九百九十四生目 神化
こんにちは私です。
ジャグナーやアヅキたちは神化で進化していた。
まずジャグナーたちは無事都市解放戦を勝ち抜いたらしい。
正確には敵の御大将である化け物とかした人形を打ち倒した段階。
完全に破壊したのであとは掃討戦だ。
人形は龍脈を吸い取って人知外の化け物と化した。
しかしジャグナーやアヅキが無事神使として覚醒し進化。
打ち倒せたわけだけれど……
ジャグナーの形はこうなった。
元の姿はクマ型で岩鎧を纏っているわけだが。
トランスした後はどういうわけかその鎧たちが宙を舞いジャグナー自身はクマ型ながらも細身になっている。
身長は変わらないので逆に恐ろしさが増した雰囲気だ。
毛皮の色もすごみが増していて結構変化がある。
戦ったらさらに違うんだろうなあ。
アヅキは黒鴉の人型魔物で扇を持ち山伏のような服じみた羽を持つ、姿は烏天狗のようだったが……
それが鮮やか強い青が混ざるようになった。
飾り羽のようにあちこちあるが1番の特徴はまるで鋼のような硬質さを得たことか。
鋼の性質ではなく前の鳥らしい性質だが叩いてみたらコンコンと重い金属音。
不可思議な感じだ。
それなのに飛べるほど身軽だし。
雰囲気も前より強くスタイリッシュに変わっていた。
顔つきがだいぶ変わるのよね。
なお進化なのでふたりとと今は元に戻っていた。
軍部の小部屋で3人飲み物を囲んで話す。
「あー、やっと終わったぜ。今回の戦いはしんどかった。メチャクチャやりやがってよ……」
「詳しいことまではまだ聞いてないけれど、そんなになんだ」
「ええ。では口頭で説明をします」
アヅキが資料を見ながら現場の話を詳細に語ってくれる。
私の手元にあるのは台本のじゃなくて図式や絵が大きくかかれたまさしく資料。
とにかくまとめると戦争そのものは占領された街の解放戦。
現地ニンゲンと協力しての戦線を築く。
魔物軍はどうせ数はいないので個々の強さを活かし強襲。
敵はハーピー型といえばいいか。
翼と腕を持ち自身の羽を飛ばして上空から鉤爪蹴りをしかけるハンターだ。
ただ彼らの種は結局通常の兵たちと鍔迫り合いの範囲にしかならない。
武装もしているがニンゲンに比べれば微細な変化だ。
というかニンゲンの特徴ではるかに武装のパワーを引き出すというものがあるのだけれど。
置いといて問題は人形だ。
人形の的確な指揮と指揮スキルによる全体能力の向上。
これに苦戦していた。
だからこそ街防衛戦は敗北したわけで。
人形は街を占拠したあと中を覗けないようにして引きこもったので突撃。
暫くはさこちらの戦力が圧倒していた。
攻められたときとは違い知り尽くした土地で全戦力一気呵成出来るんだからそりゃ楽だ。
しかし街中まで入り込むと異常発生。
「人形が異様に巨大化し建物を巻き込んで大きくなっていたのです」
「なるほど……肉体はそうやって作っていたんだ」
建物を自身の建築材にして人形が巨大化。
さらに龍脈を奪い自身のエネルギーに変換した。
通常ありえず耐えられないやり方ながら元々それ用に作られたのだろう人形は全力を発揮しだした。
軍勢をビームで焼き払い迫りくる相手を羽虫を落とすように迎撃する。
そんな最悪な兵器と化した人形たちに魔物軍も追い詰められる。
しかしそこでジャグナーやアヅキの危機察知能力により進化。
ジャグナーは飛ぶ鎧で味方たちに飛び交うビームを弾きアヅキは夜を呼び出した。
「夜……?」
「概念上の、夜ですね。その瞬間私達はどうやら敵から見ると夜の帳に包まれた状態になったようです。あらゆる攻撃と探知をすりぬけ迫る使徒に」
なあにそれこわい。
とにもかくにも逆転する攻めで人形と対立する。
鋼の羽根刃で切りつけたりジャグナーが大きな鎧になって叩き込んだり激しいバトルだったとか。
結果的に人形は無事落とせた。
人形さえいなくなれば烏合の衆のため現在は掃討戦が行われている。
街中から蹴り出して野に返しているわけだ。
人形は街を占拠すれば化け物となってさらなる邪悪になると発覚したため各地の取り返し運動はさらに活発となるだろう。
「とりあえずはわかったけれど、こちらの損害は?」
「それは俺からだな。兵站とはいえニンゲン側からの負担は大きいからそこまでじゃない。人員も魔物獣軍と鳥軍あたりが総出で出たものの、まあ軽微だ。一時期は本当にヤバかったが、そこからの復帰がよかったな。死者はもちろん出てない。鎧が壊されるほどの打撃を受ければちゃんと転送されるからな」
「それはよかった……」
アノニマルースの軍だが通常の軍はみんな外に出ても問題ないとされている。
それはアノニマルースの特異性のおかげだ。




