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六十九A生目 合流

 ボコしたアチャカリは気絶していたので傷を癒やしワープさせておいた。

 アノニマルースにだ。

 アノニマルースの係の者があとはうまくやってくれるだろう。


 強者がくるのは歓迎だからね。

 もし気に入らない場合はちゃんと帰すし。

 はてさてハプニングはあったもののそんなに時間はすぎてない、


 代わりにローズクオーツからもう呼んで大丈夫と連絡が来た。

 私の傷を治したあと呼ぼうっと。







「その服、素敵ですねー! わたくしの造られたこのからだと少し似てますねー! きらめいてますよ!」


 そして戦闘中じゃない時にじっくり宝飾服を見てもらった。

 興味を持ってくれたので……

 私が回るように見せるたびに宝石たちが揺れてからりと音を奏でる。


 地面に埋まったままのソレに見えるようなものたちは私の力を1つ1つ引き出す仕組みだ。

 単なる飾りつけな部分は1つもない。


「いいですねー! 本当に! ノーツに映像シェアしたら喜んでましたよ!」


 ゴーレム同士はつねに私をハブにして繋がっている。

 それを利用したSNSもどきである。

 念話と違い常時彼らの中のタイムラインに文字と映像のログが残るのだ。


 ちなみに私が構築しただけで他のゴーレム使いはSNSという概念がないため使うことはない。

 今は狭いためSNSというよりメールのやり取りみたいになっているがそのうち広域化する予定はある。


 それはともなく私はクオーツに褒めそばかされつつ迷宮を進んでいく。

 さっきのアイツが特別な相手だったがゆえなだけで他はそうでもない。

 適切に戦ったりおいはらったり無視したりして進む。


 それもローズクオーツになるべくやらせる。

 ローズクオーツの戦いからシンプルだから単純な力の押しつけがよく効くのだ。


「えいやっ!」


 キュートナ掛け声と共にローズクオーツの腕が変形して伸びる。

 しかして実態はまるでキュートではない。

 宝石としての強度を持つ腕をムチのように乱打しているのだから。


 一瞬にして敵魔物たちは乱打されその嵐のあとに吹き飛ばされる。

 戦闘終了だ。


「いやぁ、前よりだいぶ技を感じるようになったね、すごく訓練してていい感じ! 錬金術なしでここまでやれるだなんてね」


「そ、それほどでも!!」


 その他にもあれこれと言葉巧みに褒めるとどんどんとデレデレになっていく。

 私達でも普通に褒められると嬉しいのにゴーレムたちだと三大欲求クラスらしいのですんごいらしい。

 ゴーレムは充力欲・称賛欲・遵守欲が3大欲求だ。


 私達は足早く迷宮をかけ抜ける。

 スケールが大きすぎて自分位置を忘れそうだ。

 さっきまでいたジャングルエリアを抜けるのにたっぷり30分かかった。


 当然メチャクチャ速く駆け抜け魔物たちは追い払いまくった結果でもだ。

 理由は初見であることとやっぱ広いということ。

 私たちでなければ普通にココで寝泊まりだろう。


 実際中継点らしいところも見かけた。

 ニンゲンたちが意図的に休憩場所として組んだセーフゾーンだ。

 他の魔物が来づらくニンゲンたちの痕跡を強く残したキャンプ地。


 まあ私達には特に利用することはないので駆け抜ける。


「ここ、落ちたらどうなるんですかね……深いですよね……」


「少なくとも、いろんな方法で計測しようとしたらしいよ。ただ、ひたすらずっと落ちていって……とあるところから確実に計器が壊れるんだって。少なくとも落ちる誰かがまっすぐ何も引っかからず落ちることはないから、転落死は警戒しなくていいらしいけれど」


「ひえぇ、下は虚空なんですかねぇ?」


「少なくとも、直接調べようとしないほうが良いね」


 私なら大丈夫かもしれないけれど『かもしれない』で命を落とす気はない。

 崖の迷宮と違いとにかく見た目より安全。

 葉っぱは所狭しと敷き詰められどこかしら掴まれる場所は偏在する。


 そうこうしている間の新エリアは再び木々の真上に出る。

 前の木たちが南国にありそうなでっかい葉っぱならば今回は比較すれば小さな葉っぱたちだ。

 広葉樹だがあまりにも多く固くされていて下手な地面よりしっかり踏みしめられるんだから変な気分だ。


「こんにちはー」


「こんにちは!」


 そして近くにいる冒険者には挨拶。

 冒険者たちが見えなくなる頃に4足になって駆ける。

 その繰り返しだ。


 結構いるんだよなあそれが。

 さすが王都近くの迷宮である。

 大人気だ。


「それにしても、ローズクオーツはいつの間にそんな速度で移動できるように? 私についてこられるようになったなんて……」


「もちろん頑張りましたから、レベル上げに錬金術による底上げも!」


 錬金術って足が早くなる効果もあるのかしら……?

 まあローズクオーツの足はないんだけれど。

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