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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け後編
1907/2401

八百十四生目 指示

「大変でしたねぇ、それは……」


「でもなんとかなって、本当に良かったですよ」


「ええ〜、あなたにもお怪我がなくって、それが1番ですね」


 そういえばとてもレアな怪我のない仕事だったのかな……

 私はラ=カートと話していて報酬のうけとりをしていた。

 報酬は色々と豪華である。


 このあたりの植物豪華セット。

 一応見守ってきた中で価値があるとして利用されたものを詰め合わせているらしい。

 チラッと観てみたが秘薬の草とか霊薬の葉とかある……


 何か価値のありそうな財宝。

 金属光沢がすっかり輝きを潜めているものの明らかに古い貨幣とか。

 なんだかよくわからないが多分大事な儀式に使ったのだろうメチャクチャ古い杖とかがあった。


「ニンゲンが置いていったりしたので、ちょうどよかったんですよね〜」


「在庫処分ですか」


 うーん……これってさあ文化遺産……うんちゃんとした処理はホルヴィロスにおまかせしよう。

 それに神使の石ももらえたぞわあい。

 そんなに貴重品じゃないのか割とくれるな……


 私は1つも自力で神使の石をできたことないから希少に感じるのだけれども。

 私はちゃんと受け取るものを受け取って挨拶して帰った。


 ……探索はした。







 なんとか平和な日常が戻ってきた。

 ら、よかったのになあ。


「ううーん」


 VV.I.P.チケット。

 金に輝く字と装飾の黒いチケットはちゃんと手元に飛んできた。

 【会話部屋】で渡されたものとは違ってちゃんとした物質だ。


 特別な加工がされており複製のできない気合いの入りっぷり。

 ただしVV……顔のない神の1柱に来いといわれただけで翠の大地のどこかは言ってくれなかった。

 なぜ報酬が新たな謎を呼んでしまうのか……


 あとこれの気になるところは感触と造形。

 PVC……ポリ塩化ビニルじゃん。

 つまりプラスチックじゃん。


 色々合わせるとブラッククレジットカードである。

 うーん謎が増えた……


 ただまあ最近翠の大地関連で気になることは多い。

 街の方もそろそろ私が離れても大丈夫っぽい雰囲気。

 神の依頼たちも現在処理中でしばらくはストップ。


 今私が世界中に救援に駆けつけても政治的な理由やらそもそもそれほどまでに世界をナメなくていいということでストップがかかっている。

 かわりにうちの軍がはりきっている。


 今アノニマルースは狙われていないから救助のチャンスだからね。

 乗っ取られた都市の奪還作戦も着々と進んでいる。

 ならば必要なのは神力。


 誰かを形式上神使にして限定神域武装を教えれば対抗できる。

 それらの条件に合いつつ神使の石が反応を示したのが……


「光栄です、主。このような場にいの一番呼ばれるとは。まあ、ひとりでないのだけはどうしても気になりますが」


「俺は誰とでもいいんだから文句言うなよ」


 アヅキとジャグナーだ。

 雷神さんは試そうとしたが石が反応せず。

 多分私とそんなに絆が深くないからだと思う。


 イタ吉は反応したが優先度を下げた。

 イタ吉は戦場には行かない。


 きょうだいは感覚的には多分いけるだろうが私の使いにしたくない。

 いやアヅキ以外のメンバーもしたくはないのだが形式的にそうなってしまうんだよね。

 まあ私は蒼竜の部下という認識はなくて生きているのでそんなものだろう。


 そういうようなことを説明したら食いついたのがアヅキで、


「ぜひ! 主の役に立てるのならば、この身この心を捧げ、力を繋げましょう! そう、主のしもべとして……!」


 とアツく迫られてしまった。

 困る。

 普段はそこそこおとなしいゆえにここぞという時の押しが強い。


 どうも毎度距離感を掴みかねるけれど悪意はない。

 そして食いついたのはもうひとり。


「俺は使える力なら、より好みはしないぜ。それに、形式上とはいえ使者になるのは、ローズのならなんら不満はねえ」


 ジャグナーは早速神力というものの使い方をどう軍事に取り込むかを考えているようだった。

 頼もしい限りである。

 そんなふたりは神使の石がちゃんと反応しているわけで。


 ええっと使い方は……


「そんでローズ、俺たちは何をすればいい?」


「えーっと、はい」



 石を渡します。

 終わり。


「……主? 何も感じませんが」


「うん、それで大丈夫。そのかわり基本的にはずっと所持していて。別に手で持ってなくてもいいし荷物とともに近くに置いてもいいけど、とにかく身近に身につけるようにしてほしいんだ。そうすると、石がキミたちの波長に馴染んで次の段階に進むから」


「とはいえ、戦いも近いから早めに使いたいんだが」


「それも大丈夫だとは思う。戦闘みたいな激しいことをしたほうが石の同調は早く済むみたい。同調をしたら、自分の身体に石が溶け込んで、神使の力を使えるはず。限定神域武装のやり方は……」


 私はあくまで使えないふたりに今のうちにレクチャーしておく。

 感覚的な話でも大事だ。

 何せ戦場ぶっつけ本番になる可能性も高いのだから。



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