃げ回ったりして。

 やがてドラーグが空から「ありました!」と声をかけ急ぐこととなった。

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