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六十三A生目 王都

 北部中央はぶっちゃけると王都近辺からメチャクチャ怪しい反応が出ている。

 王都はまさしく怪しいよねということで私は足をはこんだ。

 どちらにせよ龍脈調査で国の中枢にはこないと行けなかったから丁度良い。


「やっぱり賑やかだなあ!」


「そうですね! どこを見ても賑やかに人だらけです!」


 私のそばに連れたって歩くのは全身宝石のようなゴーレムで名をクオーツ。

 小柄で足がなく浮いている。

 かわいらしいので服装をかぶって全身を覆っていてもちょっと目立つ。


 私達はふたり連なって王都にきていた。

 こんなふたり組でも印象が薄まるほどに活気がある。

 まず門は非常に立派で何よりも美術的に美しかった。


 他の場所では見たことのない紋様が彫られているのはさすがというべきか。

 中に入れば多種多様なニンゲンたちが歩きそれよりも車が多く通る。

 ひいている竜馬たちもたくさんいて活気がよくわかった。


 中の建物たちは所狭しと高く積み上げられ1つ1つがカラフルになっている。

 ここらへんは長年やってきた歴史を感じる。

 それでもここで生きている人々はいまも強く活気に溢れ新鮮な活気を提供していた。


 どこぞの領都とは違うのだよ。


「おーい! こっちに来てみなー! 新鮮な野菜、とれたてだよー!」


「王都についたばかりで腹が減ってるだろう! カラマリにバンガーズ! 食べ物なんっでも揃ってるぞ!!」


「この後にうちのパブにくるのはどうだい! 旅の疲れは酒で癒やせ!」


「わー、すごい活気、客引きもすごい……」


「ローズさま! なんだが楽しそうじゃないですか!? あっちのほう、どうなんですかね!?」


「はいはい、キャッチに捕まらないようにね、じっくり見て回ろうねー」


 私達はここに捜査しに来ているものの楽しむなとは言わない。

 むしろ新たな文化をじっくり楽しみたい。

 ゆえにここでのキャッチに誘われて1つの時間を潰してしまうのはもったいなかった。


 クオーツを引っ張るように表通りから路地へ入っていく。

 さすがに路地まできたらキャッチが少なくなる。

 むしろ表を大きくあけた店がたくさん出てきた。


 いわゆる商店街みたいなところかな?


「おおー、まるで顔が変わったみたいですね。王都は多様な顔を持つんですね……アノニマルースとはまた違った趣きですねぇ〜、アノニマルースはすごく整理されて区域ごとにあるので」


「そうだよね。長年の積み重ねと各々の考えが入り乱れる欲望の渦って感じで、暮らしている規模が全然違うや」


 私達はちょろっと観光名所をまわり市街地や商業区を抜ける。

 もはや両手に持ち歩きの食べ物だらけなのは言うまでもない。

 ここの糧食事情が非常に良いという証拠だ。


「アノニマルースではどこでもアイスを買えますけれど、アイスはここでは売っていませんね? そのかわり、イカの小さなフライはどこでも売ってますね!」


「そういえばクオーツは食事できないんじゃあ? さっきから時間停止の仕組みを入れた魔法拡張バックに詰めているけれど……」


「姉妹機のノーツへお土産です! ノーツは正確に味の感覚を再現して共有してくれるので、幸せな気分になれますよー! ノーツ自体は幸せな気分になるんじゃなく、興味深いみたいですけれど」


 クオーツの魂は元ニンゲンだ。  食事の幸福を記憶の中から引っ張ってきているわけか。

 ちなみにバッテリーエネルギーチャージで満腹感らしきものは得られるらしく質も各々で違うらしいが説明されてもわからない。


 さてはて貴族街や王城は近づけないので後だ。

 冒険者ギルドは貧民街と呼ばれるところの近くにある。

 ちょうど境目あたりか。


 ちなみに公式名称は第1集合住宅街だ。

 冒険者ギルドがあるところそのものは商業区にあたる。

 端っこなのは冒険者たちが荒くれが多くまた自力で治安の悪さもねじ伏せられる戦力だから。


 同時に貧民街の住民が冒険者になることも多いため。

 ……ちらっと貧民街を見に行ったらみんな元気に暮らしていた。

 家も……表通りよりはボロいがあるし他へのアクセスも少し悪いが王都内。


 治安は多少悪いけれど自衛団が見回っているし食事はある。

 仕事があっても稼ぎが悪い人々がココに暮らしているのだろう。

 どこぞの領都とは違うのだよ領都とは。


 まあ歴史の闇はともかくとして私達は冒険者ギルドにはいる。

 冒険者ギルドはとても人気があり依頼側も冒険者もギルド員もいっぱいだ。

 もはや私達が出入りしても誰も気にせずすらりと中へ。


「おい、急げ急げ! 良い狩り場なくなるぞ!」


「もう遅いってば! ココから走っても変わんないって!」


「はーい! 追加依頼貼りまーす!」


「実は相談したいことが……」


 ウンウン良い活気だ。

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