表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け
1895/2401

閑話  歴史と祭り・奉生祭と意外な繋がりのある世界の神話たち

〜遥か未来の時に〜


 文献を紐解けばその記述は誰でも習う。

歴史なのか神話なのか曖昧なものだが少なくとも当時分かたれていた国の両方で、まったく同じ記述がなされていたことだ。

これは奇跡的なことであり、同時にありえないことでもある。

一応両国ともこれは決して示し合わせた空想ではないことを証明して回るのが大変だった話も付随しているがそこはいい。

今はこの中身について話そう。

つまりは多くの知識人が少なくとも読み飛ばしてはいないところだ。


[国を割る大戦、仇的討たんとする時生なき兵たち挙兵し割り込む。率いるは、見たこともなき邪悪な駆動兵なり。生なき兵たちは平原に落ちた血を吸い立ち上がった邪悪なる存在、見るだけで百の兵を斬り裂く我が精鋭たちが震え上がり、者によっては泡を噴いて倒れん]


 ここのゴーレムに関しては、別軸で語られる世界を揺るがしていた大蜂起の話のため整合性はあった。

アンデッドの軍もどうしても戦場が清められなければ自然発生するとは考えられる。

だからこそここの後からが解釈がわかれ、議論を呼ぶところなのだ。


[出来得る限りの対策を施し、何度目かの衝突。被害は人側がふくれあがるのみ。なぜならば、生なき兵にぶつかる軍の真横をもうひとつの軍が毎度突くのだから。両軍とも生なき兵に苦しめられていたが、生なき兵を両軍で倒そうなどという話なることはついぞ1度もなかった。なぜなら、双方の軍が壊滅する前に、戦場に現れし蒼き神が現れたからだ]


 ここである。蒼き神とはなんなのだろうか。一説によればそれは蒼竜神のことを指すと言うが何故蒼竜神が銀竜神の大地の端くれになど訪れようか。何せ戦場だったため意見が錯綜していたためだ。

空からやってくること自体は飛行可能な力を持つ者や、そういった魔法機を使えば良い。

しかし。


[神はまさしく神業を見せた。まごうことなき邪悪で醜悪、我等の精鋭すら姿を見せるだけで気を迷わせる生なき兵をなぎ倒し浄化し霧散させる。そして我等にすら怒りは平等に降り注ぐ。怨敵の軍を討ち滅ぼす機会ではあったが、神の怒りはどの軍にも降り注ぎ、戦いどころではなくなった。戦場に穴が空き爆発が鳴り響き神の剣は命を刈らず意識のみ刈り取り、やがて圧倒的な存在感に誰一人としておそれを抱かずに済むものはいなかった。軍の指揮官が両軍とも撤退を決定。この時より一月の間、神のため、そして生なき兵を生まないために戦場を清め、喪に服し、神を祀った。ひとりも戦争で死なぬこの期間を、奉生期として記す]


 これは現代にも残る奉生祭に繋がる話だ。奉生祭ではこれらを、実際にあった出来事として捉え、なぞらえた催しが行われる。飾り付けや 祭りの出し物、それと演奏等で迎えられる(最近は専ら屋台の食べ歩きが中心にはなっている。戦争と殺し合いのむごさ、アンデッドを前にしても争う人の醜さなどを説法されなくてもだいたいの国民は基礎学習で学ぶことが多いし、祝い事なのに疲れるからである)が、これらのどこまでが真実かは現代に活きる我々には謎である。

頓痴気な者は全て出鱈目と言うがそんな簡単な話ならばこの世の歴史書は全部ただの妄想本だろう。そして熱心な信奉者……特に現代でも5大竜に仕える寺の者は全て真実と語るが、妄想と現実の区別がつかないのならばいるかどうかもわからない神より確実にいる医者にかかったほうが良いだろう。


〜作者がいかにして取材中そのどちらかと常に思われて辟易したかの愚痴が列ねられているため重要点まで割愛〜


――閑話休題。

そもそもの問題としてやはりこれは大きく2つの有力説に分かれる。

1つは現象に神を見た説。例えば突然の雷雨と共に戦場は大荒れしたまたま火薬に火が入って爆発。アンデッドとの遭遇で錯乱した部隊が内部崩壊したさまを神の御業として捉えたという説。

そしてもうひとつは何らかの強力な魔物を神にあつらえた話。もし越殻者(エクシーダー)クラスの魔物が偶然襲いくれば3軍潰滅近くの被害は出るだろう。現代では人もトップアスリートやトップファイターは特別な手続きと処置そして才によってその殻を破り特別な力を持つのは読者も知っての通りだが、もともとは魔物に多く発生しなおかつ現代よりはるかに強力で、故に人々はそこに神聖を見た。自然信仰だと考えられている五大竜信仰と人が人に神を見出す(フォウス)教などの救世主信仰とは違う、土着だったり民族が捧げ物や犠牲のかわりに保護や恩恵を受ける精霊信仰は魔物の越殻者(エクシーダー)が原因と考えられている。

だがどちらの説もいまいち踏み込みに欠けるというよりどうも決定打になる証拠もない。当時は戦乱で多くの資料と人が消えていて余計だ。ここで筆者が取材した中で興味深い話をいくつか記していき、結論を導いていこうと思う。まずは……当時から活躍していたとされる伝説の存在、『蒼の夫婦神』の話から始めよう。


〜歴史と祭り・奉生祭と意外な繋がりのある世界の神話たち より抜粋〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ