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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け
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七百八十七生目 自爆

 うまく防いではいるが向こうの耐久力減少が激しい。

 人形は自己回復の分まで防御と攻めに回す。

 私は人形にあの技をさせたくなくて手を休めない。


「まだ勝てるつもりダな」


「それはこっちのセリフ、降参してくれてもいいんだよ!」


「我が製造の意味からシて、破損よりありえなイ」


 生きる意味だから死ぬよりありえないってことなのかな?

 そんなこと!


「生きる意味なんて自分で決まれば良い!」


「使命すらわからなイ哀れな生命体メ」


「そっちこそ、言われた通りのことをしているだけだろう?」


「だったラ、下等だと思うのがお前タちだ。私と、製造主に従エ!」


「嫌だね!」


 やはりというかなんというか説得はまるで通じない。

 あと"無敵"。全然入っている手応えがない。

 精神の感覚が違いすぎる。


 多分精神感応無効とかのスキル持ってるなあ。

 私達はガンガン殴り合いしつつ私は地面へと叩きつける。

 人形は両腕ないせいでうまく受け身を取れずに落下した。


 私はそこに土魔法"ソールハンマー"で土からできた大鎚を叩きつける。

 人形は逃れ切れず衝撃で大きく跳ね跳んだ!

 よし後少し!


「……コの作戦、失敗するワけにはいかなイ」


「残念ながら、もう失敗だ!」


 人形がなんとか姿勢を戻し残った腕をこちらに振るう。

 伸びて勢いのついたそれを喰らわないように急いで飛びよけつつ。

 やはりこのあと追撃がまともに出来ないのが見て取れる。


 バランスを崩したから足でも攻められない。

 身体のあちこちに積んであった兵装は戦闘のさなか負傷して破損している。

 トゲや剣みたいにあるだけで攻められるものじゃなくて射出がメインだったらしくどうしても壊れやすい。


 もう胸部小型連射銃も背部射出型追尾弾も脚部噴射型火炎弾も出せない。

 とは言えそこらへんはもともと牽制目的ぽかったが。

 特に火は私に効果薄いし。


 腕を伸ばすためのワイヤーをうまく使い凄まじい勢いで叩きつけられる。

 それを私はついにイバラで絡め取る。

 よし! からまったコードみたいになったぞ!


 こうなるともう互いに動けない。

 片腕の向こうはほどくこともできないわけで。

 だったらここで!


 私はイバラの先で魔法を発生させる。

 それは岩のような形をとり人形の身体に付着して。

 むしろサイズ的には岩に人形が付着したのだが。


 地魔法"アースボム"!


「危険、離脱、不可っ」


「私は逃げる!」


 魔法陣のガードは万能じゃない。

 ぶっ飛ばす勢いは物理現象として私を襲ってしまうからね。

 イバラを切り離すと相手はイバラと岩ごと吹っ飛んでいく。


 私は一気に加速し離脱。

 瞬間爆破!

 私の背後で岩が粉砕する大きな音が響いた。


 爆発音だ。

 岩が激しく砕け人形は抵抗がうまくできずもろに入る。

 やがて煙を尾にひいてそのまま吹っ飛び地面へ落ちた。


 私はそっと降り立ち人形の元へ行く。

 人形の姿は……半壊していた。

 まだなんとか耐久力はあるものの腕はどっちもちぎれ脚部にも異常が見られる。


 関節とブースターがイカれたらしい。

 片方の足が変な挙動をして立ててなかった。

 胸も装甲が剥げているし顔も半分は剥き出しのゴーレム質になっていた。


 もはや見るも無惨な姿というやつだ。

 ここまで追い詰めればもう無茶なことはしないだろう。

 なにせ逆転の目がない。


 まあ私も見た目ボロッボロですが。

 穴とやけどと打撲痕だらけだけど。

 生命力はガンガン治しているので見た目以上に元気です。


「さあ、拘束させてもらうよ」


「が、ガガが……」


 どうやら発声するところすら壊れてらしくもはやまともな発音ができない。

 ほぼノイズだ。

 だが私の耳は機能が良い。


 ノイズの中に音を少しずつとらえながらイバラで縛り上げていく。


「……に、ん……む……」


「ほら、キミは司法に連れて行く。キリキリ情報を吐いてもらうよ」


「……ぞっ……こ、う……ふ、か……」


「そうだよ、だからさすがに諦めてね」


「じょ、う、ほ……う……も、ち……か、え…………る」


「うん、キミから情報バンバン取るからね。というか聞こえているかな?」


「……し……ね」


「なっ、もうまさかそこまでボロッボロなのに!」


 私は目の前で輝き出す相手を見て悪態をつくしかなかった。

 単なる輝きじゃない。

 明らかに鳴ってはいけないレベルで駆動音が鳴り響きつつエネルギーが収束している。


 自爆だ!


 私は止まらないかと急いで地面へ叩きつけるように遠くへぶんなげる。

 人形は地面を跳ねながらも全く止まる気配がない。


「……もう!! 死ぬなんて!! なんでッ  あ  わ  ッ!!」


 急速に離れ逃げて。

 "ミニワープ"をギリギリ挟めるかどうかの瞬間に背後から音が消えた。 

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