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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
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九百七十八生目 防御

 VVの親番で派手な動きなくパチパチ打っている。

 相変わらずVVはカメラに向かって語りかけているんだけれど。


「はぁー、コメント欄のみんなを見られないからチョット寂しいなー」


 VVが頬杖をつきつつ牌を捨てる。

 ……?

 ん?


「こめんと? コメントっていうのは……?」


「え? ロードさん知らないんですか!?」


 むしろユナから驚かれてしまった。

 えっ何私だけ知らないの!?

 コメントってあのコメント?


 相互通信かつ高度に担保されていて同時に端末にそのような処理を行わせる必要があるあの?

 いやあ言葉にするのは簡単だけれども!

 簡単だけれども!


 キュウビ博士ですら受信リングと母機を決め巨大な母機を誰かがずっと管理することで翻訳システムを成り立たせている。

 それを一般的にしかもこちらが能動的に情報を送れる?

 それってエゲツないシステムが出来上がっているんだけれどわかっているのかな……?


「今アタシたちはイカサマ防止のために操作できないけれど、普段はコメント画面も出して、それにリアクションを返しながらやるからねー!」


「ええ!?」


「確かに、ほかでは見たことのない機能ですよね?」


「ええ、そうでしょうね」


 エイナがそう言い切るあたりやはりエイナの力か。

 あのスマホの力を想像以上に引き出しているらしい。

 正直あの技術はアノニマルースにも欲しいな……


 入力デバイスによる相互通信インターフェイスが獲得できればやれることが一気に増す。

 キュウビ博士たちの開発に任せてもよかったけれど現段階でやれるのならやってみたほうかいい。

 そうか……じゃあもしかして今カメラに映されている先にいるのは受動的な観測者だけじゃない。


 きっとこちらの能力を揶揄しからかい容姿をなじり性や歳をいじり。

 国や種を罵倒する……そんな言葉が書き込まれているのか。

 それに対して思うことがないわけでもないが気にしても何も言えない。


 何せ何が書き込まれているのかしるはずもないのだから。

 それにしてもそうか……そこまで私達の戦いをしっかり見られている可能性は考えていなかった。

 元々そんな気はなかったけれど手は抜けないな。


 この画面の向こう側にもわかるように勝利しなくては!


 この回はエイナとユナが聴牌しただけだった。

 1500点ずつ獲得して、

VV 39600

エイナ22400

ユナ 26400

ローズ11600

となる。


「ああー! 4万点台の牙城がー!」


「いけますよ! コレで満貫の8000点でも当たったら!」


「満貫か……5翻はかなり大きいよね」


 麻雀は役の点……翻数が大きいほど点が跳ね上がっていく。

 1翻なら1000点なのに5翻だと8000点になったりもするのだ。

 他にも符点という基礎の点数があって大事だが細かいので置いておく。


 結構多くの役を作らないと届かない。

 最初のVVがかなりぶっとんでいただけだ。

 そしてもう1つ問題がある。


「さーて? アタシにそこまでスキがあるかなー?」


 VVはさっきの親番のときですらまともに役を揃えていなかった。

 最初に大量得点したがゆえの全防御姿勢。

 いわゆるベタ降りである。


 この麻雀というものもそうだが卓上ゲームというのは対等関係が大きい。

 慣れと強さはあるもののある程度からはもはや腕の勝負。

 レベル差というものはない。


 そのなかでがっつり防ぎ続ければその砦を崩すのは困難を極める。

 普段は攻めたり守ったりをしてスキをうかがうのだから。

 もちろん運はあるので必ずどうにかなるといったものはないけれど。


 スペシャルな技がない以上ひっくり返すことはできない。

 VVの逃げ切りに顔のない神の逃げ足の速さを見た。

 この回はユナかリーチをかけたものの来ず私も聴牌し1500点ずつ。


 リーチした後に流局するとリーチ棒はストックされる。

 つぎの和了りをしたプレイヤーにまとめて1つ1000点として支払われる。

 つまりユナは500点しか増えず26900。


 私が13100でエイナは20900。

 VVが38100だ。


「この回で逃げ切りを確定したいですね」


 エイナの親番。

 エイナは牌を掴んで層宣言する。

 確かに親の番に逃げ切りをほぼ確定できたほうが安心だ。


「もう通しませんよ……!」


「ユナも案外かたいもんね」


「やはり防御ができないと、まともに誰とも戦えないので……」


 1撃で終わらすならともかく麻雀はだいたいやる時間はながい。

 脇をがら空きでやり続けていたらあっという間につけこまれるだろう。

 何せここR.A.C.2では真面目にやっている者たちがメチャクチャいるし。


 そこでユナも鍛えられているということだろう。

 振り込み……つまりロンを喰らうことはいまのところない。

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