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八十六A生目 王城

 私達はほぼそのままの足で王城まて戻ることとなった。

 帰還は私がワープ使えることを申告して王都近くまで飛ぶ。

 そのまま門兵に帰還報告して中に入り……


 あれよあれよという間に王城までついた。

 ……なんか使えるかなと思ってうっかりとっておいた王城付近まで行ける許可書ですんなりいけてしまう。


 しかもある程度までいけば高ランク冒険者たちということで王城も許可がとれてしまって……

 そもそも隣のクライブが凄まじいオーラを放っているせいで威圧とゴリ押して入れてしまったよ王城。


「ほら、通せ。俺たちは報告しに来ているんだぞ」


「なんなんだ……くっ……」


 一応内容そのものは軽く振れているので兵たちも無碍にできない。

 しかも話は直接担当者にするとしている。

 抜く気は一切見せないが背に剣を携えたままだし。


 普通はとりあげる。

 しかし高ランク冒険者とは嵐なのだろう。

 クライブがひとにらみするだけで何も言ってこない。


 あとクライブ自体がこの大陸で有名なのかもね。


「待たせたな」


「いんや、俺が待ちきれないなら、自分から行くところだった。あんたたちしては、早いんじゃないか?」


 そこにきた人物を見て……少し驚いた。

 いやかなり驚いたよ。

 驚いたことを顔としっぽに出したりしないように必死になったのが正確なところ。


 前全開のハワイシャツと言えば良いのか。

 ちなみにハワイシャツの合間から見える肉体はガッツリボディペイントが入っている。

 入れ墨ではないっぽい。


 なんからの呪術的意味合いを持ちそうだが全貌が見えないので不明。

 そしてハワイシャツなのにどう〜見ても豪華。

 1つ1つの繊維単位でも違うし何より飾りの多くの羽根たちが良い魔物の羽根だ……


 そしてだ。

 そんな格好をした『女性』だ。

 きっちり鍛えて上下美しい女性。


 よく見ないとわからない程度に下を留められているため動いてもはだけないとはわかるのだが……

 インパクトが強すぎる。


「キャサリンだ。よろしく頼む」


「もう聞いているとは思うがWクラス冒険者のクライブだ」


「あ、わたくしはゴーレムのローズクオーツです、よろしくお願いいたします?」


 私も挨拶を返す。

 キャサリンは足を組み椅子にもたれかかって肘をついた。

 すごい格好ですごい格好している!


「さて、まずは季節の挨拶から始めたほうが良いか? キャサリン王女」


「王女様!?」


「まさか。そんなつまらないことに王族の時間をとらせるやつは、全員国王(ちちうえ)にまわしている」


「王族!?」


 というか今雑用を自分の親に投げてるとか言わなかった!?

 ククッとクライブが軽く笑う。

 そして王女様ことキャサリンはこちらを見て良い笑顔をした。

 あ、これわざと……!


「新顔はふたりともよいリアクションを返してくれる。こいつはつまらんからな、最初から唯我独尊という態度だ」


「冒険者で権力だけの相手にペコペコするんなら、冒険者である意味なんてないだろ。こいつらも驚いてはいるが、何のためらいも緊張感もないぞ」


「ははは、きっと私がそっちのほうがいいと話せば、きっと合わせるくらいの努力はするだろう? お前は公的な場でもそれだから困るのだ。誰だってTPOというものは大事ぞ?」


「こうしてまともに対面したのは初だろうが。まあ、他の奴らと同じ場にいたことはあったようだが」


「く、ふふ。だから『聞いていると思うが』なんぞ言ったのか」


 うーん凄まじい格好なためすごく真っ当な話が全部耳から耳に抜けていきそう。

 だってTPOといえばこの格好がもう……うん。


「さて、此度の報告は?」


「害獣が出て、こいつらと倒した。以上だ」


「……ほう、お前が協力を? それに害獣とは……お前がそう表現するほどか」


「成り行きでな。使えないわけではなかった。害獣に関しては、放っておけばまあ誰も対処出来ずに城下町は死滅したかもな」


 キャサリン王女は協力の話で私達に優しげな目線を送る。

 そして害獣のはなしでクライブに真剣な目線を送った。

 さっきまでの浮ついた空気が冷えていく。


 ローズクオーツは思わず背筋をただした。

 王女キャサリンの背後に佇んでる文官がさっと携帯用の用紙に書き込みだす。

 さっきまでのは雑談。ここからは報告。


「規模はともかく、復活性は?」


「今のところはない。原因を取り除いた。おい、あの盾を」


「うん。我々の国ではこういった神らしきの力を取り込んだり扱えるものを、越殻者(エクシーダー)と呼ぶように少しずつ広めています」


 私は盾鱗をおきながら説明する。

 越殻者は説明無いと本当になんのことやらだしね。

 私達で一体何があってどう解決したか……1つ1つ話すことになった。

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