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五十三A生目 超越

 どうやら私たちは惑星から解き放たれると強くなるらしい。


「な、なんで……?」


『あー、詳しくは知らないッスけど、神たちが本当にフリーで争ったら惑星なんてどれもこれも粉々になるからじゃないッスか?』


「これ以上無い納得! ありがとう」


 ということは朱竜ってあれでだいぶ絞ってるんだ力わぁ〜〜本気のアイツだけは見たくない。

 まあ普通に壊れるんだろうけど星。

 そういえば朱竜が全力出す形態になったときまるで重力のない空間で戦うかのような姿だったような……


 まあ今はそれよりも目の前のことがだいじだ。

 ふたりが力の強弱を改めて確かめている。


「やっべぇなこれ、これが神の力か? 今までの倍……いやもっとソレ以上につええ」


 そりゃあ敵が練習相手みたいな強さ表記になるよ……


「主、僭越ながら申し上げると、自身の身体能力を把握する前に行動するのは危険かと。ぜひあのカカシたちに」


「わ、わかった」


 そりゃ危ないに決まっている。

 いつもの感じで走ったら岸向こうに跳んでいたり。

 ジャブを繰り出したら壁に穴が空いたりしているのを目の前で見ているのだから。


 あとひっきりなしに敵が来ているけれどもはやふたりとも気にしていない。

 今のとこら最初のやつの再生産だけだ。

 キリはなさそうだが強くもない。


 さて強さの上がり幅は"進化"したあとみたいなのだろうか?

 普段の縛りが解けただけで別に力がプラスになっているわけではないんで過剰なパワーを感じたりはしていない。

 まずは付与魔法なしで軽くとんではねてみる。


「うん、これやばい」


 試しに試した結果相当だった。

 制御はすぐに把握できたものの軽くとんだら20メートルはある天井に頭をぶつけ砕き同時に無事。

 全然いたくなかった。もはや天井は豆腐。


 あと敵も豆腐。

 だんだんとカラーが変わってゴツく変形したのが混じってきたがこちらに一切攻撃が通る気配はない。

 最初の頃はみんな避けていたのに光線は正面から受けてぶん殴っている。


「だいじなのは魔法だよなあ……」


 多分今魔法を使うと全部神力まじりになる。

 それにこの強さは少し覚えがあった。

 あの時は少しずつボルテージが高まっていって違和感がなかったけれど。


 魔王戦のとき少しずつ地上から離れていったあのとき。

 私は奇跡を起こすかのように神の力を振るえた。

 地上ではあんなに天変地異を使えない。


 そして今は当時よりも私もふたりも強くなっている。

 さあ魔法を練り終わったけれど……これどうなっちゃうかなあ。

 既にとどめている力の内側に危険信号が見える。


「みんな、少し下がってー」


「はい」「おう」


「行くよ……」


 私は土槍の魔法を放つ。

 すると敵のところに狙ったとおり土槍が生えて串刺しに。

 ――で終わるはずもなかった。


 そのまま槍が連続で生えていく。

 しかも生えるごと大きく乱杭状態に生えて敵をまとめて葬っていく。

 さらに随分巨大化したのが壁にぶち当たるとそのまま壁に侵食し……


「うわっ!」


 破砕音と共に大量の土槍がそこから生えて。

 天井近くまでまとめて破壊し砕け散った!

 えぇ……


「ローズ……」

「主……」


「わかってるわかってる、魔法はむやみに使わない……」


 ちょうどいい感じに示す方向の道が開けた

 進もうか……


『いやー! ドハデな突入ッスね!』


 みないで……みないで……

 制御できない暴走魔法なんて恥でしかないんで……






 私達は敵を文字通り蹴散らしながら進む。

 どうやら相手も本気になってきたらしく数も質も上がってきた。

 蹴れば吹き飛ぶのは変わらないんだけれど。


『強いッスね! その調子ッス!』


「この調子で抜けれればいいんだけれど……さすがに強くなってきたね」


 中に入り込み奥へくぐりと進んで通路裏のような場所。

 しかしほぼ直線で奥地であるココまで来ると敵が強くなっている。

 地上に足をつけ片腕の巨大な爪が恐ろしく目立つ人型竜に似たような神の分裂体。


 背中に翼あるからすごい飛んでくるんだよね。

 爪で切り裂いてくると斬撃もそのまま飛んでくる。

 斬撃は普通に痛みが来るのでなるたけ避けたい。


 ジャグナーは別だが。


「はあっ! 効かねえぞ!」


 飛び回る鎧のパーツを使いこなしあらゆる斬撃を弾いて時には跳ね返す。

 妙技がそこにあった。

 跳ね返された斬撃で竜が斬り裂かれバラバラになってるのでおそらく射出前よりかなり威力上乗せ。


『そいや最近聞いた話なんスけど、ローズさんたちみたいに強い奴らがの話で……』


「雑談……まあ楽だし気持ちはわかるけれど」


『少し前、惑星から急速に飛び立とうとした侵略型の神を、地上の生物が叩き落したそうッスよ。我々は基本離れた宙域で守っているから、もし直線で向かわれたら対象できないところだったッス。地上の生物も実にやるもんッスねぇ』


 私は全力で遠くのシグナスに目そらしした。

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