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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
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二百十一生目 魔力

「あ、大丈夫……でしたか?」

「うん? ああごめん、ちょっとこの姿に慣れてなくて、それだけ」


 近くにいた魔物に心配されたのでごまかしておいた。

 ホリハリーとして新たに覚醒したうんぬん言ってもわかりづらいだろうしね。


「それなら良いのですか……あの、応援してますね!」

「ありがとう!」


 そう言って魔物は離れていった。

 うんうん、みんなのためにやらなきゃね。

 そういえばグラハリーに進化したときもいまいち真価を引き出せていない気はしていた。


 なにせフルアーマーになると極端に足が遅くなるし重たいからつかれるし。

 あっちもまだまだ何か出来るかもだが……

 今はこのホリハリーでの姿についてだ。


 全体は前触れたように2足歩行だが脚は獣の形のままだ。

 ニンゲンで言うつま先で立ってかかかとが浮いているんだけれど別に無理していない。

 全身にいばら模様が入っていたり背中に瞳の模様があったりスカーフがミニマントに変わっていたり。


 細かいところは改めて見てみよう。

 耳がピンと大きくなったのかな?

 さらにイヤリングのように何個も挟むアクセサリーにみえるものが。


 だけれどもこれは針の変化なのか。

 胸のアクセサリーといい針が金属質のように別種に大きく変わることが多い。

 他にはこの後頭部の髪の毛みたいになっている普通の針より濃く薄暗い黄色のこれも針なのか。

 普段と違って撫で付けられるほど長く柔らかいが芯があって逆から撫でようものならグサグサいきそうだ。


 腰まわりや手首など体のいくつかに飾りのように針がある。

 別にこれらは引っ込めることも出来てなんなら全身針を出すことも出来る。

 だが違和感が凄い。


 これがもっとも自然体の状態で変えるのはあくまで一時的にやるものといった印象を受けた。

 まあ良いのだ。

 魔法特化だしね。


 さて具体的にどう変わったかを試さないと。

 理解の後は実践だ。

 胸の飾りに触れる。


 "魔眼"で視界を遠くに飛ばして目標を見つけてからそこに"ミニワープ"。

 とりあえずこれで爆発現場にこれた。

 相変わらずの惨状で骸骨たちや魔物たちが必死に粉砕されてゴミと化したテントたちを黙々と片付けている。


 じっとよく見る。

 うんやはり『回復上限破壊』がされていて私が物を修理する聖魔法を使っても直らないだろう。

 こういうことがわかるようになったのも先程の覚醒のおかげだ。


 回復上限破壊に関しては私のように多数のコストをかければ治せる。

 逆に言えば治すのに莫大なコストがかかる。

 物の場合残念ながら廃棄したほうが良いだろう。


 というわけで近くの手頃な壊れ物に近づく。

 これは魔法の衝撃で吹き飛んだ地面の一部が塊となってテントと共にとばされたらしい。

 岩と化した元地面の重さとその下敷きになっている元テントは手をつけるのもおっくうと言った感じで放置されていた。


 ならば……

 空魔法"フィクゼイション"で全体を包むように空間ごとロック。

 今の何がどう動くか理解した私ならこの重さのものも行ける!


「んッ、うう、んッ!」


 私が魔法をさらに使って固定した空間ごとテントと岩をまとめて動かそうとした。

 グラリと重い音が響く。

 そして少し沈み込むほどに埋まっていたそれらが。


 浮いた。

 徐々に空へ浮かんでゆき私より遥かに高い位置でストップ。


「おおー」「ローズさんだよね。さすがだなあ」「あんなこともできたんだ」「面白そう!」


 賞賛やら感嘆やらが周りのみんなから聞こえてきた。

 ちなみに骸骨たちは一切気にしていない。

 そういう作りになっているからね。


 気分が良くなったところで片手は空に向けたまま空いている左手で胸の飾りを触る。

 そのまま私はゴミの真下まで歩いた。

 精霊たちに頼んで今いるところを登録。

 ゆっくりと下ろしつつしたから退く。


「あれ、何もしないんですか?」

「ちょっと待っててね」


 空魔法"ゲートポータル"はもう一つ指定先がいる。

 "鷹目"と"ミニワープ"を繰り返して着いた先は他の魔物たちがゴミになったテントなどを捨てに来ている所に。

 仮の処分場だ。


 胸の飾りを触って"ゲートポータル"を地面に垂直へ設置。

 そして大きく、人が出入りするよりも遥かに大きく輪を広げるようにお願いすると……

 地面に垂直な輪から処分場へ直接先程の岩とゴミが排出された。


「うわ、びっくり!」「ローズさん、かな? まあにおいがそうだよな」「すんごい大きいね!」


 頑張ったからね!

 ただまだ終わりじゃない。

 精霊たちと魔法の組み合わせるため改めて考える。


 魔法を組み合わせる際に大事なのは知識と想像。

 ようはアレとソレを組み合わせたらだいたいこうなるなという考えがいる。

 できなければ不発になってしまう。


 つまりどうなるかわからないままでは出来ない。

 爆弾も土槍地獄も威力は想定以上でもそれそのものは考えて出来たものだ。

 そして今の私なら身体からそのやり方がよくわかる!


[ストーンフォール 相手の真上に岩を出現させて落とす。高い位置は難しい]


 まずは土魔法のこれ。

 それと空魔法"フィクゼイション"を精霊たちに頼み組み合わせる。

 私は土魔法"ヘヴィズン"を準備だ。

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