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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
成獣編 〜破壊からの再生は〜
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二百九生目 再開

 再び九尾の家と私達の街を"ゲートポータル"でつなぐ。

 これでまた受信機の量産ができるはずだ。

 やることがなくてボーっとしていたように見える骸骨たちも『やるぞー!』と言いたげに腕を振るい動き出した。


 いわゆる喜怒哀楽みたいな感情はないだろうが……

 やる気の有無自体はありそうだ。

 違いがよくわからないけれど。


 九尾と別れた後は街の衛兵詰め所に赴いた。

 確認したらやはりここで火山の方から来た複数の魔物を捕らえて彼らの訴えにより街中は拘束され森の迷宮階段側に追い出されたようだった。

 担当の方たちに謝り回った。


 特に怒られたのは特別許可証の貸出だった。

 イタ吉のものだとバレていた様子。

 イタ吉の代わりに怒られて没収されていた許可証を返してもらえた。


 事情が事情なだけに甘めに見てもらえたようだ。

 『二度と繰り返さないように』と念を押されたから、もう同じ手は使えないな……

 もちろん火山での採取は必要だから続けるけれどね。


 なんとかひと仕事終えて空魔法"ファストトラベル"で帰る。

 私の頭の中は九尾の言っていたことで埋まっていた。

 『人間の街を探れば良い』か……


 確かにテントだらけでさらに中央が崩壊しているこの群れより遥かにニンゲンの街は発展しているだろう。

 そしてその街に入るための準備も九尾は話していた。


 1つめは最低1人以上のニンゲンにみえる魔物や人間そのもの。

 2つめは街に張られた強力な魔物避け結界を潜入する魔物に対して無効化させる方法。

 3つめは外壁を通り抜ける方法で出来るなら正面から認可を得て入れるほうが良いとのこと。


 割りとどうしようもない……と凡な頭脳の私は絶望するしかないのだが天才らしい九尾はいくつか腹案があるらしい。

 ただ今すぐどうにか出来るものではないからまた後日来るように言われた。

 一体どんな手で来るのだろう。


 とりあえず帰宅。

 ということで私のテントに入ったら私抜きですでに会議をしていた。

 ここ最近は急務的な問題が多いから短時間顔を突き合わせて話をまとめて次の作業へ……ということは多い。


「みんなただいま。イタ吉、はいこれ」

「おかえり〜、っと、おお、俺の滞在許可証! ありがとうな!」


 小さい魔物たちの街への滞在許可証をイタ吉へ返して笑顔でお礼を言われる。

 あ、そうだ。


「二度と繰り返すなってめちゃくちゃ怒られたから、次は捕まるから気をつけてね」

「マジか!?」

「マジだよマジ」


 驚愕するイタ吉に念押ししてから私も会議に加わることにした。

 中身はあれが足りないこれが足りないと……まあいつものとおりだった。

 ドラーグが紙に書き足していけば行くほど顔が難しくなって尾がせわしなく動く。


 ドラーグは賢いがないものをあることにはできない。

 無理難題を解こうと必死になっているが現状無理だとしか思えない……

 けれどどうにかせねばという葛藤が心に体にそのまま表れているのだろう。


 まあ、ないものは仕方ない。

 とにかく私が得た情報も共有せねば。


「実は、私が博士の所にワープ魔法を作り直すついでに話をしてきたんだけれど、あの子対策の1つである能力(スキル)突破するための仕掛けがなんとかなりそう」

「おお、それは吉報だな! 次に来たときは完全に抑え込む必要があるから、そこは大事だ!」


 ジャグナーが笑い周りのみんなも少し安堵する。

 嫌な事だらけの会議に少しだけもたらされた良いことだったからだろう。

 とても気持ちはわかる。


「それとその他もろもろの問題も聞いてみた。そうしたら……」

「うんうん」

「ニンゲンの街を見に行くことになった」


 ひと呼吸の静寂が訪れる。

 そして……


「「えええぇーーー!!!」」


 その場にいたみんなが驚きに声を揃えた。

 まあ、そりゃそうなるよね。


「まあ気持ちはわかるけれど、実際一理あると思うんだ。なにせ、実際に平和に発展しているところを参考にしたりアイデアや物を貰ったりすれば、実際に多くの問題は片付くと思うんだ」

「それはいつもどおり主の閃きでどうにかならないのですか?」

「それは難しい。実際に手詰まりだし正直こっちの世界のルールや勝手が違いすぎて、当てはまらない部分が多いから……」


 アヅキが驚愕し思わず否定から入ったようだがそこは難しい。

 なんとか出来るならもうなんとかしている。

 そりゃあ生コンとか鉄筋とかがらくらく使えればなんとかなるだろうけれどさあ。


「しつもーん! 小さなあの街じゃあだめなの?」

「うん、それは私も考えたんだけれど……そもそもがスケールを全体的に小さく閉じた形で完成しているから、色々買い取りや交流も限界があるし、博士があんまり多くあそこの物は外に出して欲しくないんだって」

「確かに、博士は隠れている身だものね。今まで少し迂闊だったかも知れない」


 ハックが質問してくれたが私とユウレンでそれに返した。

 確かにあの街はひとつの理想だ。

 あれに影響を受けたのは間違いがない。


 しかし私がやりたいのはもう少し違う形だ。

 それに魔物たちのサイズも大きく場所も違う。

 同じやり方はしづらい。


 多くの成功モデルを見て私も……そして他のみんなにも具体的なイメージを培っておきたい。

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