表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
狂った境界と踊る神々そして大きな賭け
1848/2401

七百五十六生目 骨噛

 空気が斬り裂かれる音が凄まじい。

 武技とはいえとんでもない威力を有しているのは明らか。

 鎖が巻かれ欠けた刃に見える剣だが問題なく機能しているようだ。


 太刀筋を見極めたい所。

 鞭剣ゼロエネミーが飛びかかり銃ビーストセージでイバラを使いサブマシンガンモードで連射し射ち払っていく。



 それをさも当然のように斬り払いつつ接近してきた。

 いやえげつない!

 こんなにも多数の手を一刀のもとに切り捨てないでほしい。


 そんなに卓越した技術も見境がなくなるほど苦しんで狂っている現状はとてもよろしくない。

 早く解放しないと。

 こういう時こそ"無敵"はかなり便利だ。


「戻ってこーい!」


「ブォオオオォ!!」


 凄まじいうなりを小さい子どもの声でやられると違和感がすごい。

 こうなんというか……ムリをしているかのような。

 実際意識が飛んでるんだからムリをしているのだろう。


 私は相手の剣を踏み込まずに斬れる範囲からわずかに逃れつつ"無敵"を強く意識してイバラで切り裂いていく。

 何が困るかってイバラを切り落として来るのに同時に攻めてくる動き。

 体力とか息とかなさそうだもんなあ骨だから!


 でもアンデッドの剣使いは悪いけど慣れてはいるんだ。

 ここで相手のリーチとして使いにくいインに踏み込むと関節をありえない方向に曲げて斬り裂かれるのも学習済み。

 もう何本取られたか覚えていない……!


「大丈夫!? その剣が悪いの?」


「ガッ!!」


 息をする必要のないのに叫ぶ。

 ある意味アンデッドらしくない行動だ。

 正気ではないということだろう。


 ちなみにアンデッドらしいのは息遣いでフェイクを織り交ぜ叫ぶんじゃなくてあまりに静かに急所へ剣をさしこむ感じ。

 確かに技はあるけれどアンデッドらしからぬ動きだ。

 やっぱ正気ではない。


 技は冴えているものの攻め一辺倒だし別に攻めが悪いわけじゃあないけれど技術を使いこなせていないというか……

 剣技って当然ただしく自分に強い技術の選択をしてこそ冴えるんだけれど向こうがやってきているのってとりあえず雑に技術振ってきているというか。

 例えば今器用にもその場で回転するように剣を振るって攻撃を弾いたけれど別に2方向にしか攻撃が来ていないのだから別に回る必要なかったというか。


 回った後は当然スキがあるからそこにイバラ叩き込んで体にヒット。

 追撃は許してくれなかったけれどかなり良いテンポで受けてくれている。

 攻めることばかり考えているうえ防ぐ技術がとにかく雑に選択しているからね。


 だからものすごい攻めてくることに慣れてきた今はむしろ単調に見えてきた。

 剣を踏み込んでこちらを斬り裂き武技を何か使い。

 終わったらまた攻めてくる。


 鎖を警戒しているんだけど全然使う気配がない。

 アンデッド用なのかな……

 だとしたら警戒すべきは解放技・生死暗転と書かれていたスキルかな。


 読む通りならば多分骨の中にある宝石剣の技だ。

 そして私の生死を反転させてくる。

 多分即死じゃなくて……アンデッドに。


 ただそれをするような冷静な判断が彼女にできるかどうか。

 攻めの種類は豊富だけど!


「さすがにわかってきたよ!」


 聖魔法"レストンス・アレンジ"!

 普通ここまで攻め込まれたら集中阻害されて魔法が放てない。

 私の傷も浅くは有るものの少なくないし。


 レストンスは邪気を払う魔法。

 もちろん幽霊的な魔物にだいたい効果が高いが……

 今この相手には狂気を取り払いたいだけなんだよね。


 なので払う邪気の方向性を変える。

 同時に仕様も変化。

 淡い光をまっすぐ放つというものに指向性を与え設置型に。


 つまり地面からトラップのように発動!

 そのまま極光が心の混在を焼き払う!


「グアオオォ!?」


 やはり魔法は意外だったらしく珍しく動きを止めて思いっきり喰らっている。

 耐久値は全然減らないが目に見えない大事なものに直接攻撃だ。

 光が収まったころに私は"無敵"を強く展開しつつ最接近。


 近接で爪を使って斬り裂き噛みつく!

 骨を噛む獣ってこれ本格的に……いや考えないようにしよう!

 カルシウムカルシウム。


 噛み砕けはしないけれど"無敵"の通りは良い、

 やっぱり魔法より剣より銃よりイバラより直接攻撃が1番通るんだよね。

 プリトンも振り払いつつもなんだか変な反応をしている。


 今まで攻め一辺倒だったのに困惑しているような。

 けれどその想いを振り切りまた攻めてきた。

 振り切らなくていいのに!


 つまりまだ攻めが不足している。

 確かに動きは見えてきたけれど勝てるかどうかはまた別だからなぁ。

 確実に"レストンス"を当てまくって"無敵"をねじり込み正気に戻さないと。


 毛皮の先が吹き飛ばされ強烈な斬撃を紙一重でかわしつつ思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ