表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け
1849/2401

七百五十七生目 一重

 結局あの剣は振られればかなり斬れる。

 さっき軽く喰らってわかった。

 腕から黄色い血を垂れ流すはめになり"ヒーリング"を使う。


 うん今のは危なかったッ。

 腕が斬りとぶかと。

 今も斬撃は止まらない。


 スレスレで差し向けた爪を引くことでなんとか避けたのだ。

 腕が落ちると一気に機動力や戦力が落ちてしまう。

 治せるとはいえ避けたい。


 もちろんめちゃくちゃ痛いし!!


「そろそろ止まれ!」


「ウォ、ゴォォォッ!!」


 そしてこっちもこっちで聖魔法"レストンス・アレンジ"をぶつけている。

 一応何回かぶつけているからか様子が変わってきた。

 "無敵"も当然込めている。


 全体的にあの暗闇の霧を纏わないようになってきている。

 さらに真ん中の剣がたまに明滅する。

 強烈な暴走効果はありそう。


 そして振るう刃の鋭さそのままにたまに驚かされるほどただしい選択を選んでくる。

 前はブラフも何もせずとにかく卓越した剣技で攻めてくるだけだったのだけれど……

 今はこちらの攻める姿勢1つ1つに反応をちゃんとしようと動いているのが見える。


 今も私の尾をイバラとして伸ばし赤いトゲの花から毒を差し込もうとしたら高く跳んだ。

 空中には受けなくても私の尾イバラの上に乗るという曲芸。

 そして回るようにイバラを斬り捨て着地し着地狩り射撃をいなす。


 なので困っている。

 一応聖魔法にはまだ引っかかってくれるけれど設置式なのはバレてて常に足を動かしているし。

 踏んでも即足を動かせば大して当たらない理論恐ろしすぎる。


 そのまま踏み込み私の背後まで刃を伸ばしてきて逃げ場を無くすように掻っ切ろうとしてくる。

 いやこわ!?

 だから関節自由すぎる相手は信用しちゃいけない!


 しかしそこに割り込むのは我らの鞭剣ゼロエネミー。

 長く伸ばした太刀筋で斬り裂きを止めてくれる。

 てこの原理で跳ね上げるように刃をそらし……


 そのまま勢いを利用して斬り裂く。

 鞭型とはいえ硬化も自由自在な剣ゼロエネミーならではだ。

 しなった刃をいなしきれずプリトンは吹き飛ぶ。


 よしそこに設置!

 聖魔法"レストンス・アレンジ"だ!

 彼女が身体をバラバラにしているところで極光を浴びせる。


「ウウウッウウウ……!」


「だいぶまともっぽい声になってきた!」


 さっきまでは獣でも出さないといったうなり声だった。

 今はギリギリニンゲンが出しそうな声をしている。

 ちなみに声とはいえスケルトンに声帯はないので魔法的に骨を震わせたりして音を出しているらしい。


 あとはスケルトンらしくカタカタ言うようになれば完璧かな?


「ウガウッ!」


「そろそろ正気に戻れー!!」


 私が振るうイバラは早ければ1秒間に10以上叩き込める。

 それは相手が小柄なため数を増やさないと当たらない!

 前までは攻め攻めだったのに今やとても小回りをきかして反撃を狙いすましている。


 おそらくこれが本来の立ち回りなのだろう。

 うわっ!

 剣で鞭剣ゼロエネミーの"なぎ払い"を受け流すと見せかけて回転するように避けてから私に翻すように突き!


 ギリギリ急所を避けられたが……!


「グッ!」


 私は大きく入った突きで吹き飛ばされる。

 なんて重い1撃!

 グググッ……と足で踏ん張り後退させられるのをこれ以上は防ぐ。


 "ヒーリング"もそうだが今は私がこの環境で常に癒えている。

 だから割と喰らっても……


「ラアアァァッ!!」


「えっ」


 ……あれは?

 肋骨の中の宝石剣がひときわ強く輝いたのを見た時は既に遅かった。

 緑かかった黒の波動が瞬間的に放たれた!


 しまった!

 しかし痛みはない。

 "鷹目"で見ると私はなんだかひどくくすんだ緑の(エフェクト)がかかっていて……


「あだだだだ!?」


 途端に生命力も減り痛みが身体を支配する。

 わかった! "ヒーリング"中止!

 他の魔法を準備……!


 生命力が半分近くになってしまった……

 私を"観察"すると。


[状態異常∶アンデッド化]


 生死暗転を使われたか!

 "ヒーリング"が凶器になったんですけれど!

 抗議を上げる前に向こうはさらに動く。


 剣を振りこんできてそれを避けて……あれ?

 体が縛られている!?


[状態異常∶アンデッド化、拘束]


 剣の鎖!? そうかこの剣の鎖ってアンデッドに反応するのか!

 すぐに振りほどこうとして紫電が走る。

 私から力を吸い取っている!?


「ウガガガガ!?」


 これはまずい。

 明確なピンチだ。

 何せエネルギーを吸い取りつつプリトンは肋骨に手を伸ばしている。


 ヤバイヤバイヤバイ!

 これ間違いなく即死コンボみたいなの狙ってる!

 プリトンは肋骨から黒い刃を抜きとる。


 そうして私に向かいその短剣を振り抜く……!


「クッ……」


 その剣は……

 私の頭上の空間を裂いた。

 私が縛られた鎖から落ちたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ