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その能力は無敵! ~けもっ娘異世界転生サバイバル~  作者: チル
不死身のない不老不死は虫翅の夢を見る
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六百九十八生目 調整

 虫たちがざわめく密林。

 文字通り規格外サイズの虫たちがうごめく。

 甲虫やら昆虫やらたくさん彷徨いていてカメラもどこから向ければいいか悩むほどだ。


「ここはまさしく、虫の楽園と言った様子でしょうか……おっと?」


 今度は地響きである。

 この密林に置いて地響きを鳴らすのは密林の君主たちしかいない。

 のんびりと自身の存在を主張するものたち……


 バッタなようなイナゴのような虫たちが跳ねていく。

 数匹の移動でも戦車の移動より騒がしい。

 ちょっと虫たちが跳んで行くと腹の底まで響いていく。


 大きなこすり合わせた音……つまり鳴き声が響いたかと思えばそこには大きな翅を持つ虫が。

 カメラもマイクもあちこち忙しい。


「本当にすごい世界ですね……正直結構危なくなってきているんで、そろそろお暇しましょう……おや?」


 みんなで帰ろうとしたところで一斉に月光蝶たちが空へと舞う。

 高く舞い光を跳ね返している姿はあまりに美しい。

 思わず全員で見惚れる。


 ……そこで気づいた。

 何かが凄まじい勢いで近づいてきている!


「ッ! 撤退!」


 私の掛け声にさしそものみんなも気づいた。

 私たちが全力でそこから引く間に虫たちは今まで見せていなかったような躍動を見せる。

 それは先程のゆっくりした地響きではなく連続したおぞましい地響きによって語られる。


 大きな音がしてそちらを振り向く。

 木の枝が……ニンゲンが乗ってあまりあるサイズの木の枝が吹き飛ばされつつ土煙と共にそれが姿を表す。

 巨大な肉体を震わせると全身を震わせながら茶赤っぽい肉体でおぞましい音を鳴らす。


 黒い複眼は全てを見回すように周囲へ警戒しなによりも正面の大顎を動かし獲物を狙う。


「みなさん! アリです! 思ったより毛が生えてるんですね!!」


 虫界で社会を作りどのようなものも顎の1撃で破壊して重いものもらくらく運ぶ肉体。

 アリの群……その尖兵だ。

 次々とアリたちがやってくる!


 アリは群れている。

 当然の摂理だ。

 こちらのことなんて何も気にせず花畑をもかき乱して虫たちに襲いかかる。


 他の虫たちも負けじと逃げている。

 私たちも急いで逃げよう!







 距離を取るのは案外そんなに難しくなかった。

 虫たちにとって私たちは完全に足元の存在。

 巻き込まれなければそんなものなのだ。


 全員で荒くなった息を整える。


「い、いかがでしたか……夜の密林はこうして危険ですが……とても魅力的な映像を送れたかと思います……今日は長時間の配信にお付き合いいただき、誠にありがとうございました……!」


 シメの挨拶をしてカメラを閉じる。

 みんなで粗く深い息を吐いた。

 映像……見えたかな?


 現場チェック班によるとやはり夜闇はまったく見渡せないらしい。

 そのかわり"ライト"くらいの光源があれば問題なく運用できているようだ。

 ただ目で見えているより結構狭いしブレが見られる。


 あと終盤の方はガチャガチャしていて映像が乱れまくっていたようだ。

 やはり夜間用レンズなどの対応を求められるね……









 さて。

 こんにちは私です。

 また別日に密林へ来ていた。


 個々のキノコエリアにある巨大化キノコのひとつ。

 その足元をわざわざ通ってキノコの1つ。

 隠蔽をかさねているせいで正直見つかりっこないこの場所に階段がある。


 降りれば地球の迷宮……

 そう私が名付けたところが存在する。

 私が親の名前として何故か登録された不思議空間だ。


 どうせリハビリを兼ねて現状激しく動けない今では丁度いい環境となっている。

 特に管理室でじっくりねっとり今後の運営計画をたてるのは抜群に良い。

 まあ今回はそれだけではなく……


「銃ビーストセージのメンテナンスをお願いします」


「承りました」


 管理室のAIが反応して銃ビーストセージが運ばれていく。

 色々戦ってわかったことをフィードバックしていかねば。


 まず基本的には威力連射射程命中率取り回し全部めちゃくちゃいい。

 もうないじゃん弱いところ……といいたくなるけれどもそう簡単な話ではない。

 基本的に何ら弱みがないということは押し付けられる強みもないのだ。


 あらゆる能力が使い手に依存して結果的にめちゃくちゃ弱さすらさらしている。

 いやまあベースでつくったんだから仕方ないんだけど。

 簡単に言えば使い手より相手が強い場合何やっても勝てないみたいな性能している。


 勝てる相手にしか勝てない。

 それは私が使ったときより他者に点々と貸したさいにより強く明らかになっていた。

 イバラ刺しての連射もできないしね。


 というわけでメンテついでにカスタマイズ。

 この銃そのものに蓄積された経験をフィードバックしてみる。

 普通の銃なら無理だが意志ある銃だからね。


 形態変化を自力でできる未来に思いを馳せつつ迷宮の様子でもチェックするか〜……

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