表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
2023/2401

九百三十生目 感謝

 ロイダは私から状況をきいた。

 ついでにミアもそれで理解する。

 なんとか飲み込んでもらうしかないが。


「なんというか……面倒な状況になっているな」


「と、というか普通に死者蘇生も出来るんですかローズさん!?」


「まあ、万能ではないけれど」


「そこは……助かった」


 ロイダが目をそらしながら感謝する。

 素直じゃないけれどいいと思う。

 私が勝手にやったことだ。


「ちゃんと感謝したほうがいいですよ!」


「大丈夫、私達の関係はそういうんじゃないし」


「チッ、まあな」


「もう!」


 あくまで私達の関係は微妙なものだ。

 もはや敵対する理由もない。

 だけれども敵対していたわだかまりがある。


 だから距離感がわりと大事なのだ。

 さて問題として。


「ロイダ、君はこのあとどうする? このままだと、まともに動くのも困難だろうけれど」


「それを言うな……そもそも頭が全然回らん……おそらく、血が足らない」


「じゃあ、食べ物ですね!」


 というわけで適当なお店にえっちらおっちら移動した。

 当然ながらここに長い間いる前提で移動娯楽施設達はつくられている。

 ほんとうの意味での食事処も割とたくさんある。


 そのうちの1つで私達は軽食をとっていた。

 まあ消化に良いものということでロイダはスープを。


 私とミアはここの名物の1つと言われているピザを食べていた。

 えっなんでピザがあるの?

 ピザっぽいなにかだとおもっていたらがっつりピザなんだけれど何?


 まあそういうこともあるかとおいしくいただく。

 味も良い。


「こ、これすごく美味しいですね!! 見てくださいこれ、とてもよく伸びますよ! なんなんですかこれ!?」


「チーズだね……よくこんな豊富に使えるものだなあ」


「うまそうなもんくいやがって……こっちはよく味もわかんねーのに」


「味が……?」


「体がダメージを受けているから、多分味覚や嗅覚が弱っているんだと思う」


 私達はそんな他愛もない会話をはさみつ食事を平らげる。

 やはり腹は減っていたらしくロイダはしっかり食べきった。

 一息ついて。


「ふう……温まった。今はそれだけで十分だ」


「それはよかった」


 実際のところどこまでまともに肉体の機能がただしく動作するかはわからなかった。

 ひとまず食べてあたたまることが出来るのならばいいだろう。


「それで、どうする? 今のもガッツリタダメシだったが……俺をどこかに売ろうというのか?」


「売るようなところから救えたんだから違いますよ! ただわたしは、わたしたちは貴方を救えて良かった、それだけなんです!!」


「そ、そうか?」


「そうです!!」


 ロイダがミアに押し切られているのはちょっと面白い。

 それはともかくとしてだ。


「ロイダにはこれから、治療をうけてもらいたいと思っている」


「治療……?」


「そりゃあ、あからさまにヤバい状態だし。これは受けてもらおうと思う。お金にかんしては、まあそのあと考えればいいんじゃないかな」


「なんなんだ、それは……?」


 凄まじく怪訝な顔をされた。

 失礼な。

 詐欺ではないですよ。


「さすかローズさん! いいですよね、ロイダさん!」


「何がだ!? こんな怪しい話に乗れっていうのか!?」


「怪しいには怪しいというより、多分ロイダさんから見た時のローズさんはそこまで信用ができないのでしょうけれど、ローズさんはこういうとき無意味に傷つけたり、不足させたりしないですよ。ですよね?」


「まあね。それに打算がないわけじゃないよ。私が蘇生させたし、なんらかの労働をしてもらうにしても、やっぱり治してもらわないと。悪いようにいうと、勿体ないから、ね」


「なんだそりゃ……ふぅ……気が抜けちまった」


「まあ、肩の力を抜いたほうがいいよ。こっちも取って食おうって話じゃないんだからさ。もう国のツテもないんだよね」


「だろうな……俺たちは既に切り捨てられたら影の部分。お前たちのせいでな!」


「ロイダさん!」


「ちっ、悪い」


 もはや何度目かのやりとりだがそれだけロイダの中では複雑なのだ。

 まあ私が信用できないのは仕方ない。


「まあ、なにはともあれ私は私で医者は医者だからね。信用は別だよ」


「まあ……それもそうだ。見てもらって決める。金は……工面する。医者はどこに?」


「ちょっと遠いからワープするね」


 私は軽く(くう)"ファストトラベル"を唱えながらロイダに触る。

 一瞬で景色が入れ替わってアノニマルースに到着!


「おま! え……? いきなりどこだここは!?」


「ほらほら、医者のところにいくよ」


 私はホルヴィロスのところへ彼を歩かせる。

 ロイダが部屋の中に入り……

 ロイダとホルヴィロス両方が悲鳴をあげるのはもはや止めることは出来なかった……


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ