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七十A生目 定番

 ローズクオーツが想像以上に強くなっていて驚くやら感心するやら。

 あっっだとするだ。


「……もしかしてトランス可能になっていない?」


「ああ、トランスというものかまあるそうですね! 感覚的には、もう少しかと!」


 うちのゴーレムたちは成長する。

 普通はトランスなんてしないらしいんだけどなんかするらしい。

 コレに関しては早期に私自身が感覚で理解できた。


 おそらく魂の有無が関係しているんだろう。

 魂の超強化により(からだ)が自身の限度を超え化ける。

 それが不可逆的進化(トランス)の仕組みらしいから。


 ここらでそろそろ……と期待しつつ来る魔物たちはローズクオーツに任せる。

 そのかわりとにかく補助をかけ続けた。

 ローズクオーツの実力を全開で引き出すために。


 カラフルなインコのような魔物は凄まじい音波を飛ばしてきて周りを破壊しつつこちらを攻めて。


形態変化・投石器(モードスリング)、シュート!」


 紐のようにした手先のところにひときわ大きなローズクオーツのカケラがはめられて。

 手と手の間に張られたその紐を……自分の身体なので自力でひとりでに動き。

 反動で前方に撃ち出される。


 それが(エフェクト)を持ちながら秒間何連射するんだという勢いで撃ち込むのでハチャメチャだ。

 ゴリゴリにゴリおして鳥魔物を声とか関係なく落として。


 更に駆けていると今度は獣人のような魔物が。

 背中に背負っているように見えた木からひとふりの鋭い棘を出す。  見てくれは剣だ。


 どうやら草の力を持つ魔物らしい。


形態変化・突槍(モードランス)! ストライク!」


 両腕を重い大きな槍として1つにする。

 そのまま足なんてないので不自然なほどの軌道と速度で接近。

 そのまま突撃して突き抜け連続で抜いていく。


 相手もなんとか斬り込んでくるがもう全然関係ない。

 最後キラーンと穂先が輝いて吹き飛ばした。

 ゴリゴリゴリゴリ押しである。


 たくさんの昆虫型魔物が来た。

 サイズが60センチとかあってしっかり生物っぽいから逆に怖くないよねこのサイズ。


形態変化・粒子(ブレス)、ファイア!」


 ローズクオーツは全身が純テテフフライトという特殊な宝石でできている。

 その宝石の特徴は媒体として凄まじく加工しやすいことらしい。

 同時にしっかりかたい。


 一瞬きらめくようにしてローズクオーツの姿がまた変わる。

 背からは取ってつけたような小さなコウモリの翼。

 腕は地面に食いつくように爪を伸ばして。


 なにより頭にキュートな竜をかたどった冠が生えていた。

 そしてゴーレムとして存在しないはずの器官『(アギト)』が開く。

 デフォルメされたギザギザの口から大量の粒子がブレスとして凄まじい勢いで放たれる!


 あの粒子は全部テテフフライトだ。

 クオーツの身体を細かくして飛ばしているのだ。

 そう……宝石を。


 その勢いも相まってそれは破片を仕込んだ爆発がごとく。

 虫たちは相殺しようと魔法を放っていたがドンドンおかわりが来て追いつかず飲み込まれ。

 ボロボロになった虫たちが気絶し転がっておしまい。

 ゴリラ戦法とはこのことか。


 とにかく戦いがもはや力の押しつけで本当に見ている分には良いかもね……

 敵にはつらいところがあるよね!

 生物ならではの息の取り方やスタミナ配分。


 それに防御と攻撃のブレンドに畳み掛けるかヒットアンドアウェイにするか。

 そういった煩わしく面白い選択肢は一切ない。

 前にでる。戦闘態勢をとる。壮絶に殴り合って勝ち切る。


 いや怖いよ割とやられると。

 アクションゲームとかで敵にずっと密着しながら一生1番効く攻撃ボタン押しているアレ。

 アレを生身でやっている。


 しかもスタミナとか反動とかないんだもの。

 エネルギー管理だけはいるもののゴーレムという存在自体が凄まじいエネルギータンクつんで動いているようなもの。

 お腹が減るまでは止まらず動き続けられるのだ。


 これが単なる子どもの動きならかわいらしいで済むが実際は何度も訓練と実地を積み私やノーツからバトルデータを受け取り咀嚼して昇華したもの。

 つまり冴えぬかれた技による武人の舞い。

 1つ1つが武技に該当する。


 これでいてクオーツら戦闘特化ゴーレムではないんだからとんでもない。

 ただこれには背景がある。


「いやあ、本当にすごいね……こんなに強くなっただなんて。もしかして、相当苦労した?」


「だって、『転生してちーと(・・・)を手に入れた』んですよ! やれるだけやらなきゃソンじゃないですか!」


 どこからか余計な言葉を覚えたらしい。

 私か。私の知識か。

 今や立派なレベル上げ廃ゴーレムである。

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ゴーレムって 365話 三百五十五生目 像変 でトランスしてませんでした?
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