八百六十七生目 危険
2022/07/01 小説内容が違っていたので、全部変更しました。読んだ方は1.2.のポカン!でお願いします
小神ビュウロウ。
レベル以上に技量が高いと表示された相手。
私も今まで単にパワーがあるだけの相手には立ち回りで勝ってきた。
つまり相手もそのぐらいは出来るということ。
比較値が低いからといってまったく油断ならない。
「よお、こんなところで神がブラついているだなんて、随分といったグーゼンもあるもんじゃねえか、おおう!? まったく気持ちよくやってんとこによお、来ちゃあだめなんじゃねえか?」
ちなみに私はわざわざ翻訳しないため周りからは「ギギギ」とか「ギャッギャー」とか聞こえる。
音だけ聞くとかなり怖い。
「こっちとしては、ここに神が関与しているっていうのがあまりに意外なんだけれど? しかも、月の神……封印されているはずなのに」
「ギャハハ、何もしらねえのか!? いや、そんなはずはねえな、マアマア少し前から、月からは少しずつ神が漏れ出ていた。召喚石に縛られずとも、こっちの地上に降りれる道を作り出してな。だがその様子だと、なぜこうなっているか、まではしらなさそうだな?」
「へぇ、聞いたら教えてくれるの?」
「教えない……と言いたいところだが、そもそもオレサマは関係ねー。知ってることもほとんどねぇ。ただ、元々月の封印は、とんでもない神々を……話すことすら恐ろしい、彼の方々、大神クラスや古代神クラスを封じる力のほうが遥かに強い。彼の者たちが暴れるだけで、多少はほころびができる。そのスキに、天国の地へ来る! そうしてやっと、好き放題暴れられるからなあ」
「……天国の地? まさか、この星?」
「そりゃそれ以外どこにある」
月の封印が本当にヤバい相手前提ってのはわかる。
結界とかは指定範囲を狙ったほうがやりやすいし。
網目の細かさというか。
ただ溢れるほどの大暴れか……
何か向こうの方で良くないことが起こっているのか。
さすがにまだ私ではわからないけれど。
だけれどもわかることもある。
「この世界で暴れる気なら、私はビュウロウを止める!」
「なあにいってんだ、雷撃を防いで調子に乗ったか!? お前もオモシロくしてやる!」
私は神力を込めた火の玉を用意する。
青を超えて……紫色!
火魔法"フレイムボール"。
向こうも風の球体をいくつも生み出していた。
話す時間は詠唱の稼ぎ。
それは向こうも同じらしい。
私たちは両者魔法をぶつけ合い……
派手に空中で爆発しあった!
それは上の戦いの話。
当然戦いは下でも行われている。
ミルーカは殺されそうになった関係で履いていた剣を抜く。
細く美しい剣だ。
「た、助かった……? だが、悪いが自分の命は自分で守ってほしい、すぐにガンザたちが来る!」
「おや、お坊ちゃんのことは守らなくていいのかー?」
「何、生き延びてみせるさ……!」
ロッズの言葉にも真剣に返すミルーカ。
だが軽口もここまでらしく。
「ちっ、ビュウロウめひとりに手間取りやがって……野郎ども構え!」
「「オスッ!」」
大盗賊団棟梁としての掛け声が高台から響く。
ガンザだ。
「撃て!!」
返事の代わりに大量の矢と鉄砲弾が地上へと降り注ぐ。
即座に冒険者たちは理解し盾役が防ぎ隠れ避けて広域シールドを展開し。
「やっぱ当たる気しねえわ。不思議な補助だな……」
「敵から見ると俺たちは不自然な暗がりの中で、よく見えないんだよなあ」
ゴズやロッズたちは平然とその中を進む。
ミルーカは必死に矢をさばき弾を弾いているから差がひどい。
ちなみにミルーカたちがすごいだけでおそらく直で狙われればゴズたちは矢だるまになるだろう。
「つまり、このピンチを切り抜けられるのは!」
「わたしたちだけ!」
バンとミアが武器を携え壁の方へと駆けていく。
向こうもここまで来ると手練が揃っているらしい。
対策しようとあれこれ会話が飛び交っているが1撃も当たっていない。
「よっしゃ行って来い! こっちは障害物に、結界を置く!」
ウッズはこの状況でも結界杭を刺していく。
何せ邪魔がほとんどされないのだ。
かがんだ所で当たりもしない。
「くっ、全員サポートに回れ!」
「負傷者は!?」
「予想はして構えていたから、そんなにいない!」
「よーし! 魔法、一斉に行くぞー!」
そして他の冒険者達もたくましい。
この状況下でも不意を突かれたカタチにはなっていなかった。
むしろ一斉に火や氷や矢や闇や光が飛んでいく。
「ちっ、ガード用の壁を展開しておけ!」
「あいさぁ!」
展開されていく物理的な障壁が冒険者たちの攻撃を一方的に塞いでいく。
あれでは地上からの攻撃はほぼ効果が無い。
いやまあだからこそのここの施設なのだが。
「くそっ、攻撃が!」
「今だ! 流せえ!!」
ガンザが叫ぶ!




