八十四A生目 勝敗
振るった攻撃が当たった。
しかもだ。
「分裂しない! 生命力が減ってる!」
「だったら一気に追い込みましょう! やああ!」
「好都合だ。どちらかが、死ぬまで!」
ローズクオーツは毒で出来た槍を両腕2本から大きく生み出す。
クライブは何度か大剣を巨人化ムゲンドクのスネに叩きつけたあと両腕で構え。
それぞれ一気に攻め込む!
私は銃ビーストセージを杖代わりに魔法を唱えつつ自身の爪を振るう。
ニンゲン型でもやれるっちゃあやれるのだ!
まあほとんど格闘だが。
そして足技と共にイバラを叩き込む!
連続ヒットで威力増加する"失われない獣爪"と獣拳士武技後に通常攻撃をスキなく挟める"終わらない獣爪"。
武技と攻撃と武技と攻撃と……細かく動き回り拳を避けながら当てる!
「ぐうぅ……や! うう、割と多い!」
「っ! チッ! 魔法か!」
ローズクオーツは連続で迫りくる拳と毒のトゲを大量に浴びて……
その中から一気に弾いて毒の粘液で吹き飛ばす。
しかしローズクオーツは間違いなくきらめく石のカケラは血のかわりだった。
クライブは突如現れた岩の魔法によって爆破されることにより吹き飛ぶ。
木へと埋まりかけていたところを追撃で岩の棘が大量に浮かび囲んでいた。
しかしクライブはダメージもなんのそのすぐに飛び出してトゲを斬り裂き逃れる。
「今の骨とか大丈夫だった!?」
「慣れている。俺の身体は食らってもすぐに立ち上がれる」
そう話してマントから覗かせるのはビッシリとした体型がもろにでるでる服と……
盛り上がる筋肉たちだった。
確かにあの力強さなら大剣を片手で振れそう。
「ローズクオーツ、無理して引き受けすぎないでね!」
「大丈夫です、ローズオーラさまに攻撃をあまり向かわせるほうが問題ですから。わたくしはこの姿だと、今の相手には有効打はそんなにありません。倒しちゃってください!」
ローズクオーツが攻撃を集めるために動き回る中私とクライブが並んで攻めたてる。
私は自分に向けられた炎の魔法を拳で貫く。
相性がいいからね!
もはや多少殴られた程度では止まらない連撃連撃!
なぜなら回復はもうできない。
どちらかが倒れるまでは!
向こうも明らかに焦っている。 なにせ回復されないんだし。
しかも攻撃がメチャクチャ当たる。
的がおおきくなっただけになったからね結果的に。
私の顔で叫びちらしながら蹴り上げたり拳を叩き込むのやめてほしい。
盾は剣ゼロエネミーに"乱れ突き"攻撃させているもののなかなか剥がれ落ちない。
ただ露骨に嫌がるしそもそもあそこは一気に生命力が削れる。
もはやあの盾こそが本体なのだろう。
「ぐっ……! 生きているか!」
「なんとか!」
「相手の攻撃が激しいですね……! それだけ追い詰められているんでしょうか!?」
「後少し!」
クライブから真上からの拳に気づかず潰される。
しかしすぐに立ち上がって攻撃再開。
あの立ち直りの早さは凄まじい。
私は岩に刺され血を流しながら……黄色いのはクライブには観られてなかった……イバラを展開し最後の連撃を叩き込むつもりで準備。
ローズクオーツは身体を1部を欠けながらも毒のトゲで牽制していく。
「断、裂剣!!」
「"龍螺旋"!!」
クライブは両手で剣を持ち轟音響かせ踏み込むと大きな光と共にまず袈裟斬り。
そして勢いを殺さないまま回転し前方に跳ぶ勢いで剣を振るうと輝きが巨人の胴すら覆い斬り裂く!
そして私は連撃の威力上昇効果全部込めてまとめて作り出した太いイバラ3本をムゲンドクの胸にある盾に叩きつける。
色々検証してわかったが"龍螺旋"の1撃目は力依存……
そして遅れてやってくる爆発は力と魔法攻撃力双方に依存している。
私が魔法使いタイプでもあるから威力が高かったのだ。
辺りが爆発で真っ赤に染まる。
2つの攻撃が合わさり巨人ムゲンドクの身体がくの字に曲がる。
浮いて、ふきとび、体全体がひび割れて。
「これで、おやすみなさーーいっ!!」
ローズクオーツが手を頭上に上げて毒のカブトごと一体化。
まるで全身が1本の槍のように変化して突撃し。
盾に向かって飛ぶ。
途中毒液を吐いてきたのをゼロエネミーを大盾化して防ぎ。
そのまま突撃して刺した!
刺さったのは胸。
跳ねて外れる盾。
ヒビが砕けた体。
なんと巨人ムゲンドクはその身体がバラバラに吹き飛んだ!
……小さなムゲンドクたちにわかれて。
ムゲンドクたちはそのままあたりに散らばり色は白くなって気絶している。
「死んだか?」
「ううん、ギリギリ生きている。あの盾さえなくなればきっとただの魔物だよ」
あとでアノニマスルースに拉致……誘えるよう手配しておこうっと。