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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
命は平等されど公平であらずんば
2118/2401

二十六A生目 大暴

 ウッズは長棒を杖にして火を吹く魔法を放つ。

 竜巻に巻き込まれてゆきあっという間にファイアーストームとなった。

 本来は使用者も危険にさらされる大技だが両手剣フラワーは火系反射の武器スキル。


 結果地下施設を揺らし天を焦がしてアリシア・ミルドレクドだけが燃え斬り裂かれた!


「か、回復が……追いつかない……!」


 傷口を焼かれつつ地面に落ちたアリシア。

 複合的な傷はどうしても治りが悪い。

 それに生命力へのダメージも大きくて明らかにしんどそうだ。


 他の分身体も苦々しい顔をしながら下がってゆき5人の分身が影のようになって1つに溶けていく。

 やがて現れた1つの姿。

 傷はほとんどなくなったが非常に苛立った顔をしてミアたちを見渡した。


 バンは不敵な笑みで槌を突きつける。


「ハァッ、もう余裕はなさそうだねっ、ハァッ」


「そんな息を切らしながら、言われてもね……! くっ、力が……!」


 そしてここでミアの視界が揺れた。

 見るのは結界の方。

 僅かな隙を縫うようにアリシアの意識からそれる。


 アリシアは下がることを優先していたせいで結界からの位置は大きくそれていた。


「大丈夫? 走れる?」


「あ、は、はい、なんとか……!」


 結界は中のクライブくんが動くのに合わせ移動する。

 中にはミアも入れないがこれなら移動に支障はない。

 だがさすがにそこまですれば目立つ。


「なっ、このガキッ!」


 アリシア・ミルドレクドが目ざとく見つけてこれまでよりも速く深く踏み込みみんなを避けて突っ込んでくる。

 まさかの動きにミアは咄嗟に動くしかなくなった。


「嘘っ!?」


 これまでと違い技の冴えはかなぐり捨てたが……勢いと力のある突き。

 しのぎきるには重くミアは剣でなんとか身を守るのが限度だった。

 結果的に結界へ刃が突き刺さる。


「あっ!?」

「ひゃっ!?」


「これは……こんなこと出来るのな、今の妾は……」


 しかし角度的に中には当たらず。

 同時に結界にヒビが入って……

 力なく砕けてしまった。


 ミアが転がり込むようにクライブくんを抱えそのまま駆け出す。


「逃げよう!」


「「わかった!」」


「逃がすか!?」


 そして目的は達した。

 コレ以上の継続戦闘は困難と判断して即離脱。

 クライブくんを抱えているミアを先頭に脱兎のごとく走り出した。


「あわわわ」


「ごめんなさい、荒くなるけど耐えて!」


「ぐえっ」


 ミアが背後をちらりと見てから急いで柱の影に飛び込む。

 すると轟音と共に(エフェクト)が柱をえぐり折った。

 剣圧を飛ばす武技だが先程より力による能力がずいぶん高まっている。


「ハァッ、待てお前たち……!」


「なんだありゃ、大砲か!?」


「やべぇな、さっきまでより強い!」


 おそらくアリシア・ミルドレクドにとって初めての戦闘による憔悴。

 それがまだ眠っていた変身による力を引き出してしまった。

 幸いなことにオーバーパワーを本人がまるでコントロール出来ていないが。


「ロッズ!」


「ぬ、ぬおおおっ!?」


 そしてシンガリを務めるのは防御能力の高いウッズ。

 バンは攻撃力はあるが防御能力はさすがに低いからね。

 ウッズが殺気を感じるままに槍を振るうとスレスレで相手の突きを弾く。

 今のは偶然ジャストのタイミングで防げたゆえの奇跡だ。


 ただ力押しになっているためタイミングをはかりやすくはある。

 ただ全力でバック走しつつ物陰に隠れ物ごとぶっ壊されてまた駆けるの繰りかえしだ。

 このままではあっという間に追い詰められる。


「いい加減にしやがれ!」


「お前たちこそーっ!!」


 なりふり構わない袈裟斬りがアリシア・ミルドレクドから放たれ通路に影をつくるために置かれていた箱が吹き飛び砕かれる。

 凄まじい怪力だ。

 先程と比較したら随分と力が増しているのはよくわかる。


 (エフェクト)の量が減っているのにパワーだけでなんとかしている。

 ここにきて変身がしっかり馴染んできたのが最悪だ。

 みんなも顔色が悪い。


 バンが出来得る限りスキを見ては槌を振るい地震のような(エフェクト)武技を発動させ足止めしている。

 ただ使うとその代わりという勢いで突きの剣圧(エフェクト)がバンに飛ぶ。

 身をひるがえし必死に避けながら戦っていた。


「グオッ!?」


 だが限度はある。

 ウッズが受け流しきれず吹き飛んだ。


「まずい……!」


「追い詰めたぁっ!」


 バンが血を流して動きが鈍ってきたところに隠れていた設置されている箱ごと吹き飛ばされて。


「わあっ!?」「きゃあ!?」


 飛来した剣圧(エフェクト)が床に当たって爆発しミアとクライブくんを吹き飛ばす。

 共有してもらっている視界がめちゃくちゃだ。

 大暴れしている……

 

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