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五十七A生目 地震

 すごく壊せそうな部品部分。


「壊れろっ!」


 私達が一斉に集中砲火すれば耐えきれず悲鳴が上がる。

 それは軋む悲鳴であると同時に……

 この内側に深く響いてくるような音。


 というか足元から叫びのような音が!


『効いているッス! やべーほど強いのは見させてもらったッスけど、ヤベーッスね!』


「シグナスさんも助かったよ。外の様子は?」


『サブシステムに切り替わったせいで戦闘ができなくなり、一気に情勢が傾いたッスね。そちらを正確に補足することも出来るようになったから、すぐに離脱するッスよ!』


「ま、また浮くのか!? うお、おおお!」


「うひゃあ……!」


 ジャグナーとはまた違う理由で浮かされるのは苦手なんだってば!

 まあアインスとドライの分は平気だから昔ほどじゃないけれどさあ!

 そんな思いもむなしく私達は一気に浮かされ脱出経路をとることに。


 アヅキは当然平気な顔をしている。

 そのまま空高く吹き抜けを通り抜け構造の隙間を抜いて。

 背後から震える音を聞きながら一気に駆け抜けた!


『貴様らが……原因か……』


「こ、この声は!?」


『我は……貴様らが潜り込んでいるそのもの……』


 やばっ重力神の分神本体に見つかった。

 私以外にも聴こえていてふたりともキョロキョロしている。

 念話で想いを伝えてきているから言語翻訳はいらなさそうだ。


『グオオ……些末かと思いきや、まさか、ここまでやるとは……貴様らと直接相まみえれなかったのが、残念だ……』


「直接だなんて絶対やりあいたくないからね! ……そうだ、そういえばなんで他の星を重力で飲み込もうとするの?」


『我の思考は……貴様ら小物に理解できるはずもなし……我は我故に、すべてを喰らうのみ。貴様らの星も、光も、いずれは……』


「なんとも話にならなさそうですね」


「こういう手合が戦争で1番厄介なんだ。占領ではなく破壊が目的のな」


 思ったより話通じない系だった。

 あとやっと一方からの話以外が聞けた。

 どうやら私達が逆に敵を擁護している……だなんてオチはしっかり避けられたらしい。


 まあ雰囲気というか情報というか……

 嘘の可能性はだいぶ探知の結果薄いとは思っていたけれど。

 特にこういう時に機敏なジャグナーも認めている。


 私達は一気に飛び上がり重力が消える。

 外だ。

 ……そうだ。


『ごめんシグナスさん、1回地表におろしてもらっていい?』


『良いっすけど? ただすぐに移動しないと危ないから、短時間ッスよ!』


 私達は敵竜の頭付近におりる。

 大きすぎてよくわからないけれどつのなのかな。

 そして最大限にためにためた魔法を範囲化させて……放つ。

 地魔法"クエイク"!


 ソレは大地を揺らし波動の(エフェクト)で相手を吹き飛ばす魔法。

 それは相手が巨大な神であろうと……

 私が大地として認識し魔法を使うならば放てる!


「ハアァッ!」


 激震。

 それは今まで感じたことのないほどの威力。

 この制限の解き放たれた中で放つ最大級の1撃。


 震撼は果たしてどこまで震えたのか。

 私にはわからないけれど。


『な、何したんッス!? いきなり敵ブラックホールの神が震えてメチャクチャに!?』


『グォ、オオオオッ!?』


「今度私達の星に攻めてこようものなら、これを100回食らわせでやるからね!」


 "無敵"流し込み"クエイク"。

 たっぷりお灸をすえる仕様。

 すぐにその場から離れ飛んでいくとやっと全景が見えだす。


 珠に張り付いていた竜の全てが揺れてボロボロと剥がれ落ちていく。

 表皮の欠片でも私達が乗って過ごせるくらいの広さは有るだろう。

 落ちるとはいえ宇宙なのでそこらへんに浮いているが。


 そしてやがて大きく切れて分かれる部位が。

 さっき乗っていたツノ部分である。


「あーあ……派手にやっちまって」


「さすが主、もはやあのようなデカブツにすら敵なしのようで」


「最初はだめだろうとは思ってたけれど、私達の力が強くなっているのと、戦闘能力をなくしたってきいたから、いけるかなって」


 いけてしまいました。

 どんどん壊れていくブラックホールの分神。

 もはやあれでは撤退しかできないだろう。


 私達は折れてどこかへ浮いていくツノを見ながらその場を離れていく。


『んじゃ、改めて……お疲れ様ッス! 戦いが終わったら、報酬が出るッスから、それを楽しみにしていてくださいッス!』


『わかったよ、それで私達はどうすれば……』


『大丈夫、帰りは帰るだけだからすぐッスよ!』


 そういうと加速が異常に増す。


『ほえ?』

『なっ?』

『うん?』


『行くッス! ワーーープ!』


「「うわぁーーっ!?」」


 一瞬にして景色が歪み鈍い音と共に光が置き去りになる。

 それは夢の中で見るような景色で。

 私達の意識も光と共に置き去りになった。

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